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「シティ・ソウル(City Soul)ディスクガイド」掲載作品から小渕晃氏の書き下ろしコメントでオススメCDをご紹介 第4回(定期更新:全7回)

City Soul

『シティ・ソウル ディスクガイド』
~シティ・ポップと楽しむ ソウル、AOR&ブルー・アイド・ソウル~

「80sリヴァイヴァル~ブギー/ディスコ・ブーム」と、「国内のシティ・ポップ人気とも関連する、世界的なクロスオーヴァー・ポップス人気の高まり」。『シティ・ソウル ディスクガイド』は、いまの音楽シーンにおけるこの二大潮流を踏まえ、1970年代~2010年代のソウル、AOR&ブルー・アイド・ソウルの名盤およそ600枚をあらためて紹介するディスクガイド本です。「シティ・ソウル」を、クロスオーヴァーな洗練されたポップ・ミュージックで、ヒップホップ以降も通じるある種のグルーヴを備えた作品とゆるやかに定義。音色とBPM(テンポ)にこだわって、いま聴いて心地いいと感じる名曲/名盤をセレクトしています。

『シティ・ソウル ディスクガイド』
(DU BOOKS刊)

・編著者
小渕 晃(元bmr編集長)

・著者
梶本 聡(ベイビー・レコーズ)
駒木野 稔(diskunion / Kissing Fish Records)
関 美彦(SUNDAY GIRLS)
高木 壮太(CAT BOYS / 井の頭レンジャーズ etc.)
高橋 一(思い出野郎Aチーム)
林 剛(R&Bジャーナリスト)
福田 直木(BLUE PEPPERS)

・インタヴュー・ゲスト
冨田 恵一(冨田ラボ)
クニモンド瀧口(流線形)
DJ JIN(RHYMESTER / breakthrough)
G.RINA

 

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入手可能な作品の中からオススメCDをご紹介。
コメントは小渕晃氏の書き下ろしで、読めるのはタワーレコードだけ!

第1回はこちら>>>

第2回はこちら>>>

第3回はこちら>>>

 

【Part 4 1984-1987】

80sならではの新しい感覚に溢れた、最重要作のひとつ

Alexander O'Neal / Alexander O'Neal

・オススメ曲
A Broken Heart Can Mend
If You Were Here Tonight

この時期、ソウル/R&Bの新時代の到来を最も強く感じさせた、80sの最重要作のひとつ。プリンスの地元仲間だったアレキサンダー・オニールとジャム&ルイスのチームによるファーストで、メロディ、リズム、サウンドなど全てにおいて80sならではの新しい感覚を提示。いまに至るまで多くの影響を与え続けています。メロウな前半と、ファンクな後半の対比も鮮やかでウマい。

 

ダンディな歌が極まる、80sシティ・ソウル屈指の名盤

Bill Withers / Watching You Watching Me

・オススメ曲
Something That Turns You On
Oh Yeah!

ビル・ウィザーズの最終作は、これぞ80sシティ・ソウルの名盤というつくり。D・フォスターと組んだ爽快な”Oh Yeah!”、ダンディな歌が極まるメロウな”Something That Turns You On”と、良曲が続きます。ラテンを常に取り入れてきた彼らしい、レゲエな”Heart In Your Life”や、当時のトレンドだったワールド・ビートを独自解釈した後半の数曲もいままた旬。

 

いまのR&Bへの影響も大な、ウマさ際立つ80sの名盤

Cameo / Word Up

・オススメ曲
Candy
Don't Be Lonely

打ち込みサウンドが主流になっていた1986年にヴェテラン・ファンク・バンドが出した、当時の都会派ソウル/R&B/ファンクの代表的な傑作です。マライア・キャリー”Loverboy”でネタ使いされ人気再燃した”Candy”は、メロウでいてファンキーな80sファンク屈指の名曲。他曲も、AORやヒップホップも取り入れた80sならではのサウンド、曲づくりのウマさが際立つ1枚。

 

シティ・ポップへの影響も大なジャム&ルイス注力作

Cherrelle / High Priority

・オススメ曲
Saturday Love
Will You Satisfy?

