ゲイリー・ムーア、2007年未発表ライヴ音源が遂にオフィシャル・リリース
2007年当時の最新アルバム『クローズ・アズ・ユー・ゲット』のリリースを記念しておこなわれたスペシャル編成ライヴである本作、演奏曲目は前半が新作からのナンバー、後半はブルース期の代表曲を中心としたもの。2010年の日本公演でもプレイされた「スティル・ゴット・ザ・ブルース」や「ウォーキング・バイ・マイセルフ」「ザ・ブルース・イズ・オールライト」などの代表曲の数々、新たなる泣きのギター・ソロを開眼させた「アイ・ハッド・ア・ドリーム」、そしてこのツアーでしか演奏されなかったサニー・ボーイ・ウィリアムスンIの「アイサイト・トゥ・ザ・ブラインド」やサン・ハウスの「サンダウン」などレアなカヴァー曲も披露される。
ハード・ロックやフュージョンなど、さまざまな音楽スタイルを経てきたゲイリーだが、その原点にあるのはブルースだった。少年時代にエリック・クラプトンやピーター・グリーンから薫陶を受けてきた彼は1990年に『スティル・ゴット・ザ・ブルース』で本格ブルース路線に転向。2010年4月、最後のジャパン・ツアーまで、ブルースを中心とした活動を行ってきた。本作に収録されたライヴは、その集大成といえるものだ。
「自分の中のブルースを再発見する時期だった」と後にゲイリーが語るとおり、多彩なギター・サウンドに挑戦しているのも本作の特徴だ。愛器ギブソン・レスポールを筆頭に、フェンダー・テレキャスター、そしてアコースティックなどを用いて、カラフルな音色を聴かせる時期のライヴであることも、本作のサウンドに奥行きをもたらしている。
このライヴは当時、イギリスのネットラジオ局『プラネット・ロック』でオンエアされたが、新たに音源をリマスター。さらに放送されなかった「トゥ・タイアード」とシン・リジィの「甘い言葉に気をつけろ」を収録している。
2007年には2度の英国ツアーを含む長期ツアーを敢行、10月にはジミ・ヘンドリックスの楽曲をプレイする『ブルース・フォー・ジミ』ライヴを行うなど、まさに絶好調だったゲイリーのギター。それに加えて、彼を支えるメンバーも実力者揃いだ。特にシン・リジィ時代からの盟友ブライアン・ダウニーはタイトでありながらスウィング感のあるドラミングで、ゲイリーをバックアップしている。このツアーを最後に、ブライアンはゲイリーのバンドを脱退するため、本作は両雄が相まみえたラスト・ツアーのドキュメントとして、重要な位置を占めるものだ。
2011年2月6日に亡くなったゲイリーだが、そのギターは永遠だ。ソチ冬季五輪フィギュアスケートでは羽生結弦選手がショート・プログラム曲にゲイリーの「パリの散歩道」を使用、金メダルを獲得したのは記憶に新しい。日本盤のみ本作とは別ライヴでの「パリの散歩道」をボーナストラックとして追加収録している。
【メンバー】
ゲイリー・ムーア(ギター/ヴォーカル)
ブライアン・ダウニー(ドラムス)
ピート・リース(ベース)
ヴィック・マーティン(キーボード
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タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM) リイシュー
掲載: 2014年08月12日 14:51