ポール・マッカートニーを称える歴史的トリビュート・ライヴが映像作品化
世界中のアーティストに多大な影響を与えたポール・マッカートニーの功績を称え、グラミー賞による“ミュージケアーズ・パーソン・オブ・ザ・イヤー”が2012年に贈られた。毎年のグラミー・ウィークの中でも授賞式と並んで注目を集めるのが、その年の“ミュージケアーズ・パーソン・オブ・ザ・イヤー”の受賞者を讃えるコンサートであるが、ポール・マッカートニーのためならばと世界的なトップミュージシャンが集結、2012年2月10日/アメリカ・ロサンゼルスのステイプルズ・センターでスペシャル・トリビュート・ライヴが開催された。そしてついにその映像がBlu-rayで発売されることが決定した。
コンサートはビートルズの楽曲をBGMにシルク・ド・ソレイユによるパフォーマンスでスタート、会場が熱を帯びた中で颯爽とポール自身が登場し、ビートルズ時代の「マジカル・ミステリー・ツアー」、そしてウィングス時代の「ジュニアーズ・ファーム」「1985」を披露して幕を開ける。
そこからは豪華ゲストが次々に登場、決して普段は見ることのできないパフォーマンスが繰り広げられる。アメリカを代表する女性シンガー、アリシア・キーズが「ブラックバード」をピアノで弾き語れば、女性最多グラミー賞獲得シンガー、アリソン・クラウスによる「ひとりぼっちのロンリーナイト」、そしてブラジル音楽シーンの大御所セルジオ・メンデスが「フール・オン・ザ・ヒル」を披露するなど、ジャンル、世代に関わらず、多彩な顔ぶれが登場する。
コールドプレイの「恋を抱きしめよう」、ニール・ヤングがクレイジーホースをバックに演奏する「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」はビートルズ楽曲の魅力をあらためて感じられる本コンサートのハイライトのひとつ、また父ラヴィ・シャンカールがビートルズとは関係の深かったノラ・ジョーンズ「オー!ダーリン」やサーフ・インスト・ギターの王者で、復活にポールが力を貸したデュアン・エディによる「アンド・アイ・ラヴ・ハー」なども聞き逃せない。
さらに同年ポール・マッカートニーが発表したスタンダード・カヴァー・アルバム『キス・オン・ザ・ボトム』で共演した女性ジャズ・シンガー、ダイアナ・クラールの参加によって、この時期ならではの雰囲気をともなっている。他にも、ビートルズの作ったアップル・レコードからデビューしたジェイムス・テイラーやイーグルスのジョー・ウォルシュ、この年12月にニューヨークで行われた“ハリケーン・サンディ被害支援 12-12-12コンサート”で共演するニルヴァーナ~フー・ファイターズのデイヴ・グロールも登場するなど、ビートルズ、ポール・ファン、すべてが大満足の世界が展開される。
そして2012年、6月にはエリザベス女王の即位60周年祝賀コンサート、7月にはロンドン・オリンピックの開会式ライヴのトリをつとめ、さらに翌2013年には最新作『ニュー』の発表、ツアー、そして11年ぶりとなる日本公演など、素晴らしい快進撃が続いていくが、そのスタートとなったのがこの歴史的なトリビュート・コンサートである。
【出演アーティスト】
ポール・マッカートニー / コールドプレイ / デイヴ・グロール / ジェイムス・テイラー / ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース / ジョー・ウォルシュ / アリシア・キーズ / ノラ・ジョーンズ / ダイアナ・クラール / セルジオ・メンデス / デュアン・エディ / アリソン・クラウス・アンド・ユニオン・ステーション feat.ジェリー・ダグラス / シルク・ドゥ・ソレイユ feat.ザ・ビートルズ・“ラヴ”・キャスト