ジャム&ルイスがジャネット以前に注力した、ソプラノ・ヴォイスが魅力的なシェレールのヒット作です。アレキサンダー・オニールとの”Saturday Love”は、この時期のシティ・ソウル屈指の名曲。メロウでメロディアスなサウンドも、土曜のデート(不倫?)を謳う歌詞も、この国の歌謡曲でも大いに参照されました。”Will You Satisfy?”での可憐な歌声にも聴き惚れます。

 

ヒップホップ世代にも人気の80sソウルの秀作

Dennis Edwards / Don't Look Any Further

・オススメ曲
Don't Look Any Further
I'm Up For You

ヒップホップの古典エリック・B&ラキム”Paid In Full”でネタ使いされ、いまも人気の”Don't Look Any Further”。当時の流行だったアフリカ/ラテン・テイストと、シンセ・サウンドをウマく合わせたヒット曲で、長くテンプテーションズの看板シンガーだったデニス・エドワーズはソロでも成功。”I’m Up For You”などシンセ・ブギーと、バラードの佳曲が並ぶ1枚です。

 

ジャム&ルイス制作の80sブルー・アイド・ソウル

The Human League / Crash

・オススメ曲
Human
Love Is All That Matters

80sに数多く存在した、ソウル/ディスコに影響されたUKのシンセ・ポップ・バンド。そのひとつ、ヒューマン・リーグは本作でジャム&ルイスと合体。ソングライトも彼らが手がけたメロウな”Human”は、この時期のブルー・アイド・ソウルの代表的名曲です。”Love Is All That Matters”もジャム&ルイスらしい、切ないメロディがとてもキャッチーな秀曲ですね。

 

2018年のいままた旬な、時代を超越した名盤

Kleeer / Intimate Connection

・オススメ曲
Intimate Connection
Tonight

ブラジルの才人デオダートが制作、シンセ・サウンドによるメロウ・ファンク代表曲”Intimate Connection”は、2018年のいままた旬な、時代を超越した名曲です。DJ・クイックが同名曲でネタ使いした、ヴォコーダーを用いた歌が快感の”Tonight”もいままた大人気。ザップ/ロジャーからデイム・ファンクのファンにまでオススメの、80sが生んだ宝物のような1枚。

 

「渋谷系」にも影響を与えたジャジィなポップスの名盤

Matt Bianco / Whose Side Are You On

・オススメ曲
More Than I Can Bear
Half A Minute

80sシンセ・サウンドのカウンターとして人気を博した、アコースティックでジャジィなサウンドが特徴の、UKのラテン音楽礼讃~ファンカラティーナ・ムーヴメント。その代表格のひとつ、マット・ビアンコは90年代渋谷系ポップスにも大きな影響を与えた、シャレた曲づくりが特にウマかったグループ。いまならメロウ・グルーヴの”More Than I Can Bear”がオススメです。

 

いまや別格の人気を誇るレジェンドたちのデビュー作

Sade / Diamond Life

・オススメ曲
Hang On To Your Love
When Am I Going To Make A Living

いまの音楽シーンで最大の影響元のひとつになっている感があるシャーデーは、もはや別格の存在。このデビュー作から、重心の低いドラムスとベースがループ感も強い曲を、とにかくグルーヴ重視で聴かせていて、リリースから30数年を経ても色褪せません。シティ感溢れるグルーヴにシビれる”Hang On To Your Love”を始め、いまも新鮮に響く好曲ばかりなのが驚きです。

 

ブルー・アイド・ソウルのいまもお手本となる大傑作

Swing Out Sister / It's Better To Travel

・オススメ曲
Twilight World
Fooled By A Smile

シティ・ソウルを体現するようなグループ、スウィング・アウト・シスターのファーストです。”Breakout”がとにかく人気ですが、よりクールでクリスタルな”Twilight World”や、ソングライトのウマさが際立つ”Fooled By A Smile”など、とにかく曲が粒ぞろい。このアルバムがあまりに良く、人気で、この国でも「女性ヴォーカル+男性ふたりの3人組」が数多く生まれました。

タグ : AOR City Soul

掲載: 2018年08月24日 18:41