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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.52

ジョン・ルイス『グランド・エンカウンター』(1956)

JL

ジョン・ルイス(p)
ビル・パーキンス(ts)
ジム・ホール(g)
パーシー・ヒース(b)
チコ・ハミルトン(ds)

1956年2月10日、ロサンゼルスにて録音

曲目:
01.ラヴ・ミー・オア・リーヴ・ミー
02.言い出しかねて
03.イージー・リヴィング
04.2度東3度西
05.スカイラーク
06.恋をしたみたい

【アルバム紹介】
1.綺麗で、思わず手に取ってしまう名ジャケット
2.東西のミュージシャンが一堂に会した“大いなる出会い”
3.“室内楽ジャズ”とも言える心地よい音空間

ジェントルなジャズの代名詞、モダン・ジャズ・カルテット(MJQ)のアルバムを前回ではご紹介いたしました。今回はMJQの音楽監督の役目を担っていたピアニスト、ジョン・ルイスのアルバムをご紹介します。

まずこのなんとも綺麗なジャケットに惹かれ、思わず手に取ってしまいそうになるほどの名ジャケのアルバムです。
メンバー構成は東海岸と西海岸の名手たちが一堂に会しており、ジョン・ルイスとMJQの盟友でベースのパーシー・ヒースの2人が「東」(イーストコースト)、サックスのビル・パーキンス、ギターのジム・ホール、ドラムスのチコ・ハミルトンの3人が「西」(ウェストコースト)、その両者の大いなる出会い、ということで、このアルバム・タイトルはついていると思われます。またジャケットにはタイトルの下に、参加ミュージシャンの東西の別を記しており、そのことがジョン・ルイス作曲による4曲目のタイトル“2度東3度西”のネーミングにつながっています。

その演奏はジョン・ルイスの音楽性が反映されたもので、超クールでいて、全員ソフトなトーンによるジェントルなプレイを心がけており、“室内楽ジャズ”とも言える心地よい音空間を形成しています。収録曲は先述の“2度東3度西”以外はすべてスタンダード・ナンバーで、どこかロマンティックな雰囲気が漂う楽曲ばかりというのも、本作の特徴です。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
ジョン・ルイスのオリジナル“2度東3度西”を聴いてみましょう。

イーストコーストとウェストコーストのミュージシャンが共演、ということであれば、アーシーな演奏とライトな演奏の中間のような音楽なのかを思いきや、そもそも「東」の二人も落ち着いた演奏スタイルが得意ゆえ、結果として、アーシーでもライトでもない、大人なクール・ジャズになった、と言えます。
アルバム中、ジョン・ルイス作曲の“2度東3度西”は唯一のオリジナル曲のため、アルバム・コンセプトはこの曲に集約されているのでは、とも解釈できます。
ビル・パーキンスのテナー・サックスとジム・ホールのギターによるソフトなトーンでのテーマが繰り返し奏でられ、気づけばその下でパーシー・ヒースがベース・ソロを取っていて、テーマが終わり、リズムが動き出すと、ミッド・テンポのスイング・ビートの上でジム・ホールのソロが展開されます。そしてビル・パーキンスのクールなテナー・サックス、ジョン・ルイスのピアノへとソロが移ってゆきます。
リラックスした時間をごゆっくり。

SHM-CD国内盤(一般普及盤)

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2019年11月15日 12:30