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プラスティック トゥリーの名盤夜話(第9回)

連載
皿えもん
公開
2011/11/01   20:30
更新
2011/11/01   20:30
テキスト
文/有村竜太朗(Plastic Tree)

アーティストが各テーマに沿ったお皿(CD)を紹介する連載! プラスティック トゥリーは、メンバー4人が交代で今昔名盤夜話をお届けします。第9回の担当は有村竜太朗!!

 

 

[ 今月の夜話盤 ] THE CURE 『Show』 Fiction



どうも。有村竜太朗です。
Plastic Treeというバンドで歌とかギターとかしてます。よろしくお願いします。

今回、この場でご紹介させていただくのは、
キュアーというバンドの『Show』というライヴ・アルバムです。

キュアーのたくさんある音源のなかで何故、このアルバムを選んだかというと、
私事ではありますが、いまとてもライヴをしたい感じな金曜日の夜なので、
そんな視点から選ぶのも一興かと思いまして選んだほにゃららです。

本題です。

1曲目“Open”は、なんか会場に着いて扉を開けたような、
初めてこんな場所に来た、というような気分にさせられます。

そんな不可思議なドキドキ感から、歓声を聴いてふとわれに帰ると、
2曲目の“High”のイントロで思考がぜんぶマーブル模様に。
ぐにゃりといきます。あとはもうだいたい溶けていきます。

3曲目の“Pictures Of You”にもなると、
聴いているそこはもう、とても素敵な知らないどっかです。

とまぁ、こんな感じで言い出したらきりがないし、
だいたい同じようなことしか言えないんでこのへんでやめるんですけど、
ほんとうに気持ち良すぎて困った音です。あー困るなぁ。

これを何度も聴いていると、俺はまだ一度もキュアーのライヴを観ていないのに、
自分のなかで勝手に行ったことがあるような、
そんな錯覚に陥るほどの、まるで〈その場〉に触れるような非現実感です。

音のみで研ぎすまされていく緊張感のなか、
そこでステージを眺めて拍手を送る誰かになったり、
時には奇声をあげるロバ男さん(ヴォーカルのロバート・スミス氏)本人になったり。
あくまで気分ですけど。
ただそんなライヴ音源、なかなかないし。あー困るなぁ。

好きすぎるものというのはどうにも自分の思っている良さをいまいち伝えられないもんなんですが、
俺がこれを聴いていつも思うのは、ライヴって本当に奇跡みたいな夜なんだってこと。
そんな使い古されて埃を被ってるような言葉をなんか信じ切ってしまいます。
そんなアルバムなんです。俺にとっては。あー困るなぁ。

というわけで14曲目“End”です。


追伸。

『Show』はDVDもあります。
これも群を抜いて素晴らしいのですが、まずはCDから聴くのをお勧めします。
自分だけの理想的ライヴ空間を妄想してみましょう。

あと『Paris』も良いです。
いつかライヴを観てみたいと。想い焦がれてTHE CURE。


▼文中に登場した作品

PROFILE/プラスティック トゥリー

 

有村竜太朗(ヴォーカル)、長谷川正(ベース)、ナカヤマアキラ(ギター)、佐藤ケンケン(ドラムス)から成る4人組ロック・バンド。11枚目のアルバム『アンモナイト』を掲げた秋ツアーを終えたばかりの彼らですが、そのファイナル・両国国技館公演の模様を収録したライヴDVD「Plastic Tree Tour2011 アンモナイト(大)(仮)」(J-ROCK)のリリースが決定! また、〈TOUR2011「アンモナイト(大)」~亜細亜編~〉として11月の香港公演、12月の台湾公演、そして年末恒例イヴェント〈Plastic Tree年末公演~水曜スペシャル・木曜スペシャル~〉やフェスへの出演など、続々と今後のスケジュールが発表されています。そんな4人の最新情報についてはオフィシャルサイトをご覧ください。


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