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『バーンスタイン・コンダクツ・ストラヴィンスキー<完全生産限定盤>』(6枚組)

バーンスタイン

全盛期のバーンスタインが躍動感をもって描き出す巨人ストラヴィンスキーの華麗な音世界
ソニークラシカルに残された全ストラヴィンスキー作品録音を集大成した6枚組。
「ハルサイ」は2種類収録!

「西洋音楽における最後の偉大な父性的存在だった。彼の作品は、原始的な民族歌謡から極めて洗練されたセリー音楽まで、高尚な教会音楽から気取らぬジャズまで、音楽のあらゆる諸相を飲み込んだものだった」と、1972年にレナード・バーンスタインは、前年に亡くなったストラヴィンスキーの追悼コンサートで述べています。不思議なことにあれほど演奏レパートリーが広かったバーンスタインが録音として残したストラヴィンスキーの作品は意外に少なく、1972年までのソニークラシカルとRCAへの録音に限ってもわずかに9曲にしか過ぎません。しかしそれらはいずれも、バーンスタインのディスコグラフィの中でも特筆すべき存在価値を誇る名演揃いでもあるのです。
この中で最も有名な録音は1958年のニューヨーク・フィルとの「春の祭典」(CD2)でしょう。バーンスタインがミトロプーロスとともにニューヨーク・フィルの共同首席指揮者になった1957/58年シーズンにブルックリンのセント・ジョージ・ホテルで収録されたこ演奏は、後年の2つの演奏よりも感情の表出が激しく、生々しい感触があるのが特徴で、作曲家自身もこのバーンスタインのレコードを聴いて、「ワオ!」と一言つぶやいたことも知られています。1950年代後半のごく短期間、オーケストラの本拠地がカーネギー・ホールからフィルハーモニック・ホールへ移行するまで、コロンビア・レコードによって録音会場として使用された、セント・ジョージ・ホテルの巨大な宴会場「カラーラマ・ボールルーム」の優れた音響効果を捉えた優れた録音としても貴重な記録です。
この衝撃的な「春の祭典」と前後する時期に録音された1919年版による「火の鳥」組曲(CD2)、名手シーモア・リプキンをソロに迎えた「ピアノと管楽器のための協奏曲」(CD3)、そして演奏に込められた豊かな感情の起伏が発売当時から評価された「プルチネルラ」組曲(CD3)も、バーンスタインの個性を刻み込んでいます。

1969年録音の「ペトルーシュカ」(1947年版・CD4)は、バーンスタインのニューヨーク・フィル音楽監督としての最後のシーズンに収録されたもので、同時期に「ヤング・ピープルズ・コンサート」でも取り上げられています。まるで劇場作品のように生き生きと躍動し、そこに登場する3つのキャラクター――悲しみに満ちたペトルーシュカ、怒りに満ちたムーア人、そしてノンシャランとしたバレリーナ――の役割が音によって鮮明に描き出されています。当ディスクにはLP初出盤に封入されていたバーンスタインの語りも収録されており、劇場的作品としての「ペトルーシュカ」について熱弁をふるっています。ニューヨーク・フィルはこの後ちょうど2年後にピエール・ブーレーズ指揮で同じ「ペトルーシュカ」を1911年版で録音しており、クールな感触を讃えた完全無欠の名演として知られていますが、バーンスタイン盤ではそれとは対照的な、猥雑なまでの迸るような生命力に溢れた演奏を聴くことができます。
その2年後、ロンドン交響楽団とのストラヴィンスキーの一周忌を記念するメモリアル・コンサートを指揮したバーンスタインは、同時期にアビー・ロード・スタジオに入り、2度目の「春の祭典」(CD5)と、初めての「詩編交響曲」(CD6)を録音しています。「ハルサイ」は1958年盤と比べると、より腰の据わった重厚感があることが特徴で、ゆっくり目のテンポをとることでかえって作品が内包する凶暴さが露わになるかのようです。
同じ1972年にボストン交響楽団と録音したのが「エディプス王」(CD6)で、これは当時バーンスタインがハーバード大学で展開していたノートン講義の「大地の詩」と題された最終回でこの作品が取り上げられていたからでもあります。バーンスタインによる同曲唯一録音という点でも貴重で、しかもタイトルロールにルネ・コロ、イオカステにタティアナ・トロヤノスという豪華な布陣(この2人にとっても同曲の唯一の録音となりました)であることもこの盤の価値を大いに高めています。同じボストン交響楽団とRCAに録音したSPからの復刻である「兵士の物語」と八重奏曲がCD1に含まれており、ソニークラシカルにおけるバーンスタインのストラヴィンスキー録音の円環がCD6で閉じられる高王になっているのも興味深い点と言えましょう。

