MYRON 『Free』 Moja/Pヴァイン(2004) ソングライターとしても才能を発揮していたマイロンの6年ぶり2作目。ほぼすべての楽器を自身で演奏し、以前のネオ・ソウル的な資質をよりダイレクトに表へ出してきたようでもあり、いろんな意味でナマな雰囲気が横溢。名作の誉れ高いデビュー作『Destiny』(Island Black/Island)を上回る逸品だろう。

ALYSON WILLIAMS 『It's About Time』 Three Keys(2004) 忘れられない女がいるんだ……と、30過ぎのR&Bリスナーなら呟いて名前を挙げそうなアリソン。13年ぶり(!)のサード・アルバムは、成熟のなかに変わらぬ熱さが匂う超傑作に。ブラコンな薫りを時代の空気に包む作法も巧みだが、89年のクラシック『Raw』(Def Jam)からそれをやってる人ですから。
ADINA HOWARD 『The Second Coming』 Rufftown/Maybach(2004) 忘れられないケツがあるんだ……と、30過ぎのボンクラに口走らせるアディナ・ハワード、10年ぶりの再臨。幻のメジャー2作目からのスライド収録曲も含め、高品質でジューシーでエロいファンク汁が潤ってます。衝撃のデビュー作『Do You Wanna Ride?』(Elektra)にも時々乗ってます。
MONTELL JORDAN 『Life After Def』 The Enterprise/Koch(2003) R&B界におけるメジャー離れの決定打となったのが、デフ・ジャム~デフ・ソウルにて質/セールス共に高いアルバム5枚を残してきたモンテルの本作。メジャー最終作の『Montell Jordan』(Def Soul/Def Jam)以上に熱く不器用な歌い込みは水を得た魚のよう。過去最高の俺節がソウルフル!
SILK 『Silktime』 Liquid 8(2003) 90年代初頭のブームで登場したコーラス・グループでもズバ抜けた歌唱力を備えていたシルク。生みの親であるキース・スウェット(彼も次作はインディーらしい)も参加した今作は、セクシャルなスロウが最高。エロい“Freak Me”などメジャー時代の名唱は出たばかりのベスト盤『The Best Of Silk』(Elektra/Rhino)で確認を。