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マッジーニ弦楽四重奏団によるイギリスの弦楽四重奏曲集(20枚組)


[naxosvideos 公式チャンネルより]

20世紀の英国音楽レパートリーの中核を成す「弦楽四重奏曲」を中心とした室内楽作品集。
後期ロマン派から近代にかけて、独自の室内楽文化を形成してきた英国では「イギリス印象派」とも呼べる作曲家たちが活躍、イングランド民謡を巧みに取り入れた美しい作品が数多く生まれています。

ブリテンやアイアランドにおける若き才能の輝き、円熟期のエルガーの精力的な仕事ぶり、ブリッジやロースソーンの職人技ともいえる見事な構成、ブリスとバックスの牧歌的な表現、ヴォーン・ウィリアムズの田園風景が反映された作品など、各々の作曲家のスタイルを、グラミー賞に2回ノミネートされたマッジーニ弦楽四重奏団は的確に描き分けています。
(ナクソス・ジャパン)

『イギリスの弦楽四重奏曲集』(20枚組)
【収録されている作曲家】
CD1:ウィリアム・オルウィン(1905-1985)
CD2:マルコム・アーノルド(1921-2006)
CD3-4:アーノルド・バックス(1883-1953)
CD5:レノックス・バークリー(1903-1989)
CD6-7:アーサー・ブリス(1891-1975)
CD8-10:フランク・ブリッジ(1879-1941)
CD11-12:ベンジャミン・ブリテン(1913-1976)
CD13:エドワード・エルガー(1857-1934)
CD14:ジョン・アイアランド(1879-1962)
CD15:アーネスト・ジョン・モーラン(1894-1950)
CD16:アラン・ロースソーン(1905-1971)
CD17-18:エドマンド・ラッブラ(1901-1986)
CD19:レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)
CD20:ウィリアム・ウォルトン(1902-1983)

【演奏】
マッジーニ弦楽四重奏団

【収録内容】
[Disc1](8570560)
ウィリアム・オルウィン(1905-1985):
1-4.弦楽四重奏曲第1番 ニ短調
5-7.弦楽四重奏曲第2番『春の水』
8-9.弦楽四重奏曲第3番
10.ノヴェレッテ
録音:2007年12月9-11日 Potton Hall, Westleton, Suffolk, England, UK

イギリス近代の作曲家オルウィンの弦楽四重奏曲集。数々の映画音楽で知られ、比較的穏健な作風です。1953年に作曲された第1番はとてもこの時期に書かれたとは思えないほど叙情的な風情を持っています。ツルゲーネフの小説にインスパイアされた第2番は1975年に作曲されたもの。第1番から22年の月日を経た貫禄が感じられることでしょう。彼の実質上最後の作品である第3番の強烈な冒頭と、穏やかなアダージョの対比も見事です。

[Disc2](8557762)
マルコム・アーノルド(1921-2006):
1-4.弦楽四重奏曲第1番 Op.23
5-8.弦楽四重奏曲第2番 Op.118
9.弦楽四重奏のための幻想曲『豊かな生活』
録音:2004年12月14-16日 Potton Hall, Westleton, Suffolk, England, UK

ウィットにとんだ旋律が魅力的な映画音楽や管弦楽曲で知られるアーノルド。彼の弦楽四重奏曲はそれほど知名度が高いわけではありませんが、このアルバムに収録された2曲はどちらも「新古典主義」の影響を受けており、親しみやすい管弦楽作品とは全く違う難解さを持つ作品です。最後に置かれた初期の作品「豊かな生活」だけは聴きやすい雰囲気を持っています。

[Disc3](8555282)
アーノルド・バックス(1883-1953):
1-3.弦楽四重奏曲第1番 ト長調
4-6.弦楽四重奏曲第2番 イ短調
録音:1999年12月19-21日 Potton Hall, Westleton, Suffolk, England, UK

自身の作品の中にケルトの要素を取り入れたアーノルド・バックス。管弦楽作品が有名ですが、室内楽でも渋い美しさを放つ多くの作品を書いています。このアルバムには2曲の弦楽四重奏曲を収録。厚みのある陰影に富んだ和声と繊細な旋律が魅力の第1番、冒頭の印象的なチェロの独白が次々と歌い交わされていく第2番。それぞれ基調となる雰囲気は違いますが、どちらも民謡風な旋律を上手く用いた力作です。

