ザ・ニュー・ベースメント・テープスへ参加!リアノン・ギデンズ、初ソロ作
第53回グラミー賞でベスト・トラディッショナル・フォーク・アルバムを受賞したキャロライナ・チョコレート・ドロップス。そのメンバーで、バンジョー、フィドル、ギターなど様々な楽器を手掛けるマルチインストゥルメンタリスト、リアノン・ギデンズ。彼女にとって初めてとなるソロ・アルバムがノンサッチ・レコーズからリリースされる。
2014年は、エルヴィス・コステロ、マーカス・マムフォードらによるスーパー・プロジェクト、ザ・ニュー・ベースメント・テープスに参加したり、コーエン兄弟の映画『インサイド・ルウェン・デイヴィス』の音楽へのトリビュート・イベント、「Another Day, Another Time」 に出演したりと、キャロライナ・チョコレート・ドロップス以外での活躍を見せた彼女。ザ・ニュー・ベースメント・テープス、「Another Day, Another Time」のどちらにも関わっていたTボーン・バーネットをプロデューサーに迎え、本作『TOMORROW IS MY TURN』を完成させた。
ちなみにプロデュースを申し出たのは、Tボーン・バーネットの方だったという。「Another Day, Another Time」で2曲をパフォーマンスした彼女は観客をスタンディング・オベーションで沸かせただけでなく、バックステージでTボーン・バーネットはアルバムのプロデュースをさせてもらえないかとTボーン・バーネットが直ちに申し出るほど、彼の心を揺り動かしたという。「リハーサルで彼女を聴いたとき、すぐに彼女はマリアン・アンダーソン、オデッタ、マハリア・ジャクソン、ロゼッタ・シャープといったアーティストに連なるアーティストであるとはっきり感じたんだ。彼女みたいな人が我らのカルチャーには必要だ」そう彼は語っている。
初めてのソロ・アルバムを制作するにあたり、彼女はキャロライナ・チョコレート・ドロップスの世界には上手くはまらないものをリストにしたという。そのリストの頂点にあるのが、ニーナ・シモンで広く知られる「Tomorrow Is My Turn」だったという。その他、彼女が選んだのは、ゴスペル、ジャズ、ブルース、そしてカントリーなど幅広い音楽性となっている。その結果、収録曲には、「Black Is the Colour」などのトラディショナルな楽曲から、パッツィ・クラインで知られる「She's Got You」、ドリー・パートンの「Don't Let It Trouble Your Mind」などが並び、さらに彼女自身の楽曲も収録されている。
ロサンゼルスとナッシュヴィルでレコーディングされたという本作には、Tボーン・バーネットが集めた様々な世代のミュージシャンがリアノンのバックを固めている。その中には、パンチ・ブラザーズのゲイブ・ウィッチャーとポール・コワート、モータウンのファンク・ブラザーズのジャック・アシュフォード、ドラマーのジェイ・ベルローズにコリン・リンデンなどが含まれている。
キャロライナ・チョコレート・ドロップスと変わらず、アメリカン・ルーツ・ミュージックを追求しながらも、女性アーティストの伝統も受け継いでいるリアノン・ギデンズ。Tボーン・バーネットの言葉通り、アメリカのミュージック・カルチャーを語る上で欠かせないアーティストとなることは間違いない。
コステロ、マーカス・マムフォードらと共にリアノンが参加するザ・ニュー・ベースメント・テープスはこちら>>>
掲載: 2015年03月31日 13:07