フォークとアンビエントの心を持ったエリントシーカー最新作
『Geography Of The Heart』は、彷徨することの楽しみや記憶と感情の欠片を十二の楽曲に集結した作品となっている。2011年から2013年の間に行った旅の記録を、手帳に書き込むのではなく、音でスケッチするという手法にこだわった。
古都クラクフの端っこに佇む古城、コペンハーゲンの平穏な墓地、東京郊外の路地裏等の旅情を、意識の流れに身を委ねその場で楽曲構成の骨組みは作られ、記憶が薄らいでしまう前にレコーディングや楽曲に広がりをもたせる作業を帰国してから取り掛かった。
メロディー、音楽性、曲作りの基本姿勢、即興奏法などに重視して制作された本作品は、前作とは異なった新たなスタイルを用いた作品に仕上がっている。ポップスとフォークに影響を受けつつも、アンビエントな心を持ったアルバムである。
本作品には、世界中から様々なミュージシャンが参加している。アメリカのシンガーソングライターJessica Bailiff、マケドニア出身のシンガーGenoveva Kachurkova、日本からはFerri、フジモト・シュンイチロウ(Fjordne) と柳平淳哉(いろのみ)、シンガポールからはサウンド・アーティスト、Darren Ng (sonicbrat)とミュージシャン、Victor Low (Affixen)、アメリカ出身の伝説的なシューゲイズ・ギタリストScott Cortez (lovesliescrushing)、オーストラリア出身の実験音楽家のCharlie Sage (Year Of The Ox、Hessien) 、そしてフランスからはジャズギタリスト・即興音楽家のNoel Akchote等が参加している。彼らの才能が原曲に広がりや奥行きを持たせ、新たな楽曲に変貌を遂げた。
掲載: 2015年06月15日 20:15