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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.39

トミー・フラナガン 『オーヴァーシーズ』(1958)

TF

トミー・フラナガン(p)
ウィルバー・リトル(b)
エルヴィン・ジョーンズ(ds)

1957年8月15日 ストックホルムにて録音

曲目:
01.リラクシン・アット・カマリロ
02.チェルシー・ブリッジ
03.エクリプソ
04.ビーツ・アップ
05.スコール・ブラザース
06.リトル・ロック
07.ヴェルダンディ
08.ダラーナ
09.ウィロー・ウィープ・フォー・ミー

【アルバム紹介】
1.「名盤請負人」トミー・フラナガンの初リーダー作
2.ジャケットは「C」の文字がたくさん=オーヴァー「C」ズ
3.ドラマーのエルヴィン・ジョーンズのブラシワークが絶品

前回紹介しましたウェス・モンゴメリーの『インクレディブル・ジャズ・ギター』と、過去に本コーナーで取り上げたソニー・ロリンズの『サキソフォン・コロッサス』やカーティス・フラーの『ブルースエット』、それ以外にもジョン・コルトレーンの傑作『ジャイアント・ステップス』、ケニー・ドーハムの『静かなるケニー』など、これらの名盤に共通しているのはピアニストが同じ、ということ。それが名手トミー・フラナガンなのです。「名盤請負人」という例えで知られるトミー・フラナガンは、ここで挙げたどのアルバムでも抜群のプレイを聴かせています。

この『オーヴァーシーズ』はフラナガンの初リーダー作であり、J.J.ジョンソンのクインテットでのスウェーデンのツアーに参加した際、現地のメトロノーム・レーベルがフラナガンのレコーディングを計画し、ストックホルムでそのセッションを収録したものです。
最初はフラナガンのヴィジュアルが載ったジャケットによるEP3枚でのリリースとなりましたが、その後プレスティッジ・レーベルからアルバムとしてリリースされました。
ジャケットはタイトルに引っ掛けて、「C」の文字がたくさん、“オーヴァー”に敷き詰められていて、思わず「なるほど!」となります。

ウィルバー・リトル(b)とエルヴィン・ジョーンズ(ds)のリズム・セクションを得て、1曲目のチャーリー・パーカーのナンバーから軽快にプレイし、見事な解釈による名演を聴かせます。また、3曲目以降はオリジナル曲が続き、代表曲“エクリプソ”など、聴きどころが多いピアノ・トリオの傑作となっています。 アグレッシヴなスティックさばきで知られるエルヴィン・ジョーンズが本作では、ブラシで全編にわたって、表現力豊かにバッキング、ソロを聴かせているところも注目です。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
スインギーなトリオの魅力全開の“リラクシン・アット・カマリロ”。

トミー・フラナガンは“トミフラ”の呼び名で音楽ファンの間ではお馴染みです。
チャーリー・パーカーのナンバーとしていろいろなジャズ・ミュージシャンに取り上げられているナンバーであり、ここではトミフラが快速なスイング・ビートの上を、バップ然としたピアノで、聴くものすべてを一気に引き込む演奏を聴かせています。
またこの後、一転して情感をたたえた2曲目のビリー・ストレイホーン作曲の名曲“チェルシー・ブリッジ”につながっていく流れが格別です。
そこに漂う独特の気品はやはり王国であるスウェーデンの空気の中での演奏ということもあるのではと想像は膨らみます。

輸入盤CD(一般普及盤)

 

国内盤CD(2019年再発、EPオリジナル・ジャケ仕様)

 

国内盤LP

 

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2019年08月16日 11:30