INTERVIEW(4)——昔のばあちゃんみたいになりたい
昔のばあちゃんみたいになりたい
(左)REKPO (右)MAYUN KIKI
――アルバムは前作から本作までの間に、いろいろと吸収してきたものが出せたという実感があるんじゃないですか?
REKPO「いや~ここまでいろいろ吸収してきたと思う。音源をリリースすることなくライヴばっかりやって。ライヴを繰り返すなかで、いろんなことを試しながら練り上げていった」
HISAE「実際に録音期間は短かったけど、ライヴのなかで練り上げていく期間が長かったから」
REKPO「長かったね~。ずっと出したい出したいと思っていたけど、出なかったからね。でも曲を歌いこなしていくなかで、かなり自分たちも馴れてきて。そうやっていくうちに元のウコウクがだんだんつまんなくなってきちゃったりして。新しい曲を聴いたときのおもしろさったらなくて。ゾクゾクってくることが何回もあった。まだまだやりたい曲がいっぱいある。いまはもっともっと出したいって気持ちです」
――主催イヴェント〈マレウレウ祭り〉を行うなどさまざまな活動を展開してこられて、聴かれ方が変わってきたなあって実感はある?
REKPO「お客さんは楽しんでくれていると思う。ゲストが目当てで来ていても、最後はみんなすごく盛り上がってくれるし」
MAYUN KIKI「そもそも私たちもウコウクを聴く機会はそんなにないんですね。なので、会場でみんなのウコウクを聴いて、〈あ~、すごいな~〉って改めて感動してるんです。ホントは私がマレウレウのライヴを観たいぐらいで(笑)」
REKPO「ウコウクって囲むようにして歌うんですけど、輪の真ん中の空間にいるのがいちばん気持ちいいんですよ」
MAYUN KIKI「そこに小人になって入ってみたい(笑)」
――9月1日に〈マレウレウ祭り〉のVol.4が控えていますね。
MAYUN KIKI「東京でやるのは3回目。最初のゲストはUAさんで、2回目はスペアザさん。そして次回はゲストに細野晴臣さんが来てくれます。いや~細野さんですよ……」
REKPO「そうなのよ~。マネージャーさんにいろんな人に声かけてってお願いしたの。〈コーネリアスさんとやりたい!〉とか言ったら、〈敷居が高いよ~〉なんて言われてたのに、結局は細野さんに決まって。もう意味がわかんない(笑)」
MAYUN KIKI「木津(茂理)さんは以前にやらせてもらってるから大丈夫だけど、細野さんは、どうしたらいいんだろう……。この際いきなり〈おじいちゃん〉って呼んじゃうとか」
RIMRIM「え~! やめて~!!」
REKPO「それはいけません。でも今回のアルバムにはライヴで演ったことのない曲も入ってるし、それをステージで馴らしていくことがこれからの楽しみです」
――最後にこの先4人がめざす場所を教えてください。
REKPO「そりゃ~もう、昔のばあちゃんみたいになりたい。ほんっとにカッコイイんですから!」
MAYUN KIKI「昔の音源は歌っている人が歳を取ってしまってからの録音なんです。そういうおばあちゃんたちみたいにいまの私たちはどうしても歌えない。ただ、われわれはこれからだんだんおばあちゃんになっていくまでの声を残していけるし、次の世代の若い人たちは、そんな私たちの若い声の音源を聴けるわけだから。だからあまり無理をせず、ゆっくり歳を重ねながらおばあちゃんたちに近付いていけたらいいなと思ってます」
REKPO「目標といえば、私たち〈紅白歌合戦〉狙ってるんでね」
MAYUN KIKI「そう、いちばん近場の夢は紅白! おばあちゃんになるとかいうことよりも」
HISAE「地域枠とか伝統芸能枠とかないのかな。毎年大晦日はスケジュール空けてるんですけど(笑)」
MAYUN KIKI「そこから3年ぐらいかけて紅組に入れてもらうとか。あと〈Mステ〉もいいな~。でもね、マレウレウはJ-Popの枠に入っていけるようになりたいんです。ワールド・ミュージック的な括りじゃなく、そういう場所をめざしたいんです」
REKPO「なんか追いやられがちですから、端っこのほうに」
――そうか。今回の記事はきっと若い子たちも目にするはずだし、いろんな反響を呼ぶと思うなあ。
REKPO「どうしたらいいんでしょ」
――こちらはマレウレウの魅力をシンプルに伝えるだけですよ。
MAYUN KIKI「シンプルじゃなく、ぜひ濃厚に伝えてください(笑)」