UKの国民的バンド=ステレオフォニックス待望の新作
デビュー以来トップ・ランナーであり続けるUKの国民的バンド=ステレオフォニックス。20年目に突入した今もなお、2年に一度のペースで良質な作品を発表し続ける驚異的な安定感と意欲的な活動を持続している稀有な存在だ。本作は自身のレーベル「スタイラス・レコーズ」からの第2弾、通算9作目のオリジナル・アルバム。先行シングル「セ・ラ・ヴィ」は、このバンドの真骨頂であるエネルギッシュかつ爽快な疾走感溢れるロックンロールで、彼らのアッパー・サイドが好きな人にはまさに“待望”の新曲と言えるだろう。前作『グラフィティ・オン・ザ・トレイン』ではかつてなく壮麗で哀愁を湛えた楽曲が並び、シリアス・ムード漂う“秋冬仕様”な作風だったが、本作では前作の成功(全英3位/34週間チャートイン)からか、逆にこれまでで最も肩の力が抜けた感が強く、 ケリーのヴォーカルも全体を通して“力み”が一切ないのが印象的。豊潤なポップ・メロディー、熟練を感じさせるヴィンテージなギターサウンドが効いたダンサブルなロック、デビュー時と変わらぬ素朴な香りのバラードなど、見事なまでに柔軟で色彩豊かな“春夏仕様”の作品に仕上がった。
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掲載: 2015年07月03日 16:40