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長田進

連載
360°
公開
2010/06/25   20:03
更新
2010/06/25   20:04
ソース
bounce 322号 (2010年6月25日発行)
テキスト
文/宮本英夫

 

GRAPEVINEの隣にいる帽子の人、長田進とは何者でしょう?

 

 

長田進がプロとして活動をスタートさせたのは80年、22歳の頃だが、ジャズやロックのレコーディング・セッション、ライヴハウスでの演奏活動がメインだったため、〈いつから〉とは本人もはっきりとは言えないらしい。しかしはっきりしているのは、86年に佐野元春 with THE HEARTLANDの3代目ギタリストとして加入したことで、ここから彼の本格的な活動が始まると言って良いだろう。〈Cafe Bohemia Meeting〉ツアーを皮切りに、バンドが解散する94年までのすべてのツアーに参加し、2000年代になってからも何度かライヴで共演するなど、佐野との関係には特別なものがあった。90年代には他に尾崎豊、藤井フミヤなどのツアーに帯同し、特に奥田民生のライヴでは欠かせないメンバーとして現在も続く強い絆で結ばれている。

またレコーディングへの参加としては、80年代には佐野元春や小林武史など、90年代には井上陽水や吉田拓郎、Cocco、PUFFY、浜田省吾など、さまざまなアーティストの作品でその骨太なギタープレイを聴くことができる。同時にプロデューサーとしての活動も始め、初の本格的なプロデュース作品となったGREAT3『Richmond High』(95年)以降、オセロケッツや黒沢秀樹、THE JERRY LEE PHANTOM、SCREAMING SOUL HILLなどを次々と手掛け、カラフルなポップスからハードなミクスチャー・ロックまで、長田の持つキャパシティーの広さとプロデュース力を世に知らしめた。特に2005年作『deracine』から始まるGRAPEVINEのプロデュースは大きな成果を生み、以降4枚のアルバムを経て現在も継続中だ。

そしてもっとも重要なのは、89年に始まるDr.Strange Loveとしての活動がある。根岸孝旨(ベース)、古田たかし(ドラムス/97年脱退)との3人で結成され、95年に初作『Way Out』を発表した。メンバー各々が楽曲を持ち寄りヴォーカルも取るスタイルが、彼のシンガー・ソングライターとしての才能を徐々に覚醒させた。数年前から始めた弾き語りライヴでも、優れたメロディーセンスと魅力的なバリトン・ヴォイスで新境地を拓いている。