知る人ぞ知る黄昏の名作!ロリ・スカッコ待望のCD復刻
ロリ・スカッコはかつてToo Pure から作品をリリースしていたシューゲイザー~ドリーム・ポップ系バンド、シーリーのピアニスト/ギタリストをつとめ、現在はサヴァス&サヴァラスのメンバーであるエヴァ・プュエロ・ムンズとのデュオ、ストームスとして活動している女性アーティストである。
本作『Circles』はロリの唯一のソロ作品であり、2004年にスコット・ヘレン主宰の
Eastern Developments からリリースされた。全ての楽曲の作曲、プロデュース、そして演奏のほとんどを自らが手掛けている。
アコースティック・ギターやピアノ、エレピなどのシンプルな音色がナチュラルな残響に彩られながら浮遊し、随所にフィーチャーされたティム・デラニーのアップライト・ベースが寄り添い、哀愁に満ちた物悲しくも温かみのあるサウンドが生成され、聴き手を優しく包み込む。必要最小限のアコースティック・サウンドで構築され、極めて静謐であるが、曲構成やアクセントが絶妙であり、聴き飽きる子ことはなく、むしろぐいぐいと引き込まれる。
全編インストゥルメンタルで、当時のチェンバー音響~ポストロック~エレクトロ・アコースティックに共振する部分も感じさせるが、今日におけるポスト・クラシカルなどに通ずるテイストがある。
現在においても一部では傑作として高い評価を受けているタイムレスな名作で、リリースから10周年のタイミングでリイシューされるこの機会に是非多くの方の耳に届いて欲しい。
タグ : UK/US INDIE
掲載: 2014年12月05日 14:09