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「シティ・ソウル(City Soul)ディスクガイド」掲載作品から小渕晃氏の書き下ろしコメントでオススメCDをご紹介 第3回(定期更新:全7回)

City Soul

『シティ・ソウル ディスクガイド』
~シティ・ポップと楽しむ ソウル、AOR&ブルー・アイド・ソウル~

「80sリヴァイヴァル~ブギー/ディスコ・ブーム」と、「国内のシティ・ポップ人気とも関連する、世界的なクロスオーヴァー・ポップス人気の高まり」。『シティ・ソウル ディスクガイド』は、いまの音楽シーンにおけるこの二大潮流を踏まえ、1970年代~2010年代のソウル、AOR&ブルー・アイド・ソウルの名盤およそ600枚をあらためて紹介するディスクガイド本です。「シティ・ソウル」を、クロスオーヴァーな洗練されたポップ・ミュージックで、ヒップホップ以降も通じるある種のグルーヴを備えた作品とゆるやかに定義。音色とBPM(テンポ)にこだわって、いま聴いて心地いいと感じる名曲/名盤をセレクトしています。

『シティ・ソウル ディスクガイド』
(DU BOOKS刊)

・編著者
小渕 晃(元bmr編集長)

・著者
梶本 聡(ベイビー・レコーズ)
駒木野 稔(diskunion / Kissing Fish Records)
関 美彦(SUNDAY GIRLS)
高木 壮太(CAT BOYS / 井の頭レンジャーズ etc.)
高橋 一(思い出野郎Aチーム)
林 剛(R&Bジャーナリスト)
福田 直木(BLUE PEPPERS)

・インタヴュー・ゲスト
冨田 恵一(冨田ラボ)
クニモンド瀧口(流線形)
DJ JIN(RHYMESTER / breakthrough)
G.RINA

 

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入手可能な作品の中からオススメCDをご紹介。
コメントは小渕晃氏の書き下ろしで、読めるのはタワーレコードだけ!

第1回はこちら>>>

第2回はこちら>>>

 

【Part 3 1980-1983】

一家に一枚な、AOR/フュージョンの定番大傑作

Al Jarreau / Breakin' Away

・オススメ曲
My Old Friend
Breakin' Away

ジェイ・グレイドンがプロデュースし、デイヴィッド・フォスターが尽力、つまりエアプレイのふたりが生んだ最高傑作。超絶ヴォーカルで一時代を築いたアル・ジャロウにとってもベストな1枚となった、AOR/フュージョンの定番大傑作です。”My Old Friend”や”Breakin' Away”など心地いいメロウ曲や、聴けば分かる爽快な”Easy”など、全ての曲が聴きどころ。

 

80sシティ・ソウルの始まりを告げた大名盤

Al Johnson / Back For More

オススメ曲
I'm Back For More
I've Got My Second Wind

モダン・ソウルと呼ばれ、クラブでも人気を博すダンサブルな80年前後のソウル、その代表的人気作のひとつがこれ。ダニー・ハザウェイらと同じハワード大学で学んだソング・スタイリスト、アル・ジョンソンのメジャー初作です。ジェイムズ・ギャドソンやデイヴィッド・T・ウォーカーも参加、演奏も超一流で、特に山下達郎さんファンにも、ソウル初心者にも大推薦の1枚。

 

D・フォスター制作の、AORソウルの定番人気作

Average White Band / Shine

・オススメ曲
Whatcha' Gonna Do For Me
For You, For Love

ブルー・アイド・ソウルの代表的バンドが、AORの匠デイヴィッド・フォスターと組んだ、昔もいまも常に大人気の1枚。ネッド・ドヘニーとの共作曲でシャカ・カーン版がヒットした”Whatcha' Gonna Do For Me”がとにかく名曲。フォスター味のスロウ”For You, For Love”もメロウで心地よさ抜群です。ディスコで大人気だった”Let's Go 'Round Again”も爽快ですね。小渕

 

