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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.284

チャーリー・ヘイデン『フォーク・ソングス』(1981)

CH

チャーリー・ヘイデン(b)
ヤン・ガルバレク(ts, ss)
エグベルト・ジスモンチ (8 string-g, super 8-g, p)

1979年11月、オスロ、タレント・スタジオにて録音

曲目:
01.フォーク・ソング
02.銀婚式
03.盲人アデラルド
04.ファイエン
05.綱渡り芸人
06.フォー・テュリア

【アルバム紹介】
1.国籍の違う3人のプレイヤーが織りなす無国籍なインストゥルメンタル
2.ECMレーベルの傑作『マジコ』の続編
3.トラッド・ソング1曲に加えメンバーのオリジナル曲で構成

2024年はECMレーベル創設55周年にちなみ、今回も美しい響きが印象に残る名盤をご紹介いたします。
ベーシストのチャーリー・ヘイデン、サックス奏者のヤン・ガルバレク、ギター、ピアノのエグベルト・ジスモンチの3人による共演盤です。

この3人はまず最初に本作のレコーディングの5か月前にECMレーベルに『マジコ』という傑作を録音しており、続編にあたる本作でも、前作で聴かせた無国籍なインストゥルメンタルともいうべき奥深い音楽を展開しています。

ズーンと響くベースで音楽の土台を支えるヘイデン、曲によってソプラノ、テナーとサックスを吹き分ける表現力抜群のガルバレク、8弦ギターを美しく響かせ、時にピアノを奏でるジスモンチ。即興演奏を交えたイマジネイティヴな音楽が連続してゆきます。
楽曲は1曲目はトラッド・ソングを3人でアレンジしたものになっており、それ以外は2、3、5曲目はジスモンチ、4曲目はガルバレク、6曲目はヘイデンのオリジナルという構成です。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
3者の繊細な音の動きが美しい“フォーク・ソング”。

チャーリー・ヘイデンはアメリカ人、ヤン・ガルバレクはノルウェー人、エグベルト・ジスモンチはブラジル人と国籍がまったく違う3人ゆえ、それぞれが持っている音の感性も違い、他では聴かれないような独特の音楽になっており、このアルバム1曲目がそれを端的に表しているように思います。
曲はエグベルト・ジスモンチによる8弦ギターのフォーキーでエスニックな響きの中で始まります。アルペジオで伴奏をつなぎつつ、その上をヤン・ガルバレクのソプラノ・サックスが哀感を感じさせるメロディを奏でてゆきます。
やがて解き放たれたようにソプラノ・サックスがソロのような展開を見せ、それが一段落すると、ギターによる即興演奏に移ります。続いて、ベースによる幽玄な響きを伴ったプレイを聴かせ、再び冒頭のメロディがソプラノ・サックスに現れると、徐々に音量を落としつつ、消え入るように楽曲を終えます。
こういった音楽は何の先入観もなく、また音楽ジャンル云々を考えず、オープンな気持ちで向き合うのが一番良い聴き方のように思えます。
この3人のいわゆる“マジコ”トリオは本作の後、1981年にミュンヘンで行われた伝説のライヴ音源を収録したアルバム『マジコ カルタ・デ・アモール』があり、30年以上の時を経て2012年にリリースされ、話題になりました。

国内盤SHM-CD

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2024年07月12日 10:00