<ラウド・パーク14>を熱狂させたバトル・ビースト新作
北欧フィンランドで2008年に結成されたバトル・ビーストは、破竹の勢いでメタル・シーンに侵攻をかけ、世界を屈服させてきた。デビュー・アルバム『スティール』(2011)、続く『バトル・ビースト』(2013)は、母国フィンランドのナショナル・チャートでそれぞれ7位、5位とヒットを記録。U.D.O.やパワーウルフとのツアーによって、欧州全土にその名を知らしめてきた。また、2013年11月にはLOUD & METAL MANIAのヘッドライナーとして、初来日ステージが実現。それから1年を置かずしてラウド・パーク14への出演と、日本の喉元に深々と牙を食い込ませている。
3枚目のアルバムとなる新作『アンホーリー・セイヴィアー』は、彼らの気高きメタル・スピリットが解き放たれる作品だ。不純物の入り込む隙がない正統派ヘヴィ・メタル・ナンバーの数々からドラマチックな叙事詩「アンホーリー・セイヴィアー」、叙情バラード「エンジェル・クライ」まで、“スピリチュアルな旅路”とギタリストのアントン・カバネンが表現する世界観が繰り広げられる。過去作同様、今回もコミック『ベルセルク』からインスピレーションを得た歌詞が含まれていることは、日本のファンの胸を揺さぶることになるだろう。「スピード・アンド・デンジャー」「マッドネス」はタイトル通りのメタル・ナンバーだし、「ファー・ファー・アウェイ」ではヘヴィ・メタル・シンガーの戦記が綴られる。
紅一点ノーラ・ロウヒモは、雌獣のごときスクリームからメロディアスに歌い上げるヴォーカルまで、豊かな声量と表現力で魅せる。その歌声とド迫力のヴィジュアルは、彼女を新世代メタル・クイーンの座に就かせるに違いない。
群雄割拠のヘヴィ・メタル戦線。『アンホーリー・セイヴィアー』は、その覇者となるポテンシャルを持っている。
タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)
掲載: 2014年12月01日 16:43