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パラダイス・ロスト(Paradise Lost)、デス・ドゥーム路線を進化させた新作『メデューサ』

Paradise Lost

1988年にイギリスのハリファックスで結成。アナセマ、マイ・ダイイング・ブライドとの“英国デス・ドゥーム三羽鴉”として注目を集めた彼らは耽美的なゴシック・メタル・サウンドを確立。その後、プログレッシヴなアプローチで脱メタルを図ったこともあったが、近作ではダークでヘヴィな側面を取り戻してきた。 原点回帰を果たした彼らがそのデス・ドゥーム路線をさらに深化させていくのが『メデューサ』だ。

ギリシャ神話の蛇髪の妖女メデューサをタイトルに冠した本作。彼女の目を見ると人間は石と化すといわれるが、ヴォーカリストのニック・ホルムズは「メデューサの眼を覗き込むことは、この世界が無意味であるという現実と直面すること」と語っている。

そんなダークな美学で彩られた本作のサウンドについて、ニックは「あえて比較するならば『シェイズ・オブ・ゴッド』(1992)に近い」と主張する。彼のグラウル・ヴォイスとグレッグ・マッキントッシュの地べたを這うような重低音ギターは、初期からのファンを過去へといざなっていく。

ただ本作は単に過去にベクトルを向けたものではなく、30年近い音楽のオデッセイの集大成でもある。「フィアレス・スカイ」は幽閉されたゴシック世界から解き放たれたスケール感を持つナンバーだし、先行リーダー・トラックとして公開された「ブラッド・アンド・ケイオス」や「フロム・ザ・ギャロウズ」は漆黒に色塗られながらも躍動感に満ちている。

バンド結成以来、ニックとグレッグのチームに加えてアーロン・エイディ(ギター)、スティーヴ・エドモンドソン(ベース)という不動の4人を軸に活動。呼吸の合ったトータル・サウンドを提示しているのに加えて、本作ではワルテリ・ヴァイリネンが新加入。23歳の新ドラマーの新しい血を取り入れながら、鮮度の高いサウンドで絶望の淵へと追い込む。

アルバムのプロデュースは前作に続いてハイメ・ゴメス・アレラーノを起用。カテドラル、ゴースト、チュリサスなど個性派メタル・アーティストの数々を手がけてきた彼の手腕を得て、さらに鮮明に綴られることになる。

エクストリーム系新鋭デザイナー、ブランカ・スタジオをジャケット・アートに起用、また新世代ドゥーム・メタルの雄ポールベアラーをツアー・サポートに迎えるなど、新たな時代に向かっていくパラダイス・ロストが2017年、我々を『メデューサ』という名の闇に導いていく。

【メンバー】
ニック・ホルムズ(ヴォーカル)
グレッグ・マッキントッシュ(リード/リズムギター)
アーロン・エイディ(リズムギター)
スティーヴ・エドモンドソン(ベース)
ワルテリ・ヴァイリネン(ドラムス)

 

 

 

 

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『One Second (20th Anniversary)』

ゴシック・メタルを確立した英のバンド"パラダイス・ロスト"がアルバム『One Second』をリリースしてから20周年を記念してリリースされる2枚組。CD1には、アルバム『One Second』を2015年新リマスター音源で収録。CD2にはリリース翌年にロンドンで行われた熱狂のライヴ「Live atShepherd's Bush Empire」の模様を収録。

 

タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)

掲載: 2017年08月28日 16:35