こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

注目アイテム詳細

「シティ・ソウル(City Soul)ディスクガイド」掲載作品から小渕晃氏の書き下ろしコメントでオススメCDをご紹介 第2回(定期更新:全7回)

City Soul

『シティ・ソウル ディスクガイド』
~シティ・ポップと楽しむ ソウル、AOR&ブルー・アイド・ソウル~

「80sリヴァイヴァル~ブギー/ディスコ・ブーム」と、「国内のシティ・ポップ人気とも関連する、世界的なクロスオーヴァー・ポップス人気の高まり」。『シティ・ソウル ディスクガイド』は、いまの音楽シーンにおけるこの二大潮流を踏まえ、1970年代~2010年代のソウル、AOR&ブルー・アイド・ソウルの名盤およそ600枚をあらためて紹介するディスクガイド本です。「シティ・ソウル」を、クロスオーヴァーな洗練されたポップ・ミュージックで、ヒップホップ以降も通じるある種のグルーヴを備えた作品とゆるやかに定義。音色とBPM(テンポ)にこだわって、いま聴いて心地いいと感じる名曲/名盤をセレクトしています。

『シティ・ソウル ディスクガイド』
(DU BOOKS刊)

・編著者
小渕 晃(元bmr編集長)

・著者
梶本 聡(ベイビー・レコーズ)
駒木野 稔(diskunion / Kissing Fish Records)
関 美彦(SUNDAY GIRLS)
高木 壮太(CAT BOYS / 井の頭レンジャーズ etc.)
高橋 一(思い出野郎Aチーム)
林 剛(R&Bジャーナリスト)
福田 直木(BLUE PEPPERS)

・インタヴュー・ゲスト
冨田 恵一(冨田ラボ)
クニモンド瀧口(流線形)
DJ JIN(RHYMESTER / breakthrough)
G.RINA

 

line

入手可能な作品の中からオススメCDをご紹介。
コメントは小渕晃氏の書き下ろしで、読めるのはタワーレコードだけ!

第1回はこちら>>>

 

【Part2 1975 - 1979】

文/小渕 晃

 

ミュージシャンにこそ愛された世界の音楽王

Allen Toussaint Southern Nights 

・オススメ曲
Southern Nights 
What Do You Want The Girl To Do?

アラン・トゥーサンは、ニューオーリンズのシーンの中心で50年代末から15年に逝去するまで活躍し続け、世界中のミュージシャンに尊敬された、まさに音楽界の至宝でした。ソングライター、アレンジャー、プロデューサーとして名盤を多く残しましたが、自身で歌うソロ作も深い味わい。クロスオーヴァーで洗練された、粋なスタイルを前面に出したこの3rdがいまはオススメです。

 

シティ・ポップ・ファンに愛されてきた洗練の1枚

Hirth Martinez / Hirth From Earth

・オススメ曲
Djinji
Altogether Alone

ザ・バンドのロビー・ロバートソン指揮のもと、名手が多数参加したハース・マルティネスのファースト・アルバムは、昔から特にこの国のシティ・ポップ・ファンの間で人気を博してきました。“Djinji”のとんでもなくグルーヴィな「歌う」ベースは細野晴臣、ではなくてチャック・レイニーですが、これはキャラメル・ママ好きには特にオススメしたい、洗練されたグルーヴが詰まった名盤です。

 

ジャズの名手が多数参加した味わい深い大名盤

Paul Simon / Still Crazy After All These Years

・オススメ曲
50 Ways To Leave Your Lover
Have A Good Time

・コメント
サイモン&ガーファンクル解散後は、世界一のシティ=NYの地からリズム/ビートにもこだわりまくった名盤を連発、「Mr.シティ・ソウル」のひとりとも言えるのがポール・サイモンです。ジャズの職人を起用し味わい深い曲を並べた本作は、オトナになるにつれどんどん好きになる1枚。スティーヴ・ガッドによるドラミングが語り草の“50 Ways To Leave Your Lover”にうっとり。

 

