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BBC SOUND OF 2015選出!クワブス待望のデビュー・アルバム完成

KWABS

 

英国音楽シーンで次来る新人アーティストを予測するバロメーター、BBC SOUND OF 2015、そしてMTV's Brand New For‘2014’Nomineesにも選出された、サウス・ロンドン出身の男性シンガー・ソングライター、KWABS(クワブス)。

2014年、「Wrong Or Right」、「Pray For Love」、そして「Walk」と3枚のEPを次々とリリース。繊細な軽さから、深みのあるヴォーカル、そしてキャッチ―なフックのあるポップ・チューンまで、これらのEPは、待望の新作の多面性を予感させてきたが、その中でも「Walk」は、ヨーロッパで大ヒットとなり、ドイツでNo.1したほかゴールド・ディスクにも認定され、ノルウェーではプラチナ・ディスクを獲得している。

「Walk」は後に、全米で話題のラッパー、Fetty Wapをフィーチャーしたヴァージョンもリリース。また新たな形での話題を呼んでいる。

ガーナ系のルーツを持つKWABSは、音楽の先生の指導により National Youth Jazz Orchestra.に参加し、奨学金を得て、ロイヤル・アカデミーでJAZZを学ぶ。そして2011年には才能ある若いミュージシャンを発掘するTV番組、「Goldie's Band: By Royal Appointment」に出演、その結果ハリー王子の前でパフォーマンスする機会を得る。その後、コリーヌ・ベイリー・レイやジェイムス・ブレイクのカヴァーをYouTubeにUPし、それらの評判が口コミで広まり、レコード契約を手にする。

様々な経験をしてきたKWABSの音楽的影響もまた、“いろいろなものがごちゃ混ぜ”になっているという。それを説明する度、彼は人が自分を“耳馴染みのないものだから、どのジャンルにくくったらいいのか迷っている”のを見てきたという。そうした反応を受け、彼はしばしば「もっと分かりやすいものを作るべきか?」と自問することがあったそう。

そんな彼のサウンドは、ニュー・ジャック・スイング風な「Make You Mine」もあれば、荘厳なまでのゴスペル・コーラスが響き渡る「Love+War」もあり、またパーカッションの効いたダンスフロア・チューンに、80s風ディスコ・サウンドを取り込んだ「Fight For Love」まで実に多彩。また長年コラボレートしてきたDave Okumu (The Invisible / Jesse Ware他)とプロデュースした「Layback」なども収録されている。

そのサウンドの中でも、アルバムのテーマになっているのではないかと思えるほど際立っているのが、ゴージャスなヴォーカル・プロダクションである。これは彼の豊かなバリトン・ヴォイスに負うところも多いが、例えば「Walk」のアウトロなどは36層ものバッキング・ヴォーカルを重ねているという。「自分のアイデンティティを込めるために、ヴォーカルのレコーディングには時間をかけているんだ。時には、求めていたサウンドを形にするまで、14-15時間もスタジオに籠ることだってある。でもそれが楽しいんだ」

そして歌詞の部分では、自分の体験に基づいているものも多いという。例えば、「Father Figure」といった曲は、KWABSの子供時代に欠けていた“親的存在”の代わりとなってくれた”保護者”や”指導者”的存在を思い浮かべて作ったそうだが、その曲を友人に聞かせてみたところ、温かな曲調だったにも関わらず、大泣きだったそう。「そうしたリアクションを目の当たりにしちゃうと、無視できないよね」とKWABSはコメントしている。

ポップスかソウルか、それともエレクトロなのか―― 一つのジャンルにカテゴライズするのが難しいKWABSのサウンドだが、敢えて表現するなら“告白型ソウル”という言葉がしっくりくるかも知れない。そんな自身の音楽について、KWABSはこう語っている。「曲には自分なりに共感したり、思い入れを持ちたいと思っているけど、それ以上に自分にとって大きなことであり、重要なのは、聴く人が俺の曲を聴いて、そこに俺のだけでなく、その人自身のストーリーを重ね合わせてくれることなんだ」

ライヴ・パフォーマーとしても、Rosklide、モントルー・ジャズ・フェスティヴァル、Latitude等のフェスティヴァルに出演したほか、7月にはロンドンのサマーセット・ハウスでの公演を大成功させている。サム・スミスのファルセット・ヴォイスが人を泣かせるのであれば、KWABSのディープなソウルフル・ヴォイスに、人は己の喜怒哀楽を重ね、心動かされるのである。

 

 

 

タグ : ソウル/R&B

掲載: 2015年09月01日 11:01