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私の「1990年代ロック名盤」(渋谷店)

87年生まれなので、リアルタイムで聴いていたアルバムはほぼ無いですが、20歳ぐらいのときにまだデジタル配信もないので、必至になってCD買って色々聴いていたことを思い出しながら選盤。当時聴いていよりも、今聴いてほしいアルバムをセレクトしたので、どことなくドリームポップっぽいのが多いですが、ここ5年の私的な気分が強めです。そんななか久々に聴いたPJハーヴェイ「Rid Of Me」がめちゃくちゃロックで痺れました。90年代のインディ~オルタナティヴが現在のシーンに与えた影響は計り知れないと改めて実感。

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渋谷店/武田 晃
ポストパンクとフランス映画とラーメン二郎ともつ焼きが好き。最近の趣味は筋トレとヘルシー料理。

 

Stereolab『EMPEROR TOMATO KETCHUP [Expanded Edition](金曜販売開始商品/RM)』

ジャンルが多様化し実験的なバンドやよりオルタナティブなバンドも現れ、多様化した90年代に置いて実験的なサウンドプロダクトでポップミュージックを作り上げた異色のバンド。根底にあるのはクラウトロックやニューウェーブ、それからラウンジミュージックにフレンチポップ。これら実験的なサウンドをベースに全てを合わせたとき不思議なまでにポップなグルーヴを奏でる。彼らが後続に与えた影響はあまりに大きくも、まだ彼らを越えるバンドがいないという事実も。今聴いてもとても90年代のバンドとは思えないはず。


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Elliott Smith『Either/Or』

この特集記事を気になって頂き、これまでとは違う視点で90年代のロックを聴きたいと思っているなら、エリオット・スミスはもちろん知っている方がほとんどだと思うけど、この一枚だけは必ず聴いてほしい。初めて聴いたとき何故かは分からいけど、初めて聴いたような感覚じゃなかったのを鮮明に覚えている。そっと耳元で囁かれているような感覚の唄、まるで友達の家で聴かされているようなシンプルなギターには、すごく身近に感じるなにかが。オルタナティブロックが進化していた90年代後半。エリオット・スミスだけでなく実はこういった作品が多く、確かに輝きを放っていたのは忘れてはいけない事実。


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Sonic Youth『GOO(+4/SHM-CD)』

80年代後半のUSインディシーンを担った巨頭のメジャーデビュー作であり、その後続くニルヴァーナ、パールジャム、ダイナソーJr等オルタナティブロックがメインストリームに躍り出ることとなるきっかけを作った重要作。僕自身ジャケがカッコイイという理由のみで、初めてのソニック・ユースがこのアルバムだった為、思い入れもあり。メジャーデビュー作だからなのか商業的に成功を狙ったかなのか。このアルバム他の他のどのアルバムよりも聴きやすい。それでいてノイジーで実験的なロック要素も健在な、そのバランスはお見事。その中でもオープニングの“Dirty Boots”は今でもクールなロックのお手本のような名曲。


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Portishead『ダミー(SHM-CD)』

当時マッシヴ・アタックとともにブリストルからロック~ヒップホップ~ソウル~ジャズ~ダヴ等のジャンルを超え“トリップポップ”と称されサウンドを生んだ彼らのデビュー作。当時はクラブミュージックとしてカテゴライズされることが多かったのは承知の上でのロック編選出。今でも洋楽新作の店頭POPを書いているとき、僕の好きな傾向からしてロマンティック、耽美、退廃的、非現実的、幻想的…なんて抽象的なワードが出てくることが多いけど、このアルバムにはそのワード全てが当てはまる。ジャンルの壁は無く、どこか抽象的。それこそがトリップポップなのでは。


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Spiritualized『宇宙遊泳 <初回限定盤>(LTD)』