[Disc4](8555953)
アーノルド・バックス(1883-1953):
1-4.弦楽四重奏曲第3番
5.弦楽五重奏のための抒情的間奏曲
6.弦楽四重奏曲ホ長調『Cathaleen-ni-Hoolihan』
ガーフィールド・ジャクソン(ヴィオラ:抒情的間奏曲)
録音:2001年6月12-14日 Potton Hall, Westleton, Suffolk, England, UK

こちらはバックスが50歳を過ぎてから手掛けた「弦楽四重奏曲第3番」を中心にした1枚。アイルランドの自然からインスパイアされた伸びやかな旋律が随所に用いられています。他にはタイトル通りの美しさを持つ「抒情的間奏曲」、民謡そのものの美しい主題による、学生時代の作品「ホ長調の四重奏曲」を収録。

[Disc5](8570415)
レノックス・バークリー(1903-1989):
1-4.弦楽四重奏曲第1番 Op.6
5-7.弦楽四重奏曲第2番 Op.15
8-11.弦楽四重奏曲第3番 Op.76
録音:2006年12月7-9日 Potton Hall, Westleton, Suffolk, England, UK

若い頃にパリで学び、新古典主義の影響を受けたレノックス・バークリー。そのためか1935年に書かれた弦楽四重奏曲第1番にはストラヴィンスキーとバルトークの存在が感じられます。一方、1970年に書かれた第3番はそれまで彼が培ってきた作曲技法の全てが注ぎ込まれた力作で、力強い第1楽章に始まり、快活なスケルツォ、神秘的なレント楽章を経て終楽章に至ります。

[Disc6](8557108)
アーサー・ブリス(1891-1975):
1-4.弦楽四重奏曲第1番 変ロ長調
フルート、オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための対話
5.委員会の会合
6.森で
7.舞踏室で
8.独白劇
9.オックスフォード・サーカスの地下鉄で
10-12.弦楽四重奏曲 イ長調
ニコラス・ダニエル(オーボエ、コールアングレ:対話)
マイケル・コックス(フルート、アルト・フルート:対話)
録音:2000年12月19-21日 Potton Hall, Westleton, Suffolk, England, UK

イギリス人の父とアメリカ人の母を持つアーサー・ブリス。スタンフォードに師事し、兵役を務めた後に作曲家として活動を始めました。このアルバムには3作品を作曲年代の新しい順に収録。なかでも「対話」はブリスが「フランス6人組」と出会った頃の作品で、軽妙洒脱な作風を持った注目作です。円熟期の「弦楽四重奏曲第1番」と、初期の「イ長調」の作風の違いも聴きどころです。

[Disc7](8557394)
アーサー・ブリス(1891-1975):
1-4.弦楽四重奏曲第2番
5-8.クラリネット五重奏曲
デイヴィッド・キャンベル(クラリネット)
録音:2003年1月14-16日 Potton Hall, Westleton, Suffolk, England, UK

ブリスが1950年に作曲した「弦楽四重奏曲第2番」は緊密な構成を持つがっしりとした作品。音の動きを聴かせるための工夫が至るところに凝らされています。かたや「クラリネット五重奏曲」は柔和なクラリネットの響きが耳に心地良い作品。第1次世界大戦で失った弟(クラリネット奏者だった)への想いが反映されたかのような物憂げな曲調が魅力的です。

[Disc8](8557133)
フランク・ブリッジ(1879-1941):
1-4.弦楽四重奏曲第1番 ホ短調『ボローニャ』
5-7.弦楽四重奏曲第3番
録音:2002年6月18-20日 Potton Hall, Westleton, Suffolk, England, UK

多くの近代イギリス作曲家は、第一次世界大戦を境に大きく作風を変えていますが、フランク・ブリッジもその一人。このアルバムでは大戦前後に書かれた2つの弦楽四重奏曲が収録されています。第1番は明朗で旋律美に溢れていますが、第3番は鋭く厳しい音楽であり、調性感はほとんどありませんが、ベルク作品を思わせる独自の美しさを有しています。

[Disc9](8557283)
フランク・ブリッジ(1879-1941):
1-3.弦楽四重奏曲第2番 ト短調
4.幻想的ピアノ四重奏曲 嬰ヘ短調 H.94
5-7.弦楽四重奏曲第4番
マーティン・ラスコー(ピアノ)
録音:2003年6月10-12日 Potton Hall, Westleton, Suffolk, England, UK

このアルバムでは2曲の弦楽四重奏曲と、ピアノ四重奏曲の編成による「幻想曲」を収録。後期ロマン派風の味わいを持つ「幻想曲」は初期の作品で、ブラームスを思わせる濃厚な旋律を持ち、ピアノの使い方が見事です。2曲の弦楽四重奏曲は凝った和声が緊張感ある美しさを呼び起こします。とりわけ不協和音が多用された第4番が魅力的。

