ソニー“レガシー・レコーディング”第3弾:HR/HM編
不滅の名盤・偉大なる音楽遺産を未来へつなぐ「レガシー・レコーディング」第3弾は、ハード・ロック、ヘヴィ・メタルの名盤30タイトル。
■ソニー“レガシー・レコーディング”第2弾:80年代名盤編
■ソニー“レガシー・レコーディング”第1弾:名盤100選
◆おすすめアイテム
Ozzy Osbourne『月に吠える』
ランディ・ローズの後任として元ラット~ラフ・カットのジェイク・E・リーを迎えてリリースされた3作目のオリジナル・アルバム。そのリーの派手なプレイを中心とした華やかなサウンドが受け、全英24位、全米では19位にチャート・イン。タイトル曲や「ソー・タイヤード」はシングル・ヒットも記録した。狼男に扮したジャケットのインパクトさながらに"ヘヴィ・メタルの帝王"たるオズボーンの圧倒的な存在感が示された作品。(1983年作品)
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Judas Priest『背徳の掟』
84年作品。世界中のプリースト・マニアにヘヴィ・メタルを布教していた彼らが"信念を保て"とのメッセージ警告を発しながら、自らの原点への帰着に徹した名盤。大ヒットを記録した前作から引き継ぐ様式美探求はさらに深まり、メンバー間に充満するエネルギーを惜しみなく発散させるべく、約2年という長い制作期間を費やし、唯一無比のジューダス・プリーストのサウンドを完成させた。自信と余裕、充実した楽曲群、そして彼らの美学がアルバムを貫く。人気曲「フリーホイール・バーニング」「ザ・センティネル」(死の番人)、「サム・ヘッズ・アー・ゴナ・ロール」(叛旗の下に)収録。日本でのみ発売が実現した2011年リマスター盤。
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Scorpions『電撃の蠍団~フライ・トゥ・ザ・レインボウ』
ドイツを代表するハード・ロック・バンドがRCAに移籍して発表した2作目。ウルリッヒ・ロートのテクニカルなギターを前面に押しだしたハード・ロック・サウンドがその後の彼らの方向性を決定づけたと言えるアルバム。ハードでありながらもヨーロッパ特有の陰りと叙情性を併せ持つという初期スコーピオンズの魅力は「フライ・トゥ・ザ・レインボウ」などですでに開花しており、そうしたスタイルは次作で確立されることになる。(1974年作品)
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Ozzy Osbourne『トリビュート~ランディ・ローズに捧ぐ』
飛行機事故により25歳の若さで帰らぬひととなったランディ・ローズへの追悼の想いが込められたライヴ・アルバム。ローズ在籍時の1980年のサウスハンプトンでのショウと81年のカナダ・ツアーの模様が収められている。ライヴならではアグレッシヴなプレイが堪能できる本作は全英13位、全米6位を記録した。ラストの「ディー(ランディ・ローズ・スタジオ・アウト・テイク)」ではローズの貴重な肉声も聞くことができる。(1987年作品)
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Rainbow『孤高のストレンジャー』
ディープ・パープルをツアー中に脱退後、1984年以来活動を停止していた「レインボー」の名を冠したソロ・プロジェクトを再開させたリッチー・ブラックモア。ビッグ・ネームではないものの手堅いプレイを聴かせるメンバーに支えられ、ディープ・パープルでは成し得ることが出来なかったサウンドを追求し、ロック・ギタリストとしての才気みなぎる作品となった。商業的には大きな成功を得られなかったが、隠れた名盤としてのファンの評価は高い。この後、ブラックモアズ・ナイトを始動させるキャンディス・ナイトも参加。(1995年作品)2006年リマスタリング
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Judas Priest『復讐の叫び』
82年作品。精力的にツアーを行ない、バンドにとって初のプラチナ・アルバムを獲得する事になった通算10枚目のアルバム。ヘヴィ・メタルの歴史に残るオープニングで、究極の様式美サウンドと称された「ヘリオン」~「エレクトリック・アイ」、大ヒット・シングル「ユーヴ・ガット・アナザー・シング・カミング」などの代表曲を収録、特に念願だったアメリカでの地位を確立させることに成功したHR/HM史上に燦然と輝く歴史的名盤。世界的にもベスト・セラーだが、特に日本においては80年の金字塔作品「ブリティッシュ・スティール」をも凌ぐ、全カタログ中1、2位を争う人気アルバムである。日本でのみ発売が実現した2011年リマスター盤。
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Survivor『バイタル・サインズ』
2代目ヴォーカリストのジミ・ジェイムソンが新加入して発表された5枚目のオリジナル・アルバム。ヴォーカリストの交代もものともせず本作も全米16位を記録するヒット・アルバムとなった。「キャント・ホールド・バック」「ハイ・オン・ユー」「ザ・サーチ・イズ・オーヴァー」はシングルとしてもチャートを賑わせた。ボーナス・トラックとして映画『ベスト・キッド』の主題歌「ザ・モーメント・オブ・トゥルース」を追加収録。(1984年作品)
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Tommy Bolin『當墓林(魔性の目)』
第4期ディープ・パープルへの参加を経たのちに再びソロ活動を始め、自身のバンドを率いて制作されたソロ第2弾。パープルへの加入でその知名度を高めながらハード・ロックの範疇には収まりきれない多才さをあらためて示した作品。ギタリストとしてはもちろんメロディ・メイカーとしてもその後の活躍が大いに期待されたが、本作発表後のツアー中に麻薬の過剰摂取によって急逝。悲運のギタリストが残したメモリアル・アルバム。(1976年作品)
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Megadeth『キリング・イズ・マイ・ビジネス』
現在ではメタリカ、スレイヤー、アンスラックスらとともにスラッシュ・メタル四天王の一角を担う彼らの記念すべきデビュー・アルバム。当初はインディ・レーベルのコンバット・レコーズからリリースされていた。メタリカのデビュー作に収められていた「ザ・フォー・ホースメン」の原曲である「メカニックス」やナンシー・シナトラのカヴァー「ディーズ・ブーツ」などを収録。インテレクチュアル・スラッシュの原型がここに。(1985年作品)
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Aerosmith『ドロー・ザ・ライン』
本作は77年度作品。5thアルバム。全米最高位11位/200万枚突破。77年1~2月の待望の初来日公演の直後にレコーディング開始。前作で『ロックス』という金字塔的先品を生み出すも、メンバーはドラッグやアルコールに溺れるという最悪の状況の中、半年以上もの長い制作期間と巨額の制作費を投じてようやく完成。シングル・カットされた表題曲の「Draw The Line」(最高位42位)はジョーのスライドが唸る、今もなおライヴ定番曲としてジョーの見せ場になっているエアロの代表曲の一つ。一方でこちらもファンには人気の哀愁漂う「Kings And Queens」(最高位70位)はジョー抜きで録音されるなど、確実にバンド内部が崩壊へと向かっていく中で録音された、危機感と緊張感が全編に漂う作品である。エアロ最初の黄金期の立役者、ジャック・ダグラスによるプロデュース作品はここで一旦終わる。
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タグ : リイシュー ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)
掲載: 2013年10月08日 12:36