クラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤー、4枚目のアルバム
このアルバムはリード・シンガー/ソングライターのアレック・オウンスワースの過去10年以上に及ぶミュージシャン人生の所見を緩やかに文書化しようとした作品だ。曲を完成させる為にスタジオへ持ち込む前に、アレックは自分自身でほとんど曲を作り上げていた。これはバンドのファースト・アルバム以来のことで、強烈な個としてのアイデンティティこそがクラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤーを上手く行かせるための手段である、ということの証明ともなっている。
例えばジョン・ケイル、ボブ・ディラン、ルー・リード、トム・ウェイツといった彼の愛する妥協をしないソングライター達からの影響で、アレックスはアーティストの“クリエイティヴ・コントロール”というものを強く信じている。
「レコードによって美学的にギアを入れ替えたりすると驚く人がいるよね。けど、僕にとってはそこがポイントなんだ。可能性を利用するミュージシャンとしての責任を僕らは持っているんだ。例えば、僕がトム・ウェイツの全ての作品を持っている理由がそこにはある。僕は彼を信用しているんだ」とアレックは語る。今作の際立った特徴は、アレック自身どんなプロジェクトでも使用していなかったシンセサイザーの使用だ。また、ザ・ナショナルのマット・バーニンガーが「カミング・ダウン」にヴォーカルで参加。「カヴァー・アップ」ではキッド・コアラがターンテーブルで参加している。
クラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤーは、本国ではレコード・レーベルに所属せずに作品を自主でリリースしている。「常に自分達で曲を作り、マーケティングし、ディストリビューションする」というバンドが始まった時からの精神が、まず最初にファンの琴線に触れるが、それはアレックのコアな信念を拡張するものでもる。「一般的なルールとして、自分達のオーディエンスに感謝しなくてはならない。自分でオーガナイズすることができて興味を持てるなら、ファンには直接にアプローチしなくてはならない」と彼は語る。
2014年、ファンとの直接的なコネクションを持つために、彼はファンの家のリビング・ルームでプレイするショーもおこなう。これは、芸術がどのように働かなければならないかという彼の展望を確認して、音楽に対する信頼を確かめる行為でもある。
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掲載: 2014年05月01日 11:31