オーウェン・パレット全面協力!フォクシーズ・イン・フィクション新作
カナダのオンタリオ州トロント出身で、現在はブルックリンで活動しているウォーレン・ヒルデブランドによるソロ・プロジェクト、フォクシーズ・イン・フィクションは15歳の時にサンプル・コラージュ・プロジェクトとして始動し、2010年に自身のレーベルOrchid Tapesよりデジタル・リリースしたEP、『Alberto』でデビュー。そして同年ファースト・アルバムは『Swung From the Branches』を発表。これは当初は自身のサイトでフリー・ダウンロード公開していたが、その後Ghostly International所属のヤクブ・アレキサンダーが運営する名門デジタル・レーベルMoodgadgetからリリースされた。ディアハンターのブラッドフォード・コックスによるプロジェクト、アトラス・サウンドの影響も感じさせる幽玄的なアンビエント~ドリーム・ポップで、当時のムーヴメントであったチルウェイヴ、さらにはシューゲイザーにも共振し、各所から高い評価を得た。
彼の弟は2008年に16歳の若さで突然この世を去った。その死の悲劇と喪失感に向き合いながら徐々に立ち直って行く5年間の過程が反映された作品がこの『Ontario Gothic』である。2011年秋から2014年春にかけてトロントとニューヨークで録音された。もちろんこれまでの延長線上のアンビエント~ドリーム・ポップ・テイストの作品であるが、女性ヴォーカルが多数フィーチャーされており、ストリングスにオーウェン・パレットがフィーチャーされるなど、サウンドのスケールはぐっと増している。プロダクションもアトモスフェリックながらより立体感を帯び、メランコリックなムードと壮大な臨場感が印象的だ。
シンプルなビートの上を浮遊感に満ちたキーボードやギター、サンプリングなどのレイヤーが揺らぎながら重なり、リヴァービーなヴォーカルが溶け込んでいくサウンドは、聴き手を緩やかに引き込む。オーウェン・パレットのストリングス・アレンジも実に巧みで、随所でドラマティックなムードを拡張される重要なアクセントになっている。
ウォーレンの心象風景が見事に音像化さた儚く美しい名作だ。
【仕様】
※ボーナス・トラック3曲収録
※正方形紙ジャケット仕様
※日本のみでCD化
※解説・歌詞・対訳付き
タグ : UK/US INDIE
掲載: 2014年09月11日 16:29