各ディスクは紙ジャケに封入され、詳細な録音データを完備したオールカラーの別冊解説書とともにクラムシェルボックス(L 2.1 cm x W 13.5 cm x H 13.3 cm)に封入されています。
(ソニー・ミュージック)

【曲目】
ストラヴィンスキー:
<CD1>
1. 組曲『兵士の物語』
2. 管楽八重奏曲
[演奏]
レナード・バーンスタイン(指揮)
ボストン交響楽団員
[録音]
1947年8月11日、10月6日、11月17日
タングルウッド

<CD2>
1. バレエ音楽『春の祭典』(1913年版)
[演奏]
レナード・バーンスタイン(指揮)
ニューヨーク・フィルハーモニック
[録音]
1958年1月20日
ニューヨーク、ブルックリン、セント・ジョージ・ホテル

2. バレエ『火の鳥』組曲(1919年版)
[演奏]
レナード・バーンスタイン(指揮)
ニューヨーク・フィルハーモニック
[録音]
1957年1月28日
ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ

<CD3>
1. ピアノと管楽器のための協奏曲(1950年版)
[演奏]
シーモア・リプキン(ピアノ)
レナード・バーンスタイン(指揮)
ニューヨーク・フィルハーモニック
[録音]
1959年10月26日
ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ

2. 『プルチネッラ』組曲(1947年版)
[演奏]
レナード・バーンスタイン(指揮)
ニューヨーク・フィルハーモニック
[録音]
1960年3月28日
ニューヨーク、マンハッタン・センター

<CD4>
1. バレエ音楽『ペトルーシュカ』(1947年版)
[演奏]
レナード・バーンスタイン(指揮)
ニューヨーク・フィルハーモニック
[録音]
1969年5月5日
ニューヨーク、フィルハーモニック・ホール

2. ストラヴィンスキーとペトルーシュカについて(解説:レナード・バーンスタイン)
[録音]
1970年7月22日
ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ

<CD5>
バレエ音楽『春の祭典』
[演奏]
レナード・バーンスタイン(指揮)
ロンドン交響楽団
[録音]
1972年4月5日
ロンドン、アビー・ロード・スタジオ

<CD6>
1. オペラ=オラトリオ『エディプス王』
[演奏]
ルネ・コロ(テノール:エディプス王)
タティアナ・トロヤノス(メゾ・ソプラノ:ヨカスタ)
エツィオ・フラジェッロ(バス:ティレシアス)
トム・クラウセ(バリトン:クレオン)
デイヴィッド・エヴァンス(バリトン:使者)
フランク・ホフマイスター(テノール:牧童)
マイケル・ワーグナー(ナレーション)
ハーヴァード・グリー・クラブ
ボストン交響楽団
レナード・バーンスタイン(指揮)
[録音]
1972年12月15-16日
ボストン、シンフォニー・ホール

2. 詩篇交響曲(1948年版)
[演奏]
レナード・バーンスタイン(指揮)
ロンドン交響楽団
イギリス・バッハ・フェスティヴァル合唱団
[録音]
1972年4月8日
ロンドン、アビー・ロード・スタジオ

カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)

掲載: 2021年03月22日 00:00