クラウト・ロックの伝統+エレクトロの革新性=ザ・ノーツイスト
このバンドの中心はご存知、マーカス・アーチャー。ラリ・プナ(夫婦でのユニット)、13&ゴッド(アンチコンのゼムセルヴスとノーツイストの合体ユニット)、タイド・ティクルド・トリオ(ドイツを代表するポスト・ジャズ・バンド)などで活躍し、90年代以降のジャーマン・シーンを常に牽引してきた人物だが、彼のメイン・プロジェクトがこのザ・ノーツイストである。89年のデビュー以来、これまでに7枚のアルバムを発表し、ヨーロッパでは常にシーンの最先端にいる。彼を支えるのがプログラミング担当のマーティン・グレッチマン。彼もソロ・プロジェクト、コンソール名義で複数のアルバムをリリースしている。
ニュー・アルバムの特徴はマーカスの作曲する独特のメロディと、それに絡んでくる繊細なエレクトロニクス。親交のあるオヴァルの影響も感じさせるが、ベースにあるのは盟友と言ってもいいレーベル、アンチコンにも通じるユーモアのセンスだろう。本作もストレートなインディ・ロック調のナンバーから、フォーク、ジャズ、エレクトロに至るまで、重層的な構造を意識したウィットに富んだなアルバムに仕上がっている。ヨーロッパはもちろん全米でもヒットした傑作、『Neon Golden』にも通じる高い完成度だ。
これまでドイツのシティ・スラング、イギリスのドミノ、自身の主催するエイリアン・トランジスターなどさまざまなレーベルからリリースしてきたが、本作はヨーロッパはシティ・スラング、アメリカはサブ・ポップから、そして日本盤は世界先行でのリリースとなる。このアルバム・リリースを受けて、2013年11月のパステルズとのツアーに続き、2014年から全ヨーロッパでのツアーが予定されている。
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掲載: 2014年02月13日 11:23