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インタビュー

仕立ての良いジャケットを羽織り、高級酒片手にキザなステップを踏むためのロック・ガイド――(2)



DONALD FAGEN 『The Nightfly』 Warner Bros.(1982)

なんとなくクリスタルだった時代に、カフェバーに集う男女たちを小粋に踊らせた夜のアーバン・コンテポラリー。豪華セッション・ミュージシャンたちを惜しげもなく投入して作り上げたバブリーなグルーヴが、クールでキザな大人の色香を演出してくれる。*北爪

 

THE REIGN OF KINDO 『Play With Fire』 Candyrat/BULLION(2013)

エモ畑出身なのでその筋だけで語られがちな連中なんだけど、ちょっと待った! ジャズやラテンを採り入れたサウンドに、華麗なピアノとホーン隊が交錯する演奏は超スタイリッシュ。これは完全にエモ世代の極上AORですよ!! *北爪

 

BRYAN FERRY 『Olympia』 EG/Virgin(2010)

グラム・ロックの一派からシックなスーツの似合う紳士へ。ブラック・ミュージックを欧州的なダンディズムで包み込んだ世界観は、まさに大人のためのダンス・ロック。ジャケを含めてロキシー・ミュージック時代を感じさせる本作でも、彼は踊ることを止めない。*久保田

 

中川勝彦 『FROM PUBERTY』 ワーナー/ストレンジ・デイズ(1986)

当時きってのアーバニスト、林哲司が編んでいく妖艶で時として物悲しいビートに身を委ねたギザな伊達男。その軽やかなステップは、ミラーボールが煌めくフロアではなく、真夜中のダウンタウン、人気のないアスファルトにこだまして……。*久保田

 

MANI 『Heroes Of Today』 Warner France(2013)

フランスの新人バンドだが、裏方として活躍してきたリーダーはすでに30代後半。その年輪を感じさせる艶やかな高音歌唱を武器に、マルーン5やフィッツ・アンド・ザ・タントラムズにも引けを取らない、スーツの似合うエレガントなポップ・ロックを聴かせてくれるぞ。*北爪

 

ABC 『Lexicon Of Love』 Mercury(1982)

ジャーナリストからミュージシャンに転身し、トレヴァー・ホーンの後ろ盾によってポップでファンキーな音を振り撒いたマーティン・フライは、モテる男のABCを心得たジゴロ風情の知的紳士。背伸びしたい盛りのロンドンっ子も〈あんなオトナになりたいワ〉と言ったかどうか。*久保田

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2013年08月21日 18:00

更新: 2013年08月21日 18:00

ソース: bounce 358号(2013年8月25日発行)

文/北爪啓之、久保田泰平