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INTERVIEW(2)——もっと共有したい



もっと共有したい



FOUR GET ME A NOTS



――素晴らしい。そしてアルバムも素晴らしかったです。

石坪「ありがとうございます」

――メロ良し、演奏良し、音良し。特に阿部君のドラムが最高です。メタル魂を感じました。

阿部「ありがとうございます(笑)」

――とにかく重くて速い。ルーツはやっぱりハード・ロック/ヘヴィー・メタル系ですか。

阿部「どうなんですかね? でもオヤジがハード・ロックをすげぇ好きで、昔からそういうのを聴いていたということもありつつ。自分がバンドを始めるきっかけはメロディック・パンクのバンドだったんですけど、たぶんそういう昔からの影響はあると思いますね」

――そもそも、3人の音楽的共通点ってどのへんでしたっけ。

石坪「メロディーの良さに関しては、ハードルを高く持とうというところはありますね。曲を作っていくなかで、そこは妥協したくない。〈もっといいメロディーがあるんじゃない?〉とか、全然言いますね。ほかの部分は、お互いが持っているものを出して、良かったら〈それいいね〉っていう感じじゃないですかね。曲作りに関してはそのぐらい漠然としてると思います。感覚で作ってるところがあるんで、長くやってきたぶん、暗黙の了解のようなところは多いんじゃないかと思いますね」

――基本はメロディック・パンクで……。

石坪「まぁ、そうですね」

――でも、昔の歌謡曲からいまの日本のメインストリーム・ポップに至るメロディーのツボみたいなものは、しっかり入ってるなと。

石坪「それは僕が、というより3人共だと思うんですけど、TVを観て音楽を知っていった世代なので、その頃のJ-Popはすごく影響があると思いますね。いまでも好きですし。それこそMr.Children、山下達郎、CHAGE and ASKA、松任谷由実、サザンオールスターズとか。たぶんその人たちも洋楽から影響を受けてると思うんですけど、自分たちがTVで観ていたそういう人たちの曲からは、すごく影響を受けてると思いますね」

――そういうメロディーの感覚と、メロコアやハード・ロック経由のサウンドとの絡みがすごくおもしろいんですよ。それは意図したというよりは、自然にミックスしてしまったというか。

石坪「そうですね。そのへんは感覚でやっちゃってます」

――そのへんの話は、またあとで出るかもしれませんが。今回のアルバムに関しては、作る前にテーマみたいなものはあったんですか。

石坪「ライヴをやってきて思ったこととして、もっとお客さんと(気持ちを)共有しやすいとか、伝わりやすいとか、いっしょに歌いやすいとか、そういうものを作ろうという漠然とした軸があっただけで、あとは自由に3人でネタを持ち寄って作っていった感じです。さっき言ったみたいにバンドがいまいちばん楽しいという、ポジティヴな状態で作品を作れたのも大きいと思います」

高橋「毎回良いものを、妥協せずに、出したいものを作ろうということがあるんですけど。今回はみんながみんな、肩に力を入れずに、素直に作れたかなと思います。〈こうしなきゃいけない〉ではなくて〈これをやりたい〉という感じで、やりたいことをできたと思います」

阿部「確かに、あんまり頭を固くしないで伸び伸び作れましたね。難しいことを考えないで、自分から出せるもので最大限良いものを作ろうという、いままでよりも肩に力が入っていない状態で作りはじめたのはありますね。だから音も明るめというか、サウンドも曲もけっこう前向きだし、それはたぶんそういう状態で作れたからだと思います」

――〈やりたいこと〉と〈やるべきこと〉が、うまく一致した感じですかね。

石坪「去年1年間ライヴをしていくなかで、いっしょにやるバンドも本当にジャンルは分け隔てなく、僕らがそれまで属していたシーンとは関係ないジャンルのバンドともいっしょにやってきたんですよ。個々のバンドのライヴの作り方を見ていると、お客さんとの関わり方も違うし、そういうのを見ていくなかで〈自分たちは何がしたいんだろう?〉ということをすごく考えて、そのうえで思ったのが〈もっとお客さんと共有したい〉ということだったので。それがはっきり見えたことが、自分たちをポジティヴな方向に向けたと思うし、前まであったようなモヤモヤが晴れたので、それが作品に出ているんじゃないかな?と思いますね」

――ライヴの実感がデカいんですね。

石坪「うん。それはありますね」


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掲載: 2013年03月06日 18:01

更新: 2013年03月06日 18:01

インタヴュー・文/宮本英夫