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『グローリー/明日への行進』を観る前に知っておきたいとこ&凄いとこをチェック!

『グローリー/明日への行進』を観る前に知っておきたいとこ!

・非暴力とデモ行進を通じて、世界を変えた力強くもあり、リアルな感動のストーリー

・この映画の舞台は、キング牧師がノーベル平和賞を受賞した翌年のこと

・映画の舞台は、差別が特にひどく、まさかの、当時の州知事自身も極端な隔離推進派

・当時、黒人に選挙権は認められていたものの、その後100年近く、黒人の選挙権は妨害されていた。

・映画の中では、キング牧師も30代半ばの男性のひとり。聖人や偉人として描くだけではなく、夫で父である葛藤も見事に描写しているところにも注目。

・そして、ヘイトクライムと、警官らによる不必要な暴力からの黒人犠牲者のニュースは今もなお続く。そう、映画の世界での悲劇は、今現在、実際アメリカで起こっている出来事!

・映画で流れる音楽にも注目!当時の時代背景を表した選曲になっています!

(タワーコード)

〈杏レラトのもっと深堀り!〉マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師のアラバマ州セルマでの戦いを描いた『グローリー/明日への行進』。アラバマはアメリカの深南部に属し、特に差別が辛辣だった土地柄で、アラバマ州知事ジョージ・ウォレス(映画ではティム・ロスが演じている)が差別的な人だったのである。この映画ではキング牧師とジョージ・ウォレスの間に挟まれたジョンソン大統領(トム・ウィルキンソン)の苦悩も描かれているが、やはり主役は逮捕されようが行進を続けたキング牧師とその周辺の人々で、多くの人々と団体がキング牧師を支えた。よって映画では登場人物が多くて何かと分かり難い部分も多々ある。そこで関係者と関係組織をまとめてみると

*SCLC(Southern Christian Leadership Conference:南部キリスト教指導者会議)
キング牧師が議長。キング牧師の右腕で刑務所でもいつも隣にいたラルフ・アバーナシー(コールマン・ドミンゴ)がキング牧師死後に議長に就任。後のジミー・カーター大統領時代に国連大使に就任したアンドリュー・ヤング(アンドレ・ホランド)などもこの団体に所属。ジェームス・バベル(コモン)は、元々はSNCCのメンバーだったが、このセルマよりもちょっと前にSCLCのポストに就いている。

*SNCC(Student National Coordinating Committee:学生非暴力調整委員会)
1960年にノースカロライナのグリーンズボロで起きた黒人学生による座り込み運動(シットイン)に影響され学生たちで結成された団体。この映画の中ではジェームス・フォアマン(トレイ・バイヤーズ)とジョン・ルイス(ステファン・ジェームス)が所属。ジョン・ルイスは現在アトランタで米国下院議員を30年近くしている。

*NAACP(National Association for the Advancement of Colored People:全国有色人種向上協会)
一番の老舗である黒人団体で、今でも効果的な活動を続けている全米各地に広がる巨大団体。この映画ではジョン・ルイスと共に一番最初のセルマでの行進を率いたホゼア・ウィリアムス(ウェンデル・ピアース)が在籍していたが、ウィリアムスは後にSCLCに移籍し、このセルマの運動に参加している。

『グローリー/明日への行進』の凄いとこ!

・この作品は、キング牧師初の長編映画!

・ゴールデングローブ賞では、作品、 男優、監督賞でもノミネートされ、アカデミー作品賞ノミネートにして、アカデミー、ゴールデングローブ主題歌賞W受賞作品!

・キング牧師を演じる、デヴィッド・オイェロウォは7年間も役作りに費やしその演技は鳥肌モノ!!

