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ラッセル・マローンのギター・カルテットが新作を完成

Russell Malone

2015年HighNote移籍第一弾となった4年振りの新作『Love Looks Good On You』がスマッシュ・ヒットとなったラッセル・マローンが絶好調!

90年代には、あのダイアナ・クラールのバック・バンドの中核メンバーとしても活躍したマローンは、奇をてらうことない美しいフレージングが魅力的。前作でも、2曲の映画音楽、公民権運動で盛んに歌われたゴスペル・ソングなども織り込んだ9曲のナンバーが端正につづられましたが、本作は、タイトルにも象徴されるように、さらにメロディ・センスに磨きがかかった演奏を聴くことができます。


メンバーはベーシスト以外不動で本作もピアノ・トリオをバックにしたギター・カルテット作品。特に、今は亡きジム・ホールに捧げたナンバーの美しさは至高のもの。ごくごくシンプルなメロディにも関わらず、シングルトーンと、コード感をとりいれた美しいハーモニーとをまじえてつづるメロディ・ラインは、最高にロマンティック。ギター・レジェンド、ジム・ホールへの思いを、正に一つ一つの音に込めたような演奏で、そこには豊穣な薫りのようなものさえも感じさせます。

また数曲でフィーチャーされるポップなナンバーも魅力的。特に、美しいアルペジオをイントロにした「When a Man Loves a Woman」(邦題:男が女を愛する時) は絶品。なんと、ギター一本、ソロでの演奏ですが、ビートにもさえぎられることなく、ゆったりと紡いでいくサウンドには、愛しみが満ちあふれ、アメリカン・スタンダードともいえるこの曲の中でも、白眉といえます。

ミディアム・スウィングの演奏や、「Jive Hot」と題するアップ・テンポのナンバーも交え、華麗なソロも聴かせつつ、しかし、全体を貫くのは、やはりしなやか、かつ、記憶に残るメロディ・フロー。

本当の歌心を持ったアーティストだからこその作品。やはり、さすが歌姫ダイアナ・クラールを支えたアーティストです!

Russell Malone / All About Melody
1. On the Real Side
2. Message to Jim Hall
3. Nice Lady
4. Sound for Sore Ears
5. When a Man Loves a Woman
6. Saving All My Love for You
7. Jive Hoot
8. Haunted Heart
9. Biskit
10. He’s Gone Away

メンバー:Russell Malone(g), Rick Germanson(p), Luke Sellick(b), Willie Jones III(ds)

掲載: 2016年03月31日 15:42