ダーティ・スリーが約7年ぶりの新作で帰ってきた
ダーティ・スリーが2005年の前作『シンダー』以来、約7年ぶりとなるニュー・アルバム『トゥウォード・ザ・ロウ・サン』を引っさげ帰ってきた。彼らは1992年にオーストラリアのメルボルンにて結成された。メンバーはウォーレン・エリス(vln)、ミック・ターナー(g)、ジム・ホワイト(ds)の3人。1994年のファースト・アルバム『Sad & Dangerous』以来、これまでに7 枚のアルバムをリリースし、そのロード・ムーヴィ的と評されることも多い、心地よくも奇妙な酩酊感漂う、メランコリックかつ激情的なインストゥルメンタル・ミュージックで世界中に熱狂的なファンを獲得してきた。
そのまさに唯一無二の音楽は多くのミュージシャンをも魅了し、バンドとして、メンバー各人としてニック・ケイヴおよびグラインダーマン、さらにキャット・パワーやPJ ハーヴェイ、ボニー“プリンス”ビリー、ロウ、ホワイト・マジックといったアーティストの作品に参加してきた。2006年には待望の初来日を果たし、ソニック・ユースのサーストン・ムーアをして“世界最高のライヴ・バンド”と言わしめたパフォーマンスで日本のファンを熱狂と感動の渦に巻き込む。また、2012年2月には日本で初のATP のイベント“I' ll Be Your Mirror”にゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラーらとともに出演している。
ニュー・アルバム『トゥウォード・ザ・ロウ・サン』は、結成から20年を経た今もなお、彼らが前進し続けていることを証明している。ミニマルな展開の中にも、彼らにしか醸し出せない叙情を湛えたアルバム・オープナー「Furnace Skies」や、ライヴではおなじみの、エフェクトをかけたウォーレンのヴァイオリンが軋みを上げる「That Was Was」といった新機軸のナンバーから、極上のメランコリーあふれるクロージング・ナンバー「You Greet Her Ghost」まで、徹頭徹尾、ダーティ・スリーの世界。なんと雄々しく、猛々しく、狂おしく、優しく、切なく、雄弁なインストゥルメンタル・ミュージックだろう。真にオリジナルな、真に感動的な音楽がここにある。
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掲載: 2012年03月07日 18:35