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Leyona 『PATCHWORK』

連載
SPOTLIGHT!
公開
2010/04/03   16:30
更新
2010/04/03   16:41
ソース
bounce 319号 (2010年3月25日発行)
テキスト
文/宮内 健

 

新たな一歩を踏み出した彼女のこれまでを祝福し、輝かしいこれからを期待しよう!

 

 

 

Leyona -A

昨年デビュー10周年を迎えたLeyona。その年の6月に行われた記念ライヴが「Leyona 10th Anniversa-ry Event MUSIC IS MAGIC」としてDVD化された。Keisonや斉藤和義をはじめ総勢30名近くのゲストが入り乱れて3時間に及ぶショウが繰り広げられた、まさにこの10年を総括するような充実の内容だ。なかでも胸を打つのは、デビュー曲“オレンジ”を当時プロデュースを手掛けた仲井戸“CHABO”麗市と共に歌い終え、モニターに貼っていた忌野清志郎のポートレートを胸に抱きながらステージを降りるシーン。多大な影響を受けた清志郎とCHABOに見守られながら節目の舞台を成し遂げた彼女の、晴れやかな笑顔が印象的だ。

そして次なる10年への第一歩となるのが、プロデューサーに會田茂一、鈴木正人、藤本和則を起用した新作『PATCHWORK』である。マツキタイジロウ(SCOOBIE DO)作曲による60年代ソウル調の“GET DOWN”や先行シングルの“MAMA AFRICA”で共演したFUNKISTとの相性の良さは言わずもがなだが、ここで特筆すべきはポップスの歌い手として一段と磨きがかかったことだろう。岡本定義(COiL)作詞作曲による“愛と微笑みと花”、松本隆がペンを取った“パッチワーク”のエヴァーグリーンな輝き、そして自身が作詞した“風にのせて”――これは彼女がいまも歌い続けているはっぴいえんどのカヴァー“風をあつめて”と比肩し得る、2010年代のスタンダードになるんじゃないだろうか。ポップ・シンガーとしての揺るぎない実力を決定付けた本作で、さらなる魅力が開花している。

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