スペースメン3として活動したジェイソン・ピアースによるバンドの3作目。邦題『宇宙遊泳』の名の通り、壮大な宇宙を旅するスペースロック不動の最高傑作。その実態はスペースメン3としてサイケデリックロックを極めた男のゴスペル、ロックンロールへの愛が溢れた感動の旅。独特な浮遊感がまるで宇宙空間を彷徨っているような感覚は、初めて聴いたときから、今久々に聴いているこの瞬間もうっとりしてしてしまうほど美しいもの。今、宇宙旅行なんて言ったらまだ夢のような感じはするけど、この一枚があれば宇宙はずっと身近なものなのかもしれない...いや、宇宙まで届くかもしれない。そんな錯覚も覚える名作。


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Cocteau Twins『Heaven Or Las Vegas(RM)』

元祖ドリーム・ポップと呼ぶべき90年の名作6th。長年在籍し、耽美系とも言われる、そのレーベルカラーを彩った〈4AD〉からの最終作。初期の退廃的でダークな印象は排除し、より空間的でカラフルとなったギターの浮遊感、天使の声とも言われるエリザベス・フレーザーの唄声による壮大なサウンドスケープは、まさに天国まで登るような現実離れした美しさと高揚感。名門〈4AD〉作品の中で、実はここまでポップであり、極彩色なアルバムは異色であるにもかかわらず、間違いなくレーベルを代表する1枚。これが最後というのも感慨深い。


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Cat Power『Moon Pix』

ソニック・ユースのスティーヴ・シェリーにその才能を見出され、オルタナシーンから現れた異色のSSWとしてその名を広めたのブレイク作となった4作目。エンジェル・オルセンやジュリアン・ベイカー、ビッグ・シーフ(エイドリアン・レンカー)等々、現在では当たり前のように女性SSWがオルタナシーンから台頭しているけど彼女はその先駆けとも言える存在。だからこそ思うのは当時リアルタイムで聴いていた訳ではないけど、これまであった既存の所謂SSW作とは、何か違うオルタナティブ~インディの感覚や精神が作品には宿っているように。あまり言われることは無いけど、この感覚が後世に与えた影響は大きいのでは。


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Mazzy Star『Among My Swan』

個人的には90年代一番好きなアルバム。カントリー~フォークをベースとしながらサイケデリックロックともドリームポップとも言えるようで、なんだか違うノスタルジックなバンドサウンド、そしてUSインディシーンの秘宝とも言われるホープ・サンドバルの妖艶であり無垢な少女のような歌声には、なににも変えようが無い魅力が。オープニングの“Disappear”2曲目“Flower in December”で目の前が懐かしの故郷に代わるような不思議な感覚。2020年惜しくも片割れであるデヴィッド・ロバックの死により、もう新たなサウンドを聴くことも、ライブも見ることもできないのは残念な限り。


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PJ Harvey『Rid Of Me』

現在もインディシーン孤高のカリスマとして、その独自の世界観を見せつける才女。プロデュースにスティーブ・アルビニを迎えた2作目。昨今の彼女のアーティスティックなロックを越えたアートサウンドとは打って変わって、初期衝動的なインパクトをロウでアグレッシヴに爆発させる正真正銘のオルタナティブロック。僕自身これを初めて聴いたのは15年ほど前だったけど、実は音数が少なくグルーヴも不安定なのに鋭利で攻撃的なサウンド、自然体でありながら野生的に個性を爆発させるPjハーヴェイには何度も痺れたもの。現在の活動も含めて大好きアーティストの一人。


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Slowdive『Souvlaki』

90年代の音楽シーンを感動的に彩ったシューゲイザーシーン。そのシューゲイザーシーンにおいて、マイブラ等と共に四天王と呼ばれた一角。四天王から1枚を選ぶなら僕は間違いなくこの一枚。胸をギュッと締め付ける切ないメロディと唄、そこに怒涛のように押し寄せるメランコリックで爽快なギターが産む高揚感は何時聴いても感動必至。なかでも名曲中の名曲“Alison”には何度涙した事か…。2014年の再結成以降、新作リリース、3度の来日等もあり、個人的にも思い入れの強い一枚。


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タグ : タワレコ名盤セレクション

掲載: 2020年05月27日 09:42

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