本音と建て前がせめぎ合うロンドンの不思議デュオ＝HONNEのデビュー・アルバム

温かみのあるエレクトロ・サウンドにヴィンテージ・ソウルやポップなフックを融合させた、“時代を超える”都市型ナイト・ミュージックでじわじわと人気と話題を集めている英国出身エレクトロ・デュオ＝HONNE。日本語の“本音”が持つ意味を気に入り、まさに自分たちの作っている曲を表していると考えたことから付けられたというバンド名や、日本盤を意識したアートワークなどの“日本好き”な一面でも注目されている彼らが、待望のデビュー・アルバムをリリース。

「ソウルメイトを見つけろと言われつつも、オンラインでデート相手を探すリスクに手を出し、延々とブラウズしながら、右に左にスワイプしながら、選択肢の多さに圧倒されている――そんな2016年の恋愛関係の良い部分と悪い部分」を捉えたという本作。いつまで続くか分からない蜜月期間を祝う「Good Together」や、身近な人を想い、また想われる感覚を描いた「Woman」。“禁じられた愛”を、男女それぞれの面から捉えた「Someone Who Loves You」など、時に本音と建て前がせめぎ合う関係を垣間見ることが出来る。

一方のサウンド面は、ジェイムス・ブレイクやフランク・オーシャンを彷彿させるようなエレクトロ・ソウルや、70年代～80年代のクインシー・ジョーンズ風ソウル・ファンクの影響を感じさせ、どこかインテリ繊細系な雰囲気を感じるエレクトロ・ビートが全編に流れている。