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劇団☆新感線「シレンとラギ」

カテゴリ
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公開
2013/09/18   18:00
ソース
intoxicate vol.105(2013年8月20日発行号)
テキスト
text:上村友美絵(渋谷店)


gkishine



歪んだ愛に翻弄され、憧れから憎しみに変わるとき…“愛はコロシアイ”

チケットが取りづらい「劇団☆新感線」の人気舞台を映画館で大勢の人に楽しんでもらおうという「ゲキ×シネ」。生の舞台も良いけれど、出演者の顔が間近ではっきり堪能できるのが魅力の一つ。シリーズ第11弾は2012年、藤原竜也と永作博美のダブル主演で上演された、いのうえ歌舞伎「シレンとラギ」。新感線ファンからも、出演を熱望されていた藤原竜也が待望の初参加です。

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 暗殺者の一族に生まれた伝説の女シレン(永作博美)とシレンに憧れ恋心を抱き、何事にも一途であるがゆえに翻弄されていく若き剣士ラギ(藤原竜也)。

南北朝時代をベースに、ギリシャ悲劇「オイディプス王」のエッセンスを盛り込み、現代の社会情勢をも練りこむ。分断された2つの国の陰謀に巻き込まれる男女の悲恋、そして運命。各登場人物がそれぞれに個々の運命に揉まれる姿、ドロドロに交錯する想いがありのままに描かれていきます。脇を固める個性的なキャラは、引き付ける魅力にあふれ、濃厚で重厚。この壮大なストーリー、新感線らしいダイナミックな殺陣、シリアスな中にも笑いも忘れない、極上のエンターテイメントなんです!
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ラギの“恋することで傷つき”、“憎しみあうことで絶望する”、運命に翻弄されながらも小さな希望の道を見出していく。怒りに狂い、愛に悩む姿は本当に痛々しい。でも、これが藤原竜也らしい魅力なのかも。激しく苦悩する役に真っ向から対峙し、もがきながら乗り越えようとする力強いパワーに溢れているから。宿命を受けいれ、迷いながらも自分の道を突き進む、永作博美。芯が通った女性は強くて美しい。高橋克実のカリスマ性は強烈!声のトーンから感じる凄み、体から放たれるオーラはまるで教祖様。意味不明な教義も意味があるように思えてしまう。自分の野望のためにコロコロと寝返る古田新太、心が壊れ狂乱していく変貌っぷりはさすが。さらには劇団員たちのはじけかたもステキです。希望のあるラストまで、一秒たりとも目が離せません!



ゲキ×シネ10周年記念作品・第1弾!劇団☆新感線「シレンとラギ」
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:藤原竜也/永作博美/高橋克実/三宅弘城/北村有起哉/石橋杏奈/橋本じゅん/高田聖子/栗根まこと/古田新太/他
http://www.shiren-to-ragi.com/
配給:ヴィレッヂ/ティ・ジョイ (2013年 日本 171分)
◎10月5日(土) 新宿バルト9他にて全国ロードショー!