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Evile(イーヴァイル)|ニュー・ウェイヴ・オブ・スラッシュ・メタルの中心的存在8年ぶり5枚目のアルバム『ヘル・アンリーシュド』

Evile(イーヴァイル)『ヘル・アンリーシュド』

00年代後半に大きなムーヴメントとなったニュー・ウェイヴ・オブ・スラッシュ・メタルの中心的存在であったイギリスのイーヴァイル。その8年ぶり5枚目のアルバムが登場。イーヴァイル史上最高速の疾走ナンバーが次から次へと飛び出し、首が休まる暇無し!全スラッシャー必聴。

00年後半、突如新世代のスラッシュ・メタル・バンド群が大きな注目を集めた。80年代に栄華を誇るも、90年代に入るとメインストリームのグランジ、アンダーグラウンドのデス・メタル/グラインドコアに挟み撃ちにされ、かつての勢いを失ってしまったスラッシュ・メタル。結果、多くのバンドが解散、もしくは路線変更を余儀なくされたのだ。その後、一種の80年代スラッシュへの回帰運動であったスカンディナヴィアを中心とするブラック・メタルのムーヴメントを経ることで、90年代終わりにはスラッシュ・メタルも復権。21世紀に入る頃には、その勢いを完全に取り戻したと言える。だが、シーンの先頭を走るバンドの顔ぶれは、80年代と何ら変わりのない大御所ばかり。そんな風潮に変化を起こしたのが、いわゆるニュー・ウェイヴ・オブ・スラッシュ・メタルのムーヴメントだったのである。その中で、ガマ・ボム、ウォーブリンガー、ボンディッド・バイ・ブラッドらとともに中心的役割を果たしたのが、イギリスのイーヴァイルであった。

結成は99年。当時はメタル・ミリシアというバンド名で、メタリカのカヴァーを中心にプレイしていた。04年に現在のイーヴァイルへと改名し制作したデモが、イギリスの大手レーベル、イヤーエイク・レコーズの目にとまる。そしてリリースされたデビュー・アルバムが、『Enter the Grave』(07年)。ニュー・ウェイヴ・オブ・スラッシュ・メタル・ブームを先導したのは、イヤーエイク・レコーズであったと言える。当時イーヴァイルの他、ガマ・ボム、ミュニシパル・ウェイスト、SSS、ヴァイオレイターといった、80年代色の強い若手バンドの作品を立て続けにリリース。久しくめぼしいムーヴメントのなかったエクストリーム・メタル界は、湧きに湧いたのだ。当然イーヴァイルにも、スラッシュ・メタル界期待の新星として大きな注目が集まった。09年にはセカンド・アルバム『Infected Nations』をリリースするが、同年ヨーロッパ・ツアー中に、ベーシストのマイク・アレクサンダーがわずか32歳の若さで急逝するという悲劇に見舞われる。マイクの遺志をついだバンドは続行を決意。さらに『Five Serpent's Teeth』(11年)、『Skull』(13年)と2枚のアルバムを、いずれもイヤーエイクからリリースしている。

この度リリースとなるのが、8年ぶり5枚目となるアルバム『ヘル・アンリーシュド』である。ヴォーカルとギターを担当していたマット・ドレイクの脱退に伴い、新ギタリストとしてアダム・スミスが加入、ヴォーカルはリード・ギタリストのオル・ドレイクが兼任と、新体制になったイーヴァイルだが、とにかく曲の速いこと。イーヴァイル史上最高速、次から次へと疾走ナンバーが飛び出してきて、首が休まる暇がない。ヴォーカリストが交代したことの違和感も皆無。全スラッシャー必聴の大傑作だ!アメリカのデス・メタル・バンド、モーティシャンのカヴァーを収録というのも渋すぎ。

国内盤CD

日本語解説書封入/歌詞対訳付き


輸入盤LP


【収録曲】
01. パラライズド
02. ゴア
03. インカーセレイテッド
04. ウォー・オブ・アトリッション
05. ディスオーダー
06. ザ・シング (1982)
07. ゾンビ・アポカリプス(モーティシャン・カヴァー)
08. コントロール・フロム・アバヴ
09. ヘル・アンリーシュド

【メンバー】
オル・ドレイク(ヴォーカル / リードギター)
アダム・スミス(リズムギター)
ジョエル・グラハム(ベース)
ベン・カーター(ドラムス)

Evile(イーヴァイル)

 

HARD ROCK/HEAVY METAL

タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)

掲載: 2021年03月30日 17:44