(タワーコード)


〈杏レラトのもっと深堀り!〉キング牧師の映画権利関係は複雑だ。キング牧師の夫人であるコレッタが生前の頃には夫人が遺産などの権利を管理していたが、夫人他界後は3人の子供(長女ヨランダは2007年に他界)が管理している。スティーブン・スピルバーグ監督が自分でキング牧師の自伝映画を制作の為に2009年にキング牧師のスピーチの著作権を取得。そして遺産管理の3人の子供たちが揉めてしまって複雑化しているのが現状。この映画も『キャプテン・フィリップス』のポール・グリーングラス監督がキング牧師が暗殺された地『メンフィス』というタイトルで長年温めていたが、遺族の反対に遭い実現しなかった。映画制作会社が諦めずに『セルマ』と変更し、監督をエヴァ・デュヴァネイ監督に決定。監督は、一番難しいキング牧師のスピーチ権利も言葉を変える事で見事にクリアさせてみせ、黒人ご意見番の大物オプラ・ウィンフリー(アニー・リー・クーパー役で出演も)を味方につけて遺族を納得させ、トントン拍子で完成まで漕ぎ着けてしまった。
キング牧師にとってセルマでの戦いはほんの一部に過ぎないが、この映画で描かれる1964年から65年はキング牧師にとっての時代の変わり目でもあった。まだ30代半ばであったキング牧師という男性が何を考え、どのように行動したのか?この映画では牧師としてのキング牧師と、一人の男性そして一人の父親としてのキング牧師の苦悩や偉業を見事に映し出しているのだった。

『グローリー/明日への行進』の時代背景を感じれるおすすめ映画

セレクション:杏レラト

杏レラト(ブラックムービーライター)
ブラックムービー情報サイト、blackmovie-jp.com運営。その情報量は他の追随を許さない確かなもの
映画『グローリー』に出てくる団体の説明と、実際の活動家と出演者のまとめ的な記事もアップしています!
http://www.blackmovie-jp.com/selma/selmaking.html

 

『グローリー/明日への行進』と同じ、アメリカ南部が舞台となっている映画を中心にピックアップ。『グローリー/明日への行進』の鑑賞前後に観るとさらに面白さが増すことうけあい。そのほか、キング牧師と同時代に活躍した指導者の名作、『グローリー/明日への行進』の根底にある、“差別”を題材にした作品、ほか、黒人の歴史を紐解く大作などを選んでいます。

『Malcolm X / マルコムX (1992)』

キング牧師とは対等していたが、同じ時代を駆け抜けた偉大な指導者の両方を知るべきである。スパイク・リーの渾身の時代を変えた作品。日本未公開だがスパイク監督がアカデミー賞にもノミネートされた『4 Little Girls』も必見で、『グローリー』でも描かれた教会爆破で亡くなった4人の少女のドキュメンタリー。

『The Express / エクスプレス 負けざる男たち (2008)』(取扱いなし)
大学アメリカンフットボールが舞台。映画界でも活躍するジム・ブラウンの後輩がこの映画の題材となっており、スポーツ界での差別との格闘を描いている。

『Eve's Bayou / プレイヤー/死の祈り (1997)』(取扱いなし)
公民権運動の波を感じさせないが、こちらも60年代の南部が舞台で一風変わった面白い作品。

『A Soldier's Story / ソルジャー・ストーリー (1984)』(取扱いなし)
人気舞台の映画化。第2次世界大戦時と、時代は公民権よりも先になるが、南部に配属された黒人軍人が白人過激組織クー・クラックス・クランに殺された可能性があると捜査する社会派作品。若きデンゼル・ワシントンがキーパーソンとなっている名作。

『In the Heat of the Night / 夜の大捜査線 (1967)』
『Mississippi Burning / ミシシッピー・バーニング (1988)』
白人側の主観だけで人種問題が描かれては居るが白人側にも色々居て、その彼等の意識を見て知るのに丁度いい作品

『The Help / ヘルプ ~心がつなぐストーリー~ (2011)』
NYタイムズ紙書籍ランキングNo.1のベストセラー小説を、実力派女優たちが見事なアンサンブルで織り成し、アカデミー賞(R)助演女優賞をはじめ、全米の映画賞を席捲した感動の物語。

『Roots / ルーツ (1977)』
公民権運動だけでなくアフリカ時代から遡っているので、シリーズ全部をこの際だから見て欲しい。

『ヘアスプレー』
本来ならばオリジナルのジョン・ウォーターズ版をおススメしたい。真面目に描かれるこの時代の人種問題だが、この作品だけは明るくコミカルに描かれている

 

 

タグ : 勝手に!?映画祭

掲載: 2015年05月21日 13:08

更新: 2015年09月09日 14:00