斉藤和義 『45 STONES』
斉藤和義のリアリティー溢れる嘆き、悲しみ、そして喜び、愛が詰まった
15枚目のオリジナル･アルバム!
3/11に起こった東日本大震災を受けての心情が反映されている。
｢昔からそうですけど、俺の場合、＜自分にとっての今＞、
つまり自分の身の周りのことや日常が歌になりがちなんですよ。
だから今回は、震災と原発のことは避けて通れなかった｣
震災当日も行っていたレコーディングは中断となるも翌日から制作は再開し、
どこか長閑な曲調と怒りや危機感を帯びた歌詞の“ウサギとカメ”が完成。
4月に入ると被災地への義援金を呼びかけるために毎週金曜日にUSTREAMで
ライヴを行い、またヒット曲“ずっと好きだった”の替え歌で、聞き手に問うたりもした。
｢詞と曲が同時にできたものが多いですね。“雨宿り”も、
スタジオのブースにこもっていたらいきなりバーって。
でもあまりに暗くて凹む曲だったから、ちょっと弾けるのを作らなきゃと思ったら
次の日“僕と彼女のロックンロール”ができて、さらにその翌日に“おとな”が
できた……。曲のタイプはバラバラなところに、心の揺れがそのまま出てるんじゃないかって?
今現在もそうですけどね。なんかグルグルだった感じです｣
振り幅の広い曲の中には、最新ユニットMANNISH BOYS(斉藤和義×中村達也)の
中村と斉藤による“オオカミ中年”と“猿の惑星”も収録。
音楽だから受け取り方は自由だけど、どの曲についても｢これが俺のメッセージだ、ついて来い!｣って
いうつもりはないんですよね。愚痴と言うか、｢自分はこう思ったんです｣っていうだけで……。
今回、ホレタハレタのラヴ･ソングはないけど、それも、今の状況の中では全く浮かばなかったっていうだけ。
でも平たくいえばどの曲も、広い意味でのラヴ･ソングだと思ってるんですけどね｣
ラヴ･ソングと同じように、｢今回、作れそうな気がしなかった｣のが｢希望を感じさせる曲｣だ。
それで｢詞は他の人が書いたものだけど、いつかセルフ･カヴァーしようと思っていた｣という
“虹が消えるまで”も収録。個人的には｢涙の終わり｣というフレーズで終わる、ほのぼのとした最終収録曲の
“ギター”も、大きな希望を感じさせると思う。
斉藤は｢こんなときだからこそラヴ･ソングを聴きたかった、という人もいるだろうし、
好き嫌いがはっきり出るアルバムだと思う｣と話した。
でも生々しく強く脈打つ楽曲はどれも、斉藤だからこそのポップさやセンスのよさが光っており、
怒りだけでなく不信感、危機感、無力感、疑問、悔しさ、情けなさ、自己嫌悪など
さまざまな感情が複雑に織り込まれていて味わい深い。
斉藤が語る＜どれもラヴ･ソング＞の意味を、その耳と心で確かめて欲しい。
命、幸せ、未来のために今、しなければいけないことの自問自答を続ける斉藤の真摯な姿は、
大切なことは何かを気づかせてくれるはずだ。
■New ALBUM……『45 STONES』Now on sale!
■SONG LIST……
【DISC1】
01.ウサギとカメ
02.桜ラプソディ
03.Would you join me?
04.猿の惑星
05.負け犬の詩
06.虹が消えるまで
07.オオカミ中年
08.ボクと彼女とロックンロール
09.雨宿り
10.おとな
11.ギター
【DISC2】 ※初回限定盤のみ
01.満男、飛ぶ（映画「FLY!～平凡なキセキ」主題歌）
02.ドレミの歌（グリコ企業CM｢みんなに笑顔を届けたい。｣斉藤和義デモバージョン）
03.春の夢（※1)
04.手をつなげば（※1）
05.赤いヒマワリ（※1）
06.古いラジカセ（※1
07.I Love Me（※1）
08.Are you ready?（※1）
09.レノンの夢も（※1）
10.ずっと好きだった（※1）
11.Don't cry baby（USTREAM LIVE at Crescente Studio 2011.4.22）
12.空に星が綺麗（USTREAM LIVE at Crescente Studio 2011.4.29）
（※1）＝ USTREAM LIVE at Victor Studio 2011.4.8
■New Single…『やさしくなりたい』11/2 on sale!
■SONG LIST……
01.やさしくなりたい ※日本テレビ系水曜ドラマ｢家政婦のミタ｣主題歌
02. あいされたいやつらのひとりごと
03.ウサギとカメ (USTREAM Live at studio JIVE 2011.8.31)
※初回プレス仕様：アルバム「45 STONES」（初回限定盤＆通常盤初回プレス仕様）
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記事内容：TOWER 2011/10/20号より掲載
