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ブラック・メタル・バンド、Sigh(サイ)11枚目のスタジオ・アルバム『Heir to Despair』

Sigh(サイ)『Heir to Despair』

日本のブラック・メタル・バンド、Sigh。11枚目のスタジオ・アルバムとなる『Heir to Despair』が、このたびイギリスのCandlelight Recordsからリリースされる。15年の前作、『Graveward』が非常にシンフォニックな作品であったのに対し、今回の作品は、ある意味真逆の方向性をとっていると言える。Brainticket、Embryo、Agitation Free, Between、Gentle Giant、Os Mutantes、Modulo 1000、Black Widowといった、狂気をはらんだかつてのプログレッシヴなアーティストからインスパイアされた『Heir to Despair』は、ヘヴィ、サイケデリック、そして非常にアジア的なサウンドに仕上がっている。

アルバムのテーマは狂気。収録されている楽曲のスタイルに統一性が見られないのも、そのテーマゆえである。オープニング曲「Aletheia」はサイケデリックでエキゾティックであるが、続く「Homo Homini Lupus」はSigh流のスラッシュ・メタル。アジア的フィーリングを持ったブルータルな「In Memories Delusional」のようなスタイルは、前例を見ないだろう。メタル要素ほぼ皆無の「Heresy Trilogy」は、まさに「狂気」を体現した組曲。そしてアルバムは、10分に及ぶエピックなタイトル曲で幕を閉じる。本作は、エクストリーム・メタルから60年代・70年代ロック、ジャズ、クラシック、ワールド・ミュージック、果てはダブをカバー。それらがすべて狂気のフィルターを通じ、表現されているのである。

『Heir to Despair』は、Sigh史上初めて、故意に日本やアジア的な音楽要素が取り込まれた作品と言える。ヴォーカルにもアジア的な歌唱法が多用されているし、アメリカのエクスペリメンタル・ロック・バンド、元Estradasphereの三味線奏者、Kevin Kmetzもゲスト参加。さらに、歌詞の9割が日本語になっている。

「Homo Homini Lupus」には、あのフィリップ・アンセルモがゲスト参加。彼らしいディープな声を聴かせている。

アートワークはEliran Kantor(Testament、Sodom、Fleshgod Apocalypse等)の手によるもの。Sighのジャケットを手掛けるのは、『Scenes from Hell』(10年)、『In Somniphobia』(12年)に続き3作目。一見メタルらしからぬこのアートワークだが、「60年代によくあった日本の向精神薬の広告のようなものを」というバンドの要請に基づいて描かれている。幸せそうに見える中央の女性だが、彼女が水やりをしている植物は枯れている。そして奥に見える部屋は荒れ果てているのもわかる。狂気や恐怖というのは、一瞥しただけではわからないものなのだ。

ミキシングはカナダのエンジニア、フィル・アンダーソンが担当。またマスタリングは、Faith No More、Yes、Yngwie Malmsteenなどを手掛けたMaor Appelbaumの手による。

輸入盤国内仕様はオンラインのみ取り扱い。

 

【収録曲】
1. Aletheia
2. Homo Homini Lupus (feat. フィリップ・H・アンセルモ)
3. Hunters Not Horned
4. In Memories Delusional

[Heresy Trilogy]
5. Heresy I: Oblivium
6. Heresy II: Acosmism
7. Heresy III: Sub Specie Aeternitatis

8. Hands of the String-puller
9. Heir to Despair

【メンバー】
川嶋未来 (ヴォーカル、フルート、ピッコロ、キーボード、ギター、大正琴、エレクトリック・パーカッション等)
ドクター・ミカンニバル (ヴォーカル、アルト・サクソフォン)
大島雄一 (ギター)
藤並聡 (ベース)
原島淳一 (ドラム)

Sigh(サイ)『Heir to Despair』

タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)

掲載: 2018年11月20日 16:17