ゲイリー・ホルト&スティーヴ・“ゼトロ”・スーザ復帰!エクソダス新作
エクソダスがファースト・アルバム『ボンデッド・バイ・ブラッド』を録音したのは1984年。レコード会社の都合でリリースが1985年にずれ込んだが、2014年は実質、彼らにとってデビュー30周年を記念するアニヴァーサリー・イヤーとなる。ニュー・アルバム『ブラッド・イン・ブラッド・アウト』は、彼らの熱くたぎる“ブラッド=血”を再びタイトルに冠した作品だ。
ギタリストのゲイリー・ホルトがスレイヤーに助っ人参加(ジェフ・ハンネマンの代役)。そのせいで“本業”であるエクソダスのツアーに不参加のこともあったため、バンドの存続が危ぶまれたものの今年3月には『スラッシュ・ドミネーション』で来日、もちろんゲイリーも同行、健在ぶりを見せつけてくれた。そして今年6月には、バンドの絶頂期を彩ったヴォーカリスト、スティーヴ・“ゼトロ”・スーザが10年ぶりに復帰。世界中のスラッシャー達が待ち望んでいたコンビが復活して作られたのが『ブラッド・イン・ブラッド・アウト』なのだ。
ゲイリーが「どでかいスケールの攻撃的なアルバム」と呼ぶ本作。『ジ・アトロシティ・エキシビション/エキシビットA』(2007)、『エキシビットB:ザ・ヒューマン・コンディション』(2010)の2部作では複雑な展開の長めの曲も多かったが、今回はオープニングの「ブラック13」から全編、よりスピード感を重視。初期の彼らを彷彿とさせるアプローチを取っている。ゲイリーのギターは今やバンドに欠くことの出来ない存在となったリー・オルタスと鋭角的に斬り込みあうスラッシュ・リフの応酬を繰り広げ、ゼトロのひとクセあるヴォーカルは、バンドがあるべき姿に戻ったことを告げている。
現メタリカのカーク・ハメットが「ソルト・ザ・ウーンド」でギター・ソロを弾いているのも、本作の話題のひとつだ。カークはメタリカ加入前にエクソダスに在籍していたことで知られており、その意味でも本作は、エクソダスの原点に立ち返ったアルバムだといえる。
本作はアンディ・スニープがプロデュース。アクセプトの最新作『ブラインド・レイジ』からメガデスやアーチ・エネミー、カーカス、キルスウィッチ・エンゲイジまで多数のメタル・アーティストを手がけてきた彼だが、エクソダスの作品も『アナザー・レッスン・イン・ヴァイオレンス』(1997)以来、ほとんどの作品のプロデューサーを務めてきた。実質“6人目のメンバー”といえるスニープの手腕を得て、 エクソダスの新章が始まる。
タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)
掲載: 2014年10月09日 13:30