AORというジャンルの起点となった歴史的名盤

Boz Scaggs / シルク・ディグリーズ

・オススメ曲
Lowdown
We're All Alone

ボズ・スキャッグズの5作目は、AORというジャンルを確立したアルバムのひとつ。本作の録音を通じて意気投合したミュージシャンが中心となり結成されたのがTOTOですが、とにかくジェフ・ポーカロのドラムスが生む、ファンキーでいて軽やかなグルーヴが絶品です。これぞシティ・ソウルな定番人気曲“Lowdown”に、クリスタルなバラード“We're All Alone”以外も好曲揃い。

 

フューチャー・サウンドの詰まった特別な1枚

Steve Miller Band / Fly Like An Eagle

・オススメ曲
Take The Money And Run
Serenade

驚異的なレコーディング・マジック~サウンドの先進性もあり、世界中でDJに再発見され続けてきたスティーヴ・ミラー・バンド。サンフランシスコで結成され、ブルース/サイケ・ロック期にはボズ・スキャッグスも一時在籍しました。タイトル曲も人気の本作は、“Take The Money And Run”や、“Serenade”などサンプリングねたとしても有名なクラブ定番曲の詰まった名盤です。

 

フィリー・グルーヴに乗るマイケルの歌にシビれる好盤

The Jacksons / The Jacksons

・オススメ曲
Show You The Way To Go
Blues Away

ジャクソン5から改名し、モータウンからフィリー・ソウルへと華麗なる転身を果たした本作は、マイケルがオトナの歌を聴かせ始めた記念碑です。“Show You The Way To Go”は、セクシーなミディアム・グルーヴに乗るやはりセクシーなマイケルの歌にシビれる名曲で、カヴァー・ヴァージョンも多数ある定番人気曲。シャレたシティ感覚溢れる“Blues Away”も絶品です!

 

ハワイ発メロウ・グルーヴの定番人気作

Cecilio & Kapono / ナイト・ミュージック

・オススメ曲
Have You Ever Had That Feelin'
Make It Up To You

ハワイ出身のふたり、セシリオ&カポノがLAでつくり上げた、極上のアイランド・ブリーズに包まれるような傑作。ハワイ産ブルー・アイド・ソウル/AOR作品の人気が70~80年代のように再燃しているいま、ハワイとLAサウンドのいいとこ取りをしたこの定番人気作も若い世代に再発見されています。心地いい曲が満載ですが、“Have You Ever Had That Feelin’”がピカイチ。

 

スティーヴィ・ワンダー フォロワーの最高傑作

Erik Tagg / ランデヴー

・オススメ曲
Got To Be Lovin You
Rendez-vous

後にリー・リトナーや松原正樹のアルバムに参加し名を上げたエリック・タッグ。77年発表のこのセカンド・アルバムは当時オランダでしか発売されず、知る人ぞ知る1枚となっていたもの。スティーヴィ・ワンダーの影響を隠さず表したブルー・アイド・ソウル作品としては、ジョン・ヴァレンティ『Anything You Want』にも勝る最高傑作と言える1枚です。聴けば、必ず欲しくなる!

 

クリアで爽快!病みつきになるほど心地いい1枚

Crackin' / Special Touch

・オススメ曲
Too Young
Kalalee

1978年のシティ・ソウル屈指の大傑作。ソロ作も人気のレスリー・スミスが歌い、後に裏方としてソウル/AORの名曲を多く残したバネッタ&チュダコフらを擁したクラッキンの最終作。シティ派職人マイケル・オマーティアンがプロデュースしたクリアで爽快なサウンドと、高度なソングライトが相まって、病みつきになるほど心地いい1枚はシティ・ポップ・ファンにも大推薦。

 

ジャズ技法が光るメロウ・グルーヴの世界的人気盤

Pages / ファースト・ペイジズ

・オススメ曲
Let It Go
If I Saw You Again

ソングライター/コーラスのスペシャリストとして名を挙げたSSWふたりが中心となったペイジズ。このファースト・アルバムは昔からAORファン、そしてDJに人気の高い1枚です。シティ・ソウルを絵に描いたような“Let It Go”がとにかく素晴らしく、早くも遅くもない絶妙なテンポが心地いいグルーヴを生む名曲。メロディアスな“If I Saw You Again”など他も秀曲揃いですね。

タグ : AOR City Soul

掲載: 2018年07月27日 12:00