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King Crimson(キング・クリムゾン)コレクターズ・クラブから定番音源、レア音源を紹介する50周年記念企画

King Crimson(キング・クリムゾン)コレクターズ・クラブ

2019年、デビュー50周年を迎えるキング・クリムゾン。1969年のデビュー時から今日至るまで膨大な音源を有するザ・キング・クリムゾン・コレクターズ・クラブから定番音源、レア音源を紹介する50周年記念企画!

 

コレクターズ・クラブ 1971年11月13日 ジ・イースタウン・シアター・デトロイト・MI

この日限定!「クリムゾン・キングの宮殿」ブルース・ロック・ヴァージョン!

アルバム『アイランズ』完成後ながらアメリカではまだ未発売だった時期のUSツアーより客層が荒いデトロイト公演。「エピタフ」、「宮殿」といった過去楽曲を執拗に求める観客にイラつきを見せるバンド。演奏はしっかりこなすがアンコールで史上ただ一度の事件が起きた有名な公演。過去、単体・ボックス等で発売されていたが、入手困難状況。聴いてみたいの声を受け再発。

音源はサウンドボード。『宮殿』時代の楽曲を求め『アイランズ』からの曲も盛りこんだセットに不満を募らすデトロイトの観客との間に一触即発の空気が流れる。演奏はしっかりしているが、あまりにも過去の曲をやれとの声が大きく、フリップ自らメッセージを送るも事態は収まらず、アンコールで「クリムゾン・キングの宮殿」を自らぶち壊しハード・ロック風ブルース・アレンジで演奏する。50年の歴史の中でもたった一度の激レア音源となったのである。

 

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コレクターズ・クラブ 1972年3月6日 スタンレー・シアター・ピッツバーグ・PA

『アースバウンド』関連音源中会場アンビエントもしっかりした優良音源!

2017年に発売された『セイラーズ・テールズ』ボックスが完売したため、同時期に新編成で発売された『アースバウンド』でこのランナップに興味を持ったファンに薦めるパッケージ。サウンドボードから直接カセットテープに録音された音源がマスターの『アースバウンド』は観客ノイズや会場アンビエントが少なくドライな質感だが、中にはそうではない日もあった。日本初CD化。

『アースバウンド』のあの乾き物感はなく、会場の雰囲気も十分に伝わり、『アースバウンド』関連マスターの中でも音質的にも安定している音源。ツアー後半に向け強くなっていくR&B体質が出始めた演奏は、クリムゾンの長い歴史の中でも特異なもの。カットも少なくインプロヴィゼーションも良い感じで推移する。

CD2最後の「ケイデンスとカスケイズ」の最後が切れてしまうのが残念だが『アースバウンド』関連音源では屈指の高音質かつ臨場感を持つ逸品だ。

 

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コレクターズ・クラブ 1972年3月14日 サウンドトラック・デンヴァー・CO

1972年『アースバウンド』ツアーではレア曲だった「ザ・レターズ」を安定音質で収録!

アルバム『アイランズ』の中で最もダークな収録曲「ザ・レターズ」。デビュー当時からのレパートリーだった「ドロップ・イン」の改作。まるで嫌ミスのような歌詞が不気味なことから『アースバウンド』ツアーではほとんど演奏されなかったナンバー。初CD化。

コレクターズ・クラブ・アーカイヴにあっても「ザ・レターズ」はこのデンヴァー公演二日間と『セイラーズ・テールズ』ボックスで初登場した公演日不明公演の計3公演しか存在していない。サウンドボードからのカセットテープ録音を基にした音源。ピッツバーグ公演に比べるとドライで会場の雰囲気は分かりにくいが、この時代のものとしては安定している。

 

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コレクターズ・クラブ 1972年10月13日 ZOOMクラブ・フランクフルト

太陽と戦慄キング・クリムゾンの原点。定番音源が復活!

1972年アイランズ・クリムゾンによるUSツアーを終え、解散したクリムゾン。しかしロバート・フリップはジョン・ウェットン、ビル・ブルフォード、デヴィッド・クロス、ジェイミー・ミューアを迎え同年夏には新しいキング・クリムゾンを結成しリハーサルを開始する。本音源は太陽と戦慄クリムゾン最初のライヴを記録したものだ。過去のクリムゾン楽曲を捨て、新曲に特化、リハーサルを開始して間もないということもあり、アルバム『太陽と戦慄』収録楽曲は全てアルバム収録版とはアレンジ等が異なるワーキング・ヴァージョン・アレンジで演奏される。過去、単体・ボックスでの発売はあったが現在はどれも絶版となっており、待望の再発となる。

「太陽と戦慄 パート1」はコーダ部分が出来上がっていなかったり、これも初期版でウェットンの印象的なスキャットがない「イージー・マネー」から展開していくインプロヴィゼーションでは「堕落天使」のアルペジオ・パートが登場するなど、聴きどころの多いパフォーマンス。

太陽と戦慄クリムゾンの特色でもあったインプロヴィーゼーション・パートは最初から全開!1974年7月1日ニューヨーク、セントラルパークにおける最後のライヴに至るまでで最長の44分超えの「ZOOM ZOOM」を収録。

オーディエンス録音のテープが元音源で音質面ではオフィシャル・クオリティには及ばないが、歴史的重要音源としての価値は高い!