[Disc10](8553718)
フランク・ブリッジ(1879-1941):
1-3.幻想的四重奏曲 ヘ短調
4-6.ノヴェレッテ
7-9.3つの牧歌
10.ロンドンデリーの歌
11.ロジャー=ドゥ=カヴァリー卿
12.横町のサリー
13.熟したさくらんぼ
14-16.弦楽四重奏のための3つの小品
録音:1994年12月16,17日 All Saints Church, East Finchley, London

ブリッジは、ブリテンの師としても知られています。晩年になると調性を脱した緊密な作品を書きましたが、このアルバムに収録されている作品の多くは初期の民謡素材を生かした曲。哀愁漂う「幻想的四重奏曲」や、名旋律が巧みに用いられた「ロンドンデリーの歌」など、そこはかとない美しさを湛えた作品をお楽しみいただけます。

[Disc11](8553883)
ベンジャミン・ブリテン(1913-1976):
1-4.弦楽四重奏曲第1番 ニ長調 Op.25
5-7.弦楽四重奏曲第2番 ハ長調 Op.36
8-10.3つのディヴェルティメント
録音:1996年12月9-11日 St Martin's Church, East Woodhay, Hampshire, England, UK

ブリテンの作品の中ではあまり耳にする機会のない「弦楽四重奏曲」。第1番は歌劇『ピーター・グライムズ』を思わせる渋い音楽で、ところどころショスタコーヴィチの影響も感じられます。第2番はヘンリー・パーセルへのオマージュであり、終楽章には長大なシャコンヌが置かれています。初期の「3つのディヴェルティメント」は耳なじみのよい楽しい曲。

[Disc12](8554360)
ベンジャミン・ブリテン(1913-1976):
1-4.シンプル・シンフォニー Op.4
5-7.クァルッティーノ
8.行進曲風に
9-13.弦楽四重奏曲第3番 Op.94
録音:1997年12月9-11日 St Martin's Church, East Woodhay, Hampshire, England, UK

若きブリテンが作曲したピアノ曲をもとに、彼自身が弦楽オーケストラまたは弦楽四重奏のために編曲した「シンプル・シンフォニー」。ここでは弦楽四重奏版で演奏されていますが、その厚みのある響きに圧倒されます。弦楽四重奏曲第3番は、ブリテンの死の数か月前に書かれた作品。抽象的で透明感のある美しさに満たされています。

[Disc13](8553737)
エドワード・エルガー(1857-1934):
1-3.弦楽四重奏曲 ホ短調 Op.83
4-6.ピアノ五重奏曲 イ短調 Op.84
ピーター・ドノホー(ピアノ:ピアノ五重奏曲)
録音:1995年12月18-20日 St. Martin's Church, East Woodhay, Hampshire, England

エルガーの代表作である愛らしい「愛の挨拶」とは全く違う憂鬱な曲想を持つ「弦楽四重奏曲」。しかし第2楽章では民謡素材が効果的に使われた親しみやすさを見せています。「ピアノ五重奏曲」は彼の創作における絶頂期に書かれた作品。各々の楽章は10分を超える長さを持ち、情熱的な楽想に満たされています。

[Disc14](8557777)
ジョン・アイアランド(1879-1962):
1-4.弦楽四重奏曲第1番 ニ短調
5.聖なる少年(弦楽四重奏版)
6-9.弦楽四重奏曲第2番 ハ短調
録音:2004年1月21-23日 Potton Hall, Westleton, Suffolk, England, UK

ブラームスを思わせるこの2曲の弦楽四重奏曲はアイアランドの学生時代に作曲されました。彼はこの作風を一生大切にし、多くのイギリス近代作曲家たちが戦争を境に作風を変えていったのに対し、アイアランドは生涯耳に優しい調性音楽を書き続けています。「聖なる少年」はアイアランドの代表曲。ゆったりとした民謡風の美しい旋律が心に残ります。

[Disc15](8554079)
アーネスト・ジョン・モーラン(1894-1950):
1-2.弦楽四重奏曲 変ホ長調
3-5.弦楽四重奏曲 イ短調
6-9.弦楽三重奏曲 ト長調
録音:1995年12月9,10日 All Saints' Church, East Finchley, London, England, UK

