無料配布EPや、数々のライヴ・イヴェントへの出演によって各方面から注目を集めてきた彼らが満を持してリリースするファースト・アルバムは、2010年最大級の衝撃作といっても過言ではないだろう。アゲアゲなディスコ・ビートをバックにオートチューンを効かせたヴォーカルがキャッチーなメロディーを歌い上げたかと思えば、突如ブルータルなギターが地を揺らし、激烈なブレイクダウン/モッシュ・パートへとなだれ込む。〈パラララ♪〉と鳴り響くシンセのサウンドと〈ヴォー!!〉というデス声、天翔ける美旋律と凄絶なスクリーム……それらの相反する要素をカオティックに撒き散らすのではなく、圧倒的なスピード感と耳馴染みの良いメロディーでまとめ上げるセンスとテクニックは、見事と言うほかない。〈レイヴmeetsメタル〉を標榜するUKのエンター・シカリや、アタック・アタック! にコブラ・スターシップなどのUSエモトロニカ勢との同時代性を分析してみたり、スクリーモやメタルコアの進化の歴史を振り返ってみたり、先駆者であるFACTやCROSSFAITHらとともに彼らが今後切り拓くであろうジャパニーズ・ラウド・ロック・シーンの未来を想像してみたり……そういった色々なことを考えるのももちろん楽しいが、まずは頭をカラにして、アルバム・タイトル通りに〈踊って叫ぶ〉こと、それだけで十分だろう。すべてはそこから始まるのだ。