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トニーニョ・オルタ関連90年代USAワークスが国内盤復刻

トニーニョ・オルタの傑作『ドゥランゴ・キッド』他関連90年代USAワークスの決定盤!BIG WORLDレーベル原盤の傑作3種を、2013年最新リマスターのクリアな音質で国内盤CD再発!

80年代後期からUSに渡り、VERVEリリース期を経て、トニーニョ・オルタが辿り着く弾き語りの境地。独特の響きを創出するギターと、飾り気のないソフトなヴォイスで、ブラジル:ミナス・ジェライスの澄んだ空気を最もシンプルな形で表した1993年の作品。弾き語りの清らかな美しさと淀みなく湧き上がる興奮...卓越したギタリストとして、そして自然体の語り部としてトニーニョの虜となり、世界中に信望者を生むこととなった記念碑だ。1stアルバム『TERRA DOS PASSAROS』のオープニングも飾ったことで知られる名曲M1「CEU DE BRASILIA」は、ストリング・ギターの残響と滑らかなカッティングで原曲の印象的なコードワークを、より味わい深いサウンドへと仕立てた冒頭にしてハイライト。この見事なまでの音が耳に届いた瞬間に鳥肌を覚えるのは、決して間違いではない。同じく1stアルバムで取り上げたM3「DIANA」、2ndアルバムの収録のM2「VENTO」、VERVE盤『DIAMOND LAND』からのM9「WAITING FOR ANGELA」、そしてミルトン・ナシメントに提供したラストのタイトル曲「DURANGO KID」と、セルフ・カバーで自作代表曲の新たな素晴らしさを堪能できることはもちろん、躍動的なギターの調べが高揚感を誘うM5など、本作がレコーディング初演となるトラックも魅力的。そして、ビートルズのトニーニョ・オルタ流解釈で聞かせるM-4の存在も特筆。

 

「DURANGO KID」の続編は、トニーニョ・オルタのギター/ヴォーカルの一体感で描かれる世界観が最高潮に達したという意味で、ソロでのキャリア最高傑作に挙げるファンも少なくない。1stアルバムに収録されたM-1「AQUAELAS COISAS TODAS」のイントロだけで、この作品の持つ麗しいポテンシャルが聴いて取れよう。しなやかなサンバ・カッティングとディープな旋律を辿るスキャット。まさにトニーニョ・オルタというアーティストの真髄が刻まれた歴史的名トラックといっても過言ではない。同様にアップテンポで魅了するのがM4「AQUI,OH!」。2ndアルバムのオープニングとしても知られるトニーニョ屈指のサンバは、ギター/ヴォイスという最もシンプルなスタイルで新たな息吹を生んだ快演だ。敬愛するドリヴァル・カイーミ作を唯一取り上げたM4「SAUDADES DA BAHIA」、1stアルバムからの壮大なミディアム・ナンバーM3「DONA OLIMPIA」、VERVE盤『MOONSTONE』に収録された趣きのある楽曲「LIANA」、その『MOONSTONE』の原題曲でトニーニョを代表するファンタジック・ナンバーM7「PEDRA DA LUA」、同じく1stアルバム収録のM8「VIVER DE AMOR」はリフレインと展開の妙が印象的。思慮深いメロディーの名曲M10「BONS AMIGOS」(2ndより)、爪弾かれる弦の繊細な響きが余韻を残すラストのM13「FALSO INGLES」(1stより)と魅惑のセルフ・カバーも満載。

 

ギル・エヴァンスの愛弟子であり、USジャズ・メインストリームでの地位を築いた鍵盤奏者ギル・ゴールドスタイン。ブラジル音楽にも造詣の深い彼が、ブラジル屈指のミュージシャンと共に作り上げた珠玉の逸品。ブラジル・サウンドに触れることで、より開放的なパフォーマンスを聞かせるギル・ゴールドスタイン。その感性を引き出したのは、スペシャル・ゲストとしてクレジットされているトニーニョ・オルタに拠るところが大きい。名手ホメロ・ルバンボのソロ・ギター、パット・メセニー・グループでも成らしたパーカッション達人アルマンド・マルサル、そしてナチュラルなヴォイス・ワークの紅一点マウーシャ・アジネー(トニーニョとも親交の深い音楽家マリオ・アヂネーの妹で、ヴォーカル・グループ「セウ・ダ・ボカ」の元メンバー)と根幹を担うメンバーとのセッションに、トニーニョのギター・ワークが独特の浮遊感を注ぎ込んでいく。名曲「LUISA」の収録や、アルバムのハイライトである「INFINITE LOVE」がタイトルに用いられたことも、ギルがトニーニョ・オルタ対して格別の想いを寄せているからに他ならない。加えてドリ・カイーミ珠玉の美曲「AMAZON RIVER」で締めくくられるラストも白眉。最新リマスターで日本盤として約10年ぶりの名盤復活を喜びたい。

タグ : 【World】復刻&発掘

掲載: 2013年10月08日 19:03