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TRUTH & SOUL

連載
360°
公開
2010/11/22   13:22
更新
2010/11/22   13:23
ソース
bounce 326号 (2010年10月25日発行)
テキスト
文/出嶌孝次

 

トゥルース&ソウルの炎は燃え続ける

 

ダップトーン~ダップ・キングスの認知も定着してきたようだが、今度はその好敵手たるブルックリンのプロダクション/レーベル=トゥルース&ソウル(以下T&S)周辺が騒がしくなってきた。そもそもT&Sの前身は、フィリップ・リーマンが99年に設立したソウル・ファイア(以下SF)となる。詳細は昨年7月号のダップトーン特集をご覧いただきたいが……リーマンとガブリエル・ロスによって96年に設立されたデスコがダップトーンとSFに分裂したわけで、つまりはT&Sも元を辿ればダップトーンに近い音楽性や人脈を有しているのだ。

が、ラテン・エクスプレスやアフロ志向のレナーなどサブ・レーベルも抱えてロウなファンクを追求したSFは数年で閉鎖してしまう。そんななか、SFのサウンド面を支えたジェフ“ダイナマイト”シルヴァーズとレオン・ミシェルズがリーマンの助力も得て2004年に立ち上げたのがT&Sである。ミシェルズの率いるレーベルの母艦バンド=エル・ミシェルズ・アフェアにはアンティバラスのニック・モヴションや、ダップ・キングスでも活躍するホーマー・スタインワイス&トーマス・ブレネックらの演奏家が集結。着実にカタログを厚くしながら、ここ最近はヴァーヴのリミックス企画やアデルへの楽曲提供、そしてアロー・ブラックの全面制作など、シルヴァーズ&ミシェルズを軸とするプロデュース・チームとしてもT&Sは新章を開きつつある。フェノメナル・ハンドクラップ・バンドに加入したモヴションや、マーク・ロンソンの共同制作者として欠かせないスタインワイス&ブレネックの活躍も含め、いまのT&Sからは目が離せないのだ。

 

▼トゥルース&ソウルの作品を紹介。

左から、このたびリイシューされたリー・フィールズの2002年作『Problems』(Soul Fire/Truth & Soul/OCTAVE)、2006年のコンピ『Fallin' Off The Reel Vol. 1』、2007年のコンピ『Fallin' Off The Reel II』(共にTruth & Soul)

 

▼関連盤を紹介。

左から、2008年のコンピ『Verve Remixed 4』(Verve)、アデルの2008年作『19』(XL)、フェノメナル・ハンドクラップ・バンドの2009年作『The Phenomenal Handclap Band』(Friendly Fire)、ライクの2010年作『Release Me』(Geffen)