TOTO、D・フォスターと組んだ80s AOR代表作

Boz Scaggs / Middle Man

・オススメ曲
Jojo
Isn't It Time

AORの型を生んだ『Silk Degrees』から4年、引き続きTOTOのメンバーをバックに、新たにデイヴィッド・フォスターをアレンジャーに迎えた本作は、80sロック/AORの型、サウンドを決定づけた、またも時代を動かすエポック作でした。TOTOの”Georgy Porgy”を進化させた”Jojo”がとにかく大名曲。”Lowdown”の進化形”Simone”や、メロウな”Isn't It Time”も抜群です。

 

プロも惚れる、レコーディング・マジックが詰まった名盤

Donald Fagen / The Nightfly

・オススメ曲
I.G.Y
The Nightfly

プロがサウンド・テストに使うレコードとしても有名な、とにかく音がいいことで知られる1枚。スティーリー・ダンの一員、ドナルド・フェイゲンの1stソロ・アルバムは、実はデジタル・レコーディングの先駆けとなった先進的なつくりにも注目です。けれど、この圧倒的に心地いい音世界に、キマリまくったジャケットを眺めながら、ただただ酔いしれるだけでも十分ですね。

 

アーバンでクリスタルなフュージョン作品の代名詞

Grover Washington Jr. / Winelight

・オススメ曲
Just The Two Of Us
Let It Flow (For Dr. J)

ビル・ウィザーズのダンディな歌もハマった”Just The Two Of Us”は、ある年代以上の洋楽好きなら知らない者はいない大ヒット。スティール・パンの音色も涼やかな、ラテン、ソウル、ジャズの融合が見事な、AOR/フュージョンを代表する1曲です。主役グローヴァー・ワシントンJr.のサックスと同じくらい、名手リチャード・ティーの鍵盤にも聴き惚れる1枚ですね。

 

アンビエントR&Bの元祖は、打ち込みソウルの重要作

Mtume / Juicy Fruit

・オススメ曲
Juicy Fruit
Ready For Your Love

ドラム・マシン(TR-808)を、生演奏に似せるのではなく機械ならではの使い方をして、それまでにないグルーヴを生んだ”Juicy Fruit”は発明でした。いまのアンビエントR&Bを先駆けたつくりも含めて、ヒップホップ以降の音楽に大きな影響を与えた重要曲です。リーダーは、マイルス・デイヴィスのバンド・メンバーでもあったパーカショニスト、ジェイムズ・エムトゥーメイ。

 

メロウもブギーも粒ぞろいの、モダン・ソウル名盤

Norman Connors / Take It to the Limit

・オススメ曲
Melancholy Fire
I Don't Need Nobody Else

ジャズ・ドラマーからクロスオーヴァー・ソウルのつくり手へと転身したノーマン・コナーズの名盤。メロウ極まる”Melancholy Fire”でのグレン・ジョーンズの歌にシビれてください。1980年リリースで、リオン・ウェアにアル・ジョンソンも歌う本作はモダン・ソウルの決定的名盤。スティーリー・ダン”Black Cow”のインスト・カヴァーもシティ度数をアップさせています。

 

クラッキンのふたりが制作したAORソウルの秀作

Robbie Dupree / Robbie Dupree

・オススメ曲
Steal Away
Hot Rod Hearts

元クラッキンのピーター・バネッタ&リック・チュダコフがプロデュースし、ビル・ラバウンティがキーボード他で参加した、AORソウルの秀作です。ドゥービー・ブラザーズ”What A Fool Believes”のリズム・パターンを参照しヒットした”Steal Away”と、同路線の”Hot Rod Hearts”の爽快感は格別。NYはブルックリン生まれの主役の歌も爽やかな味わいで、ナイスです。

 

ロバート・バーン1979年の名盤の姉妹作

Thelma Houston / Summer nights

・オススメ曲
Summer Nights
No Love In The Morning

2017年に初リリースされた、歌姫テルマ・ヒューストンの1980年録音未発表曲集。5曲全てマッスル・ショールズにて、ロバート・バーン(バーン&バーンズ作品でAORファンにおなじみ)1979年の名盤とほぼ同じ体制で制作された、モダン・ソウル/AORソウルの秀作です。そのR・バーン”No Love In The Morning”のカヴァーなど、いま聴くのにピッタリな佳曲揃い。

タグ : AOR City Soul

掲載: 2018年07月27日 12:00