インコグニートのブルーイ、ソロ第2弾
バンドのソウル純度を最上級に膨らませたインコグニートとしての最新作『アンプリファイド・ソウル』('14)はビルボード・コンテンポラリー・ジャズ・チャート首位を獲得。この夏のジャパン・ツアーが各地ソールド・アウトの盛況をみせる頃、既に総帥・ブルーイの頭脳には次の構想が膨らんでいた。
「イギリスに戻ったら、各地ショウの合間をみてセカンド・ソロの制作にとりかかって年内には仕上げるよ」-ブルーイ
その実、戻ってすぐ、とある新人がロンドンにブルーイを訪ねアルバム・プロデュースを受け、加えてフュージョン界の大物、ヨーロッパのヴォーカリスト、ソロ含め3つの自身周辺プロジェクト、と秋の作業スケジュールはツアーを加えるとびっしりだったブルーイだが、約束どおり'15年が明けたと同時にソロがほぼ完成をみた!
写真は数々のスーパーモデルやジャズ・ジャイアンツを撮ってきた巨匠、マルコ・グラヴィアーノがシューティング、より〈オトコ〉の〈ダンディズム〉に磨きがかかっているが、アルバムの詳細クレジットが届かずとも、前作同様、30年近くの付き合いでお互いを知り尽くしたリチャード・ブルとの楽曲制作が軸になっているであろうことは、出てくる音で明白。
前作の「Ain't Nobody's business But My Own」のようにスキー・オークンフル辺りと制作したであろう「Hold On」は重心の低いボトムと空間的な上モノで欧米のディープハウス・トレンドそのもの。続くアルバム・タイトル曲はMFSB「Mysteries Of The World」を思わせるグルーヴィなベースラインと、同グループ初期を思わせる壮麗なストリングスの、アルバム・リードトラック候補。「Saints And Sinners」はいわゆる〈グラスパー〉後のビート構築に、上モノはハウス・クリエイターの創るR&Bのそれっぽいキレイ系。
今回のキラーコンテンツ足り得る側面はジャズ目線でのラテン強化!マンボ調の「Trippin’On This Feelin'」、ラテン・ジャズな「Columbus Avenue」と、オトナなダンス音楽を演出。アシッド・ジャズ・シーン黎明期はこうした曲に合わせ、スーツにタイドアップして踊っていたのをブルーイは心得ている。
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タグ : ソウル/R&B
掲載: 2015年04月08日 15:01