ザ・ニュー・ディヴィジョン、2年振りの新作『トゥゲザー・ウェ・シャイン』
南カリフォルニアを拠点に活動するこのバンドはその名の通り、ニュー・オーダーとジョイ・ディヴィジョンをはじめ、デペッシュ・モードなど、様々なエレクトロニック~オルタナティヴ・ミュージックからの影響を受けている。インパクトのある名前ばかりに注目が集まるが、そういった見方を払拭する完成度のアルバムを仕上げた。
トランス、プログレッシヴ・ハウスなど、あらゆるエレクトロニック・ダンス・ミュージックのエッセンスを吸収・消化したトラックに、持ち味の低音からファルセットまでを操る巧みなヴォーカリゼーションとポップ且つ捻りの効いたソング・ライティングに乗せて、躍動感とエモーションに満ちたサウンドが展開される。よく比較されるM83にも共振するサウンドで、カラフルで重層的なシンセのレイヤーを核に、アグレッシヴなリズムやギターを走らせビルドアップしていくコンビネーションは見事だ。
かなりの音が攻撃的に詰め込まれているが、ヴォーカルとのバランス感は絶妙で、アッパーでダンサブルなテイストと、アンセミックな高揚感が同居している。曲調もただ疾走するだけでなく、メロディアスな展開も垣間見せ、アルバム全体を通して聴き手を引き込んでいく。これまでの作品以上にヴァラエティに富んだ内容となっている。また、本作にはザ・キラーズのデイブ・キューニングが「Smile」にギターで参加しているのを始め、前EP に『Night Escape』に続き先日キープ・シェリー・イン・アテネを脱退したサラ・Pが「Honest」にヴォーカルで参加しているのも注目だ。
日本のみボーナストラック5曲収録
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掲載: 2014年04月15日 19:38