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シリル・エイメー(Cyrille Aimee)2017年8月ニューヨーク、ポワソン・ルージュでのコンサートがCD化

Cyrille Aimee

photo: Julien Hay

 

1984 年フランス、フォンテーヌブロー生まれ。フランス人の父と、ドミニカ人の母の間に生まれ、スタートは街角でのストリート・パフォーマンスから。しかし、ジャンゴ・ラインハルト・フェスティヴァルで脚光を浴び、アポロ・シアターでのラフなコンサートも経験する一方、ウィントン・マルサリスとリンカーン・センター・オーケストラをバックにした公演まで、百戦錬磨という言葉も似合う彼女。そんな経験も踏んだステージには、風格というものさえ、漂います。

しかし、その世界は、どんな時もニュートラル。気取ることのない、自然さが特長。マヌーシュのスウィンギーなリズムに正確無比なヴォーカリーズは、ライヴという場でこそ、盛り上がるというものであり、本ライヴでは、長年共演してきた、名ギタリスト、アドリアン・モワニャールを筆頭に、なじみのレギュラー・バンド・メンバーと抜群の一体感で、会場も最高に盛り上がります。

作品は、Mack Avenueでの第一弾作品となったタイトル曲“It's A Good Day”でスタート。そのパフォーマンスはご機嫌そのもの。自在で、表情も豊かなエイメーの歌唱はもちろんのこと、バンド・メンバーともピッタリの呼吸。アコースティック・ギターの軽やかなカッティングに絡むエレキの超絶ソロも聴きもので、オープニングだけで、グッとつかまれます。エスプリの利いたフランス語によるエイメーのオリジナルM2や、シドニー・ベシェのM3は洒落た風合い。一方スタンダードとして名高いM7<Day by Day>のようなナンバーのヴォーカリーズには、往年のジャズ・ヴォーカル・ファンも“うならせる”ものがありますし、自身の声もサンプリングしたマイケル・ジャクソンの<Wanna be Startin' Somethin'>ではコーラスワークやヒューマン・ビートなどもまじえてのトータルな演出も。会場は歓声とハンド・クラッピングで、あふれ返ります。

実は、このバンド・メンバーたちとの活動はしばしお休み、現状最後のパフォーマンスとなるとのこと。フランスからブルックリンに拠点を移して活動していたシリル・エイメーでしたが、ニューオリンズに拠点を移したのです。しかし、これは、新たなインスピレーションとエナジーを得るためにあえてシリルが選んだ旅立ち!

アルバムに挿入されたブックレットの写真を見ても、当日のバンドのノリの良さと、仲の良い雰囲気が伝わってきます。ラストはMack Avenueの第二弾作品『Let's Get Lost』に収録された名曲“Each Day”で、ちょっとメランコリックに、ノスタルジーをそそってフィニッシュ。このバンドの休止は残念でなりませんが、才能あふれるシンガーの今後がとても楽しみになる一作です。

試聴はこちら>>>

 

【収録曲】
1. It's A Good Day (4:31)
2. Nuit Blanche (5:55)
3. Si Tu Vois Ma Mère (6:12)
4. Live Alone And Like It (8:08)
5. Wanna Be Startin' Somethin' (4:51)
6. Off The Wall (5:11)
7. Day By Day (3:56)
8. It's Over Now (Well, You Needn't) (7:49)
9. Three Little Words (4:13)
10. Each Day (6:56)

【メンバー】
Cyrille Aimee(vo, Bass RG-505 loop station)
Adrien Moignard(ac-g)
Michael Valeanu(el-g)
Dylan Shamat(ac-b)
Dani Danor(ds)

掲載: 2018年06月13日 10:39