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スタジオジブリの音楽

連載
360°
公開
2010/08/05   13:53
更新
2010/08/05   13:54
ソース
bounce 323号 (2010年7月25日発行)
テキスト
文/村尾泰郎

 

「借りぐらしのアリエッティ」公開のこの夏、ジブリを〈耳〉で感じてみない?

 


(C)2010 GNDHDDTW

 

いまや国民的アニメとなったスタジオジブリの名作たち。アニメを観ていなくても主題歌は知ってる、なんて人も多いに違いない。これまでジブリは、都はるみ、加藤登紀子、矢野顕子、上々颱風といったヴェテラン・シンガーから、木村弓、米良美一、セシル・コルベルのように隠れた逸材まで、歌謡曲、クラシック、ワールド・ミュージックなどジャンルを越えてさまざまなミュージシャンを起用してきた。それはひとえに、ジブリが作品のイメージを重視したサントラ作りを常にめざしてきたからだ。

例えばジブリ作品には、サントラとは別に〈イメージ・アルバム〉が存在するが、これは音楽に詳しい高畑勲(宮崎駿と共にジブリを支える演出家)が考え出したもの。まず、作曲家に作品に関する音楽としてイメージ・アルバムを制作してもらい、それを元にさらに監督と作曲家が話し合ってサントラを制作していく。そうやって段階を踏むことで、音楽とドラマはより一体感を増すというわけだ。また、ジブリにおける宮崎作品のサントラを担当してきた久石譲は、企画の初期段階から参加して宮崎と物語の世界観を作っていき、時には音楽がドラマに影響を与えることもあるらしい。それくらい、ジブリ作品にとって重要な役割を果たしてきたサントラ。それはまぎれもなく、耳で感じるジブリ作品だ。

 

▼関連盤を紹介。

左から、「借りぐらしのアリエッティ」のイメージ・アルバムとなるセシル・コルベル『Karigurashi 〜借りぐらし〜』(YAMAHA)、ジブリ作品の主題歌集『スタジオジブリの歌』(スタジオジブリ/徳間ジャパン)