 

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コレクターズ・クラブ 1972年11月13日 シビック・ホール・ギルフォード・イングランド

太陽と戦慄キング・クリムゾン初のUKツアーからの貴重なサウンドボード音源!

ZOOMクラブでのウォームアップ・ギグから約1カ月。アルバム制作に向け、ライヴで新曲を磨き上げるため、クリムゾンは12月15日ポーツマスまでノンストップのUKツアーを行う。本音源はそのツアーで残された音源中でも特に貴重なサウンドボード録音。オープンリールによる録音のためショウの前半しか残されていないが、残念だが太陽と戦慄クリムゾンの1972年ライヴ音源としては最高品質。過去単体・ボックス等での発売はあったが国内盤は絶版となっていたため待望の再発となる。

ZOOMクラブ時に比べかなりアレンジが固まってきているものの、まだまだ完成版とは異なる部分があちらこちらに見つかる初期音源ならではの聴きどころが多数見つかる。「太陽と戦慄 パート1」はコーダ部分は未だ完成せず、この時期のみの「土曜日の本」とのメドレー形式になっていたり、大分しっかりしたアレンジになってきてはいるが「放浪者」のアレンジも微妙な違いが見つかる。

聴きものは25分越えのインプロヴィゼーション「オール・ザット・グリッターズ・イズ・ノット・ネール・ポリッシュ」。激しいファンク・タイプのインプロヴィゼーションは圧巻!

 

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コレクターズ・クラブ 1972年11月25日 ニュー・シアター・オックスフォード・イングランド

完成版「太陽と戦慄 パート1」が最初に記録された記念すべき一夜!

太陽と戦慄クリムゾン初のUKツアー、中盤の音源。オーディエンス録音で音の抜けは今ひとつながら、1972年ツアー音源の中ではそれなりに聴ける音質。『太陽と戦慄』ボックスには収録されていたが、単体としては初登場!

この日の最大の特徴は「太陽と戦慄 パート1」のコーダ部分が遂に完成!このラインナップがどういう音楽を目指しているのかを1曲の中に詰め込んだこの時期のテーマ曲とも言える名曲が遂に完成した瞬間を捉えた貴重な音源だ。アルバム収録版よりもはるかに長い14分尺の中にはアルバム版では聴けないソロもふんだんにフィーチュアされ、オーディエンス録音という不完全な音源にも関わらず強烈なエネルギーの放射が体験できる。

またこの日のインプロヴィゼーションはフリップのクラシカルかつエスニック・テイスト溢れるギター・パートにクロスのヴァイオリンが重なり、流れを見てとったウェットンが弦楽四重奏におけるチェロ・パートのような役割を果たすベースかぶせ、たおやかに進行していくこれまでのパターンとは少し異なる変化球パターン。インプロヴィーゼーションでは発展途上にある時期だが、このラインナップのフレキシビリティと音楽的素養の懐の深さを示した印象的なインプロヴィゼーションとなっている。

 

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コレクターズ・クラブ 1973年4月6日 パラッツォ・デロ・スポルト・ローマ・イタリア

キング・クリムゾンはとんでもない爆音バンドだった。その証拠がこれ!

クリムゾン史上、最も年間公演数が多かった1973年。アルバム『太陽と戦慄』発売に合わせたヨーロッパ・ツアー・イタリア編。オーディエンス録音で抜けが今一つの上、こもりもあるがそれを差し引いても興味深い音源。オーディエンス録音ブートレグ由来の音源だったため、『暗黒の世界』ボックスには未収録。初CD化。

この時期の音源はサウンドボードであっても会場でどういう音がどのくらいの音量で鳴っていたかの判断は難しいのだが、このオーディエンス録音音源は会場の空気感を不思議なくらいよく捉えている。普通なら割れて聴けたものではなくなる寸前のところで録音された実は稀有な音源。クリムゾン、この時期笑いがこみ上げるほど爆音だったことが良く分かる。思わず嬉しくなります。

また、どの位置で録音したのかはわからないのだが、ギターとベース、特にフリップのギター・プレイは全編、どういうプレイをしているのかがはっきりと分かる。ベースの若干こもっていて輪郭が少しぼやけているものの同様にしっかりと記録されている。サウンドボード音源でもここまで分かりやすく聴き取れる音源はそうザラにはないのだ。一般向けではないが、マニアの研究資料としては一級品!まさにコレクターズ・クラブならではの音源なのだ!

