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アブラヴァネル&ユタ響/チャイコフスキー:交響曲第1&2番、第6番&幻想序曲"ハムレット” 新リマスターで復活!

アブラヴァネル
モーリス・アブラヴァネル(1903年1月6日 - 1993年9月22日)

VOX AUDIOPHILE EDITIONシリーズ
アブラヴァネル生誕120年&没後30年。ユタ響とのチャイコフスキー復刻第3&4弾


【モーリス・アブラヴァネル】
モーリス・アブラヴァネルは1903年、テッサロニキ(現ギリシャ、当時はオスマン帝国領)に生まれました。母はポルトガル出身、父はスペイン系ユダヤ人の有力な一族。一家は1906年にスイスのローザンヌに移住し、アブラヴァネルは同地で音楽を学んで16歳でオーケストラを指揮します。その後、父親から医学の道へ進むよう説かれるも音楽を選んで、ベルリンでクルト・ヴァイルに作曲を学び、指揮者としてドイツ各地の歌劇場でキャリアを積みます。1923年にはパリで指揮者デビュー。パリ・オペラ座の客演指揮者と、パリ及びロンドンのバランシン・バレエ・カンパニーの音楽監督を務めるまでになりました。また、シドニーとメルボルンの歌劇場に呼ばれた時は、3か月の契約だったのが2年間に延長されるなど、好評を得たようです。
【ヨーロッパを離れて】
しかしヨーロッパで反ユダヤ主義が台頭するとアブラヴァネルはこれを嫌って渡米。1936年にはメトロポリタン歌劇場に史上最年少の指揮者としてデビュー。当時のアブラヴァネルは、よく知られたレパートリーに斬新な解釈を見せたことで称賛と批判の双方を浴びたそうです。いわゆる仕事中毒の状態でもあり、9日間にオペラ5演目、計7公演を指揮したこともあると伝えられます。そのような中でアブラヴァネルは腰を据えて仕事に取組む環境を求めるようになりました。
【ユタ交響楽団との出会い】
転機となったのは1940年創設のユタ交響楽団との出会いで、公募に応じて指揮したところ大成功を収め、1947年から79年まで音楽監督を務めました。在任中は録音や米国内外のツアーに精力的に取り組んでオーケストラのレベルアップを図り、1963年から74年にかけてVanguardに録音したマーラー:交響曲全集が、アメリカの楽団による史上最初の全集録音として国際的にも注目を集めました。
【アブラヴァネルの音楽作り】
アブラヴァネル時代の演奏を知る人は、マーラーでも他の作曲家でもアプローチを変えることは無かったと証言しています。彼のアプローチが感情的なものを強調することなく、楽曲の構造と様式を重んじたスコア重視のものだったことは録音からもうかがわれます。このコンビは100枚を超えるアルバムを幾つものレーベルに残しており、1972年から73年にかけてVOXに録音したチャイコフスキーの交響曲全集は、上記マーラーや、ブラームス及びシベリウスの交響曲全集と共に彼らの代表的な録音とされています。これらにはデフォルメを排した音楽作りが共通して聴き取れます。
【録音で聴くユタ響サウンド】
アブラヴァネル時代のユタ響はソルトレイクシティのソルトレイク・タバナクル(別名モルモン・タバナクル)で演奏会と録音を行っていました。この建物は1875年に竣工した礼拝堂で、収容人員は8,000席、立ち見ならば12,000人という巨大な空間です。残響が長く、当時のユタ響の伸びやかな演奏と明るいサウンドは、ここの音響が育んだものと言えそうです。特に客席が空となる録音の際は、幕を吊るしたり楽団員がコート類を持ち込んで敷いたりするなどして調整を試みたそうです。マイク2本によるシンプルな収録をポリシーとしていたマーク・オーボートが、オーケストラの音響を混濁させないためにどのようなマイク・セッティングをしていたのか想像を刺激されます。
【アブラヴァネルのレガシー】
アブラヴァネルは在任中にシンフォニー・コンサート専用ホールの必要性を訴え続け、その長い任期を終えた直後の1979年9月にはシューボックス・タイプの新たな「シンフォニー・ホール」のオープンにこぎつけました。1993年9月に彼が90歳で世を去ると、同ホールはその功績を讃えて「アブラヴァネル・ホール」と改名され、楽団のウェブサイトには彼を知る人たちの回想が掲載されています。
(ナクソス・ジャパン)

アブラヴァネル

チャイコフスキー:交響曲第1番&第2番 アブラヴァネル指揮

明晰・明快な解釈によるアブラヴァネルのチャイコフスキー。親しみやすいメロディが多い第1番と第2番では、伸びやかに、あるいは弾むように、主旋律を歌わせます。陰影やメランコリックな表現にも事欠かないのですが、濃厚な情念や暗鬱さに耽溺しないのがアブラヴァネルの見識でしょう。バランス感覚にすぐれた演奏を、立体的な音場感と解像度のあるアナログ期の名録音で楽しめます。
*ブックレットには初出時のジャケット写真と原盤解説が掲載されています。
(ナクソス・ジャパン)

1-4. 交響曲第1番 ト短調 「冬の日の幻想」 Op. 13(1874年改訂版)
1. I. Andante tranquillo
2. II. Adagio cantabile ma non tanto
3. III. Scherzo: Allegro scherzando giocoso
4. IV. Finale: Andante lugubre – Allegro maestoso
5-8. 交響曲第2番 ハ短調「小ロシア」 Op. 17(1879-80年改訂版)
5. I. Andante sostenuto – Allegro vivo
6. II. Andantino marziale, quasi moderato
7. III. Scherzo: Allegro molto vivace
8. IV. Finale: Moderato assai – Allegro vivo

ユタ交響楽団
モーリス・アブラヴァネル(指揮)
録音:1972-73年
1974年LP初リリース
総収録時間:74分

アブラヴァネル

チャイコフスキー:交響曲第6番&「ハムレット」 アブラヴァネル指揮

アブラヴァネルの「悲愴」は明快な造形と巧みな緩急が生み出すドラマティックな表現が印象的。第3楽章の最後ではテンポアップして華麗に終わるのでライヴならば拍手が湧くところでしょう。終楽章は慰めや優しさが支配的な中にも劇的な起伏のある演奏。弦の多彩な音色変化(特に柔らかさ)と木管の艶、金管の抜けの良さなどに音質改善が感じられます。ハムレットも語り上手な演奏。
*ブックレットには初出時のジャケット写真と原盤解説が掲載されています。
(ナクソス・ジャパン)

1-4. 交響曲第6番 ロ短調「悲愴」 Op. 74(1893)
1. I. Adagio – Allegro non troppo
2. II. Allegro con grazia
3. III. Allegro molto vivace
4. IV. Finale: Adagio lamentoso
5. 幻想序曲「ハムレット」 Op. 67a(1888)

ユタ交響楽団
モーリス・アブラヴァネル(指揮)
録音:1972-73年
1974年LP初リリース
総収録時間:74分

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2023年07月14日 15:00