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デフ・レパード、『ヒステリア』完全再現ライヴ

Def Leppard

 

ブリティッシュ・ハード・ロックがラスベガスを制圧した夜。1987年に発表、全世界で2,000万枚という空前のヒットを記録したアルバム『ヒステリア』を完全再現した最新プレミアム・ライヴ『ビバ!ヒステリア』が、映像作品/CDとして永遠のものになる。

2013年3月から4月にかけて、ラスベガスのハード・ロック・ホテル&カジノで全11公演が行われたレジデンシー・ライヴ。4,000人収容のコンサート会場『ザ・ジョイント』で行われた名盤再現ライヴは、ラスベガスを訪れたファンだけが見ることが出来たものだ。

1983年、『炎のターゲット』で全世界ブレイクを果たしたデフ・レパードだったが、それに続くアルバム制作は難航。プロデューサーの交代劇やドラマー、リック・アレンの事故というアクシデントにも見舞われ、バンドの存続すら危ぶまれていた。そんなプレッシャーをはねのけて、3年の月日をかけて完成させたのが『ヒステリア』だった。このアルバムは彼らにとって最大の成功作となり、全12曲中7曲をシングル・カット。いずれもヒットするという離れ業を達成している。「ウィメン」「アニマル」「シュガー・オン・ミー」「ロケット」「ラヴ・バイツ」「アーマゲドン」「ヒステリア」はいずれも彼らの代表曲と呼ぶに相応しいクラシックスであり、今日でもその多くがステージ演奏されている。

『ビバ!ヒステリア』と題された今回のライヴでは、それらヒット・ナンバーに加えて「ショットガン」「ラン・ライオット」「エクサイタブル」など、ライヴ演奏されることが珍しい曲もプレイ。さらに前作『炎のターゲット』からの「ロック・オブ・エイジズ」「フォトグラフ」も披露され、約1時間半のハード・ロック・スペクタクルが展開される。

バンドの状態もベストといえるもので、ジョー・エリオットのヴォーカルはスタジオ盤よりもラフでパワフル。フィル・コリンは鋼のような肉体とギター・サウンドで魅了する。この公演の後にリンパ腫が発見されるヴィヴィアン・キャンベルだが、そのギター・プレイはまったくその予兆を感じさせないものだ。リック・サヴェージのベース、リック・アレンのドラムスは、バンドのタイトなボトム・エンドを支えている。

1987~88年の『ヒステリア』北米ツアーは会場アリーナの中央にステージを設置、360度周囲から観客が取り囲むという“イン・ザ・ラウンド”ステージが話題を呼んだ。今回は通常のロック・コンサート形式のステージ配置だが、背後に映写されるヴィジュアル・イメージ、メンバーと観客が同じ空間を分け合う長い花道など、さまざまな工夫が凝らされている。

さらに本作には、各公演でバンド自らが“別人格バンド”デッド・フラットバード(バンド名をもじったパロディ)を名乗って行ったステージも収録。『ビバ!ヒステリア』ショーの“前座”として行われたライヴでは「グッド・モーニング・フリーダム」「ウェイステッド」などの初期ナンバーから、ライヴ作『ミラーボール』(2011)に追加収録された新曲「アンディフィーテッド」まで、新旧取り混ぜた、レアなサプライズを含む楽曲をプレイ。あくまで“別人格”であることを主張するためにメンバー達がグラム・ロック風コスチュームを着込み、芸名を名乗っているのが面白い。

彼らは通常の演奏曲目に戻ってヨーロッパ、アメリカ・ツアーを敢行。さらにジョーとマット・ソーラム/ダフ・マッケイガン(元ガンズ&ローゼズ)、グレン・ヒューズ(元ディープ・パープル)とのスーパー・プロジェクト、キングス・オブ・ケイオスが始動、ヴィヴィアンも古巣ディオの仲間たちとラスト・イン・ラインを結成、『ラウド・パーク 13』出演が決定するなど、2013年も話題の尽きないデフ・レパード。1987年から四半世紀を経て、『ビバ!ヒステリア』はノンストップで走り続けてきた彼らの記念碑的作品だ。

【ミュージシャン】
ジョー・エリオット (ヴォーカル)
フィル・コリン (ギター)
ヴィヴィアン・キャンベル (ギター)
リック・サヴェージ (ベース)
リック・アレン (ドラムス)

 

 

タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)

掲載: 2013年08月12日 15:12