 

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コレクターズ・クラブ 1973年5月6日 パレス・シアター・ウォーターベリー・CT

オーディエンス録音ながら安定した音源。’73年USツアーの重要音源

ヨーロッパ・ツアーを終え、1972年2月以来となる久々のUSツアーをスタートさせたクリムゾン。これはその序盤戦の記録。オーディエンス録音ながら安定した音質で、全体のバランスも良好。会場アンビエントもしっかり捉えられている。この時期の「太陽と戦慄 パート1」はライヴ専用アレンジがあり、途中、ウェットンのベース・ソロが入るタイプ。この年の秋以降になるとソロなしのライト・ヴァージョンとなるのでこのタイプの「太陽と戦慄 パート1」はこの時期限定型。

1973年ツアー音源は秋以降は『暗黒の世界』制作のためのライヴ・レコーディングがありマルチトラック音源もあるが、この前半戦は全体的に低調。’73年から’74年のオープニングとなることが多かった「Dr. ダイアモンド」もこの日は安定した音質で記録されている。

この日のハイライトは二つのインプロヴィゼーション。1はフリップのサスティーンを効かせたソロとクロスのヴァイオリンをフィーチュアしたクワイエット・タイプ。2は1同様静かな立ち上がりから、エネルギッシュなロック・ジャムに展開、再びヴァイオリンがまどろみの時間帯を作り、再びウェットンのベースが全体を引っ張るヘヴィな展開へと目まぐるしく変化する。

 

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コレクターズ・クラブ 1973年5月8日 マソニック・テンプル・デトロイト・MI

1973年音源中最も不思議なアンビエントを持った迫力のステレオ・オーディエンス録音!

ブートレグ由来の音源。因縁のデトロイト公演だが、今回は観客を有無を言わさず圧倒!オーディエンス録音ながら妙に臨場感があるサウンドが魅力というか、これどういう機材でどうやって録音したのか不思議な音像を持つ。『暗黒の世界』ボックス未収録。初CD化。このへんてこなステレオ感はサウンドボードでは出せません!

演奏はアメリカ・ツアー序盤ながら唯我独尊状態。これで嫌なら帰れ!くらいの強い意志を持った強烈なパフォーマンス!この時代の観客録音では珍しいステレオ録音で、その音の広がりは半端なく、下手なサウンドボード音源聴くよりはるかに面白い、知られざる逸品。驚きなのはこの時期、フリップのギターの定位を演奏中に動かしていたことがしっかり記録されていること。PAミキサーも結構斬新だったことが分かる。元はブートと侮ってはいけない、これと4月6日ローマ公演は音源自体に強いキャラクターがあるのだ。オーディエンス録音恐るべし。

 

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コレクターズ・クラブ 1973年10月26日 ザ・レインボー・ロンドン・イングランド

『暗黒の世界』制作期に行った白熱のロンドン凱旋公演!

時期的には『ザ・ナイト・ウォッチ』でお馴染み11月23日のアムステルダム公演に繋がる秋のUK・ヨーロッパ・ツアーの一環だけに演奏自体は安定。『暗黒の世界』のライヴ音源もこのツアー中に収録されている。国内初CD化。

今はなくなってしまった’70年代ブリティッシュ・ロックの有名ベニュー公演。1972年12月、1973年3月にも同会場で演奏しているが、これがどちらも劣悪音源。三度目の正直で漸く、良い感じのオーディエンス録音音源の登場となった。一年足らずの間にこの名門ベニューで3度も公演を行っていることからこの時期のクリムゾンがどれだけ受けていたかが伺える。ロンドン凱旋公演の意味合いも強いこの日のパフォーマンスは、名演が多い’73年秋ツアーの中でも確実に上位に入ってくる圧巻の内容。

ロバート・フリップ2度のMCの合計時間も’73年ツアー最長で、気分が乗っていたことが伺える。特にCD2は強烈!ふたつのインプロヴィゼーションを挟み「太陽と戦慄 パート2」に駆け上っていく様は、クリムゾン好きなら一度は聴いておく価値あり。そしてアンコールは「21世紀のスキッツォイド・マン」をあえて外し「キャット・フード」に変えちゃうところもまたクリムゾンらしいのであった。

 

高嶋政宏『変態紳士』

〈スターレス髙嶋〉でお馴染み、俳優の高嶋政宏の変態エッセイ。あるきっかけで『変態』へと生まれ変わり、その先に見えてきたという"生きやすい人生"について。