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現代最高峰のエフェクター・ウィザード、ダスティン・ウォングのソロ新作が完成

現代最高峰のエフェクター・ウィザード、ダスティン・ウォングのソロ新作が完成

2011年、ニュー・アルバムをリリースしたものの未だ活動を休止中の「ボアダムス+アニマル・コレクティヴ」とも称されたボルチモアの名アヴァン・ロック・バンド、ポニー・テイルのギタリストで、元エクスタティック・サンシャインのメンバーであダスティン・ウォングが<Thrill Jockey>に移籍して、第2弾となるソロ4作目を完成!

前作『Infinite Love』はジョン・フェイヒーの「私はギターを弾いていたが、頭の中ではオーケストラを聴いていた。つまり私はフル・オーケストラのために作曲していた」という発言にインスパイアされたもので、まさに一人ギター・オーケストラさながらのミニマルでカラフルなものだった。そしてPonytailのサウンドの独創性を彼が担っているということを再確認させられた。

これまで数度の日本でのパフォーマンスですでにお馴染みであるが、多数のエフェクター、フットペダルを足元にならべ、ディレイ、ループな等様々なエフェクトを駆使し、リアルタイムで幾重もの音色を重ね合わせ、リズミックなアクセントを交えながら、ミニマルで重厚でカラフルな音のレイヤーを描き出していくのが彼の演奏スタイルだ。もちろん本作『Dreams Say, View, Create, Shadow Leads』も手法自体は同じもので、サウンドもその延長線上であるが、さらにリズミック/コズミック且つエモーショナルにスケールアップしており、その万華鏡のようなサウンドはまさにこの新作でひとつの極みに達したと言える。

収録曲は16トラックに分かれているが、全体は流れるように繋がっている構成で、ひとたび再生すれば否応無しに引き込まれる。五月雨のようにギター・フレーズが降り注ぐ6曲目「Toe Tore Oh」や、後半にかけて劇的にエモーショナルな展開を迎える13曲目「Evening Curves Straight」、そしてプリミティヴなヴォイスにハッとさせられる最後のトラック「Diagonally Talking Echo」などは本作のハイライトと言えるだろう。

マーク・マグワイアなどのギター・インストゥルメンタル・リスナーから、エモ~ポストロック、さらにはアンビエント、ミニマル系のリスナーの耳にまでアプローチできる圧倒的完成度。

 

Mark McGuire

オハイオ州クリーブランドの電子音響バンド、エメラルズのギタリストとして注目を集めるマーク・マグワイヤ。エメラルズの活動や本名のソロ名義以外にも、多数のサイドプロジェクトを持ち、膨大な量のリリースを行っている多作なアーティスト。フェネスやツジコ・ノリコを輩出しているオーストリアの<エディションズ・メゴ>レーベルより2010 年にリリースしたエメラルズのアルバム『Does It Look Like I'm Here?』が、ピッチフォークでベスト・ニュー・ミュージックに選ばれる等、世界中のメディアで絶賛されたのをきっかけに、同年、同レーベルからリリースされたマグワイヤのソロ・アルバム『Living With Yourself』も高い評価を受ている。

本作はそんな彼の最新作『Get Lost』。エレキギター、アコースティックギター、ギターシンセサイザーというシンプルなセットで制作された本作は、前作よりもエレクトロニック色が強まり、さらに初めて本人のヴォーカルが取りいれられた、新たな魅力と完成度の高さを感じさせる意欲作に。マニュアル・ゲッチングの「E2-E4」にダイナミックなファズギターを合体させたような、疾走感溢れる壮大なタイトル曲「Get Lost」に始まり、サイケデリックな浮遊感や牧歌的なフォーキーさを孕んだサウンドに、センチメンタルなメロディーを溶け込ませる絶妙なギターワークからは、ギタリストとしての幅広い才能をひしひしと感じます。

タグ : UK/US INDIE

掲載: 2012年01月19日 11:45