内省的な作風を持つ多くのイギリスの作曲家の中でも、モーランはとりわけ地味な存在。しかしその作品の渋い美しさは、一部の愛好家の心を強く捉えています。アイルランド民謡由来の親しみやすい旋律と、透明感溢れる和声で構成された作品はどこまでも柔らかく、聴き手の心に染み込みます。

[Disc16](8570136)
アラン・ロースソーン(1905-1971):
1-10.2つのヴァイオリンのための主題と変奏
11-17.弦楽四重奏曲第1番『主題と変奏』
18-21.弦楽四重奏曲第2番
22-24.弦楽四重奏曲第3番
ローレンス・ジャクソン(ヴァイオリン:1)
デイヴィッド・エンジェル(ヴァイオリン:1)
録音:2005年12月13-15日 Potton Hall, Westleton, Suffolk, England, UK

マンチェスター音楽大学で学び、ベルリンに留学。主に管弦楽作品で知られるアラン・ロースソーンの知られざる弦楽四重奏曲。第1番から第3番まで少しずつ曲調が渋くなり、第3番になると完全に現代作品としての貫禄を見せています。アルバムには1937年に書かれた2台のヴァイオリンのための「主題と変奏」も収録。こちらも、ロースソーンの巧みな作曲技法が光る作品です。

[Disc17](8572555)
エドマンド・ラッブラ(1901-1986):
1-3.弦楽四重奏曲第1番 ヘ短調 Op.35
4-6.弦楽四重奏曲第3番 Op.112
7-8.弦楽四重奏曲第4番 Op.150
録音:2009年12月1-3日 Potton Hall, Westleton, Suffolk, England, UK

イギリスの作曲家ラッブラは、14歳の時、最初は鉄道員として働きましたが、シリル・スコットの音楽を知り、1920年彼の教えを乞うために奨学生となり、その翌年には王立音楽院に入学、スコットやホルストに音楽を本格的に学んだという経歴を持っています。このアルバムには弦楽四重奏曲の第1番、第3番、第4番を収録。1934年に作曲された第1番は、終楽章の出来が気に入らず1946年に楽章を差し替えるなど手を加えた作品。1963年に書かれた第3番、1977年に書かれた第4番は少し神秘的な美しさを内包しています。

[Disc18](8572286)
エドマンド・ラッブラ(1901-1986):
1-4.弦楽四重奏曲第2番 変ホ長調 Op.73
5-9.アモレッティ Op.43
10-11.めでたし恩寵に満ちたマリア
12-14.一楽章のピアノ三重奏曲 Op.68
チャールズ・ダニエルズ(テノール:2,3)
マーティン・ラスコー(ピアノ:4)
録音:2009年1月13-15日 Potton Hall, Westleton, Suffolk, England, UK

こちらはラッブラのベートーヴェンへの尊敬の想いが表出されているという「弦楽四重奏曲第2番」を始め、ラッブラが関心を抱いていたイギリス中世の雰囲気を取り込んだ歌曲「アモレッティ」など、思い入れの強い作品を収録。なかでもテノール独唱による「めでたし恩寵にみちたマリア」の清冽な美しさが聴きどころです。

[Disc19](8555300)
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958):
1-4.幻想的五重奏曲
5-8.弦楽四重奏曲第1番 ト短調
9-12.弦楽四重奏曲第2番 イ短調
録音:2000年6月13-15日 Potton Hall, Westleton, Suffolk, England, UK

ヴォーン・ウィリアムズの作風の変遷を楽しめる1枚。イギリスの田園風景をそのまま切り取ったかのように美しい「幻想的五重奏曲」。ドビュッシーを思わせる流麗な「弦楽四重奏曲第1番」、そして晩年に書かれ、初期作品とは全く味わいを異にする重苦しい「弦楽四重奏曲第2番」。とは言え、どの曲にもイギリス民謡のエッセンスが感じられます。

[Disc20](8554646)
ウィリアム・ウォルトン(1902-1983):
1-4.弦楽四重奏曲 イ短調
5-8.ピアノ四重奏曲 ニ短調
ピーター・ドノホー(ピアノ)
録音:1999年5月30日~6月1日 Potton Hall, Westleton, Suffolk, England, UK

映画音楽や大規模な管弦楽曲で知られるウォルトンですが、この弦楽四重奏曲は彼の10代の頃の作品であり、バルトークを思わせる独特のリズムや、不協和音の連打など思い切ったスタイルが用いられるなど、かなり野心的な作風で書かれています。とりわけピアノ四重奏曲の早い楽章における活発な動きは、聴き手の耳に強いインパクトを残します。

カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)

掲載: 2019年08月26日 00:00