シンフォニー・エックス、ダンテ『神曲』にインスパイアされた9作目
デビューから2015年で21年目を数えるアメリカのプログレッシヴ・メタル・バンド、シンフォニー・エックスが、通算9作目のスタジオ・アルバム『UNDERWORLD』をリリース。2011年6月発売の『ICONOCLAST』以来、4年振り。
■ダンテの『神曲』にインスパイア
本作は、イタリアの詩人ダンテ・アリギエーリの叙事詩『神曲』に感銘を受け作られている。それについてマイケル・ロメオは、このように語っている。
「イタリアの詩人ダンテ・アリギエーリに深くインスパイアされ、この『UNDERWORLD』は『神曲』の地獄篇を描いている。ダンテの3という数字とその倍数の用い方(註:『神曲』は彼自身が開発した3行詩(テルツァリマ)で進行し、3つの篇(地獄篇、煉獄篇、天国篇)はそれぞれ33の歌から成る)に対する敬意として、バンドは歌詞やメロディにこのモチーフを盛り込んだ。アルバムの1曲目は、3つの音節と3つの旋律で作られ、さらにヴァースには俺たちのサード・アルバム『THE DIVINE WINGS OF TRAGEDY』収録の3曲から、3つの引用がある。こうした手掛かりは、アルバム全体を通して見つけることができるだろう」
■スウェーデンの名手によるミックス&マスタリング
ミックスとマスタリングは、ドラゴンフォースやオーペスらの作品も手掛ける、ここ数年、メロディアスなメタル・バンドからエクストリーム・メタル・バンド、そしてプログレッシヴなサウンドのバンドから引く手数多のイェンス・ボグレンが担当した。イェンスは、2015年秋発売予定のアモルフィスの新作のプロデュースも任されている。
■オーヴァーキルとカップリング・ツアー
2015年9月中旬から10月中旬にかけて、日によって出演順を変える完全ダブル・ヘッドライン形式で、オーヴァーキルと祖国アメリカをサーキットすることが決定している。海外では同じ〈Nuclear Blast〉所属バンド同士ではあるが、スラッシュ・メタル・バンドとツアーできる音楽的幅の広さが、そのあまりに高度な演奏技術からエクストリームな側面も併せ持つシンフォニーXが、単なるプログレッシヴ・メタル・バンドではないことを証明している。
05年には、メガデス主宰の『GIGANTOUR』にも参加し、2011年にはネヴァーモアと欧州でダブル・ヘッドライン・ツアーを実